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102 バルディン家の変人の家へ向かうところから

複数話投稿です 順番にご注意ください

しばし浄化仕事から離れた話が続きます

馬車で30分ほど行ったところ 森の手前で川のすぐ近くに中程度の庵のような建物が建っている


「あそこが 祖父の家です」


「お母様達とは別に暮らしているのですか?」


「ああ 本人がそうしたくて 飛び出した 時々本邸に戻ってくるけれど」


自由な人のようだ


カーライル様は

「ここからは私の後ろを付いてくるんだ 何が仕掛けられてるかわからないからな」


どんな家だよ


足元の草むら部分には 草が結んで人を転ばせるトラップがある

「全く 子供みたいな事を...」


通り道のど真ん中には不自然に浮き上がった土が たぶんこれは落とし穴だろうな


カーライル様はそこを避けていく

私もそれに倣う

ただ 避けた先に分かりにくい新たな落とし穴があったらしい


「おっと」


さほど深くはない穴に半分足がかかったカーライル様 でも問題なく体勢を整える


私をひょいと持ち上げて安全な場所に置いてくれた時

ーーバコンッ!

カーライル様の頭に野球ボールみたいなものが飛んできて直撃した


あわわわ カーライル様 顔が引き攣ってますね

「...油断しました ちょっとここで待っててくださいね」


ドアをノックして

「お祖父さん カーライルです 遊んでる場合じゃないです 大事な話があるので開けてください」


返事は無い


「お祖父さん 開けますよ」

カーライル様が開けたその時 回転式の棒が顔面に向かって飛んでくる


当たる!


と思いきや さすがカーライル様 俊敏に避ける


そしてその時


どじゃああああああ!!!


玄関上から 大量の牛糞の入った飼葉が落ちてきた コントですか?

その量は流石に避けれないだろうな


「...この クソジジイ!!出てきやがれ!」


きゃー!口の悪いカーライル様がっ

やばい ドキドキする 不謹慎ですが


「おまえもまだまだ修行が足りんな

よくそれで国を守るとなど言ったもんだ」


白髪 少し頭は薄く 顔は厳しい でも昔美男子だったのではないかという面影のご老人が玄関からではないところから現れる


でもなんだろう あまり怖くない

軍人さんのようでもあり 頑固な職人さんのようでもある

トラップの内容にしたって可愛い仕掛けだし


ご老人はまじまじと私を見る というか観察する


「...おまえが聖女か そうは見えんな」


そうですね その通りです


「ツムギ・コジマと申します お会いできて光栄です」


今までの中で一番ナチュラルに挨拶できた


「...バルディン家へ嫁ぐには器量が悪いな カーライルの眼も視力が落ちたか」


カーライル様が牛糞まみれで睨もうとするが真っ黒な中から目がギョロリとして絵的に可笑しい


あはは でもその通りですー

「そうですね 不相応なのはわかってるのですが 図々しく付いて来てしまいました」嫌味なく笑って答えた


「ジジイ これ以上ツムギを侮辱するなら 剣を抜くぞ」

カーライル様 全身黒くて怖さ半分以下


お祖父様は

「臭い男は裏で全身洗ってこい 玄関を片付けるまでは入って来るな 着替えは置いてある」


「お前はついて来い 入り口はこちらだ」


カーライル様は(多分)心配そうにしていたが

「大丈夫です 先に行ってますね」

と私はスタスタと先に行くことにした


ガレージのような倉庫のような また作業場のような場所から入って行く

そこにはまるでコレクションのように大工道具などが整頓陳列されていた


「うわぁ!すごい種類...!ノコ引きの目の種類がたくさん!ハンマーも!家でも作れそう!」


工務店の作業場がこんな感じだった

思わず立ち止まって見入ってしまった


「ああ 昔の墨出し壺が!久しぶりに見た」


そして素の言葉で話してたのに はっと気がついた


お祖父様がこちらを意外な顔で

「詳しいな」


あ ちょっと取り繕おう

「失礼しました 父が大工の仕事をしておりましたので 懐かしくなってしまいました」


「そうか」


奥に入って普通の応接室の様な場所に通される

お祖父様はワインと無骨なコップを持ってきて自分で注ぐ

コップを渡されたのでいただいたが かなり辛口の白ワインーこの方 焼酎とか好きなのではないだろうか...


「また 聖女がなんでこんな辺境の子爵家に嫁ぐつもりになった」


「...そうですね 元々誰とも結婚するつもりではなかったのですが カーライル様のお心が嬉しくて お受けしたくなったんです」


「おまえにカーライルの妻が務まると思っているのか?」


それは...自信ない

「貴族へ嫁ぐという事が私には理解ができていません なので失格と言われると諦めるしかないなと思います」


「わしが何を言っても好きにすればいいだろう わざわざ顔を見せにくる必要はない」


「もしかするとカーライル様はそう言うかもしれませんね でも 私はそうしたくないです」


ドアを勢いよく開けたカーライル様

水も滴るいい男になってます

風邪引かないといいんだけど


「なんとでもツムギを認めてもらわないと正式な婚約者にしてもらえないんです

とっとと認めてください」


「断る だが 勝手にしろ」


「では勝手にします ツムギ 帰ろう」


え もう?

「ちょっとまだ えっと」

四次元ポケットから 米酒小瓶と乾燥帆立貝柱を出す

「良かったらお召し上がりください たぶんお好きな味かと思います」


「ふん そんなものでは懐柔されんぞ」


「ふふ ただの手土産ですよ 気に入らないなら捨てていいので」


「じゃお祖父さんそう言う事で 婚姻届はすぐにでも出すつもりです」


え?ええ?

抱えられるようにカーライル様に連れ出される


帰りの馬車にて

「明日婚姻届を出しに行きましょう そしたら晴れて夫婦です」


手を握られてうっとりと言ってますが

「ちょっと待ってください まだお祖父様は私を認めてません」


「好きにしろと言ってますよ」


「それじゃダメです 私が納得してません」


カーライル様は私を抱き寄せて 耳元で囁く

「いやもう我慢できない もうこのまま届けに行きたくてたまらないのに」


この耳元囁き攻撃に負けるものかあああ

「まだやる事はありますっのっで! 明日も行きます カーライル様は待っててください!」

ぐぐいーっと離す


「いや 無駄でしょう 兄さんの時だって結局好きにしろと言われて終わったんですから」


「マリエルお姉様は文句のない淑女だからいいのです でも後ろ盾も器量もない私はもっと頑張らないと」


カーライル様は憮然として

「...3日間待ちます 第一に器量がないなんてあのジジイの目が腐ってるとしか思えない」


事実なので私は別に気にしてないんですけどね でも明日はもうちょっと化粧してみようかしら...いやでも あのタイプはそうじゃない気がする


という事で毎日続けて私はお祖父様の家に通う事を決めたのであった

バルディンじいさんは元々軍人さんの設定です

なのでカーライル様に剣技を教えたのも彼なのでカーライル様は頭が上がらない。

エドりリエ兄さんは早々にその教育から逃げた(笑)

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