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9 優等生の真実

第一章的なものは一応今回で〆です。


 それから十数分。俺は自分の最寄り駅に降りた。

 駅前に降りてすぐ、目と鼻の先にあるのは行き慣れたゲーセンだった。

 帰宅部ガチ勢の俺。普段ならばここはスルーするべき物件だ。しかし、今日は違う。


「寄ってくか……」

 実は、新しいプライズが本日入荷すると馴染みの店員から聞いていたのだ。

 と言っても、狙うのは大きな箱に入ったフィギュアやぬいぐるみではない。俺がハマっているのは安価な景品が大量に詰め込まれているタイプのクレーンゲームだ。

 手のひらサイズの景品で埋め尽くされた海に三本爪のアームを突き入れて掴み上げる、そんな感じ。

 小さな子供でも数打ちゃ何個かは確実に取れる。それがでかい景品モノと違うところだ。

 確かにぬいぐるみやフィギュアは魅力的だが、500円玉を何回もぶっこんで収穫ゼロだと萎える。

 小物系のクレーンはそう言う点で500円でも複数景品をゲットできる確率はぐんと高い。

 小さな喜びをより多く。そんなモットーを心の中で復唱しながらゲーセンに足を踏み入れた。

 自動ドアが開いた瞬間、熱気と共に重圧感が押し寄せる。


「ん……何か騒がしいな」

 元々、ゲーセンはとんでもなく騒々しいものだけど……その規模が今日は桁違いだった。

 この店舗は近いのもあって足を運ぶ機会は多い。しかし、こんな経験は初めてだ。

 どうやら、店内BGMに加えて客自身が大人数で騒いでいるようだ。見ると、格ゲーの筐体が並ぶゾーンに人が密集していた。


「あそこの人混みか……?」

 どうやら対戦ゲーム機を囲うようにギャラリーが集まっているらしい。

 たくさんの視線が集まる先に俺も自然と体が引き寄せられていく。


「これは……」

 人垣を掻き分けた先に見えたのは、一人のプレイヤーだった。

 格ゲーをプレイする制服姿の後ろ姿。群衆はその学生の試合を観戦しているようだった。

 長い黒髪、スカートから伸びた白い脚からして女子生徒で間違いない。


「珍しいな、女の子がこんな辺鄙なゲーセン来るのか」

 制服姿のままレバーを軽やかに弾き、小気味よくボタンを叩きこむ女子生徒。

 軽快な指捌きに呼応したように画面内の小柄な女キャラが動き、軽快に攻撃を繰り出す。

 こちらに背中を向けた女子高生と思しきプレイヤーは相手を一方的に嬲り続けていた。


 彼女が操作する画面内のキャラは女暗殺者という設定だ。長髪を振り乱し、時折投擲攻撃を加えながら殴り蹴りマッチョキャラに打撃を与え続ける。

 女キャラの体格よりも遥かに大きな巨漢が、追い打ちを喰らう度に空高く浮き上がっていく。まるでインフレし過ぎた少年漫画のバトルシーンみたいだ。

 画面上部に表示された体力ゲージは相手だけゴリゴリ削れていく。

 そして、対戦相手の体力がゼロになったその瞬間――無駄にスタイリッシュなシステムボイスが女子高生の勝利を告げた。

 それに合わせてどよめきが巻き起こる。

 が、周囲の沸きっぷりとは打って変わって、女子高生プレイヤーは勝利しても何の感慨も無さげ。その背中は椅子に座ったまま微動だにしない。


「すげえな、これで十六連勝だぜ」

「あの子何者だ」

 大学生くらいの男が唸り声を上げる。彼はここでたまに見る顔なので、多分このタイトルの常連だろう。

 すると、男の声に反応するように黒い髪の女子高生は立ち上がった。


「何だよ。同じ学校か」

 画面に集中していたのでよく分からなかったが、よく見ればうちの参宮高校の制服では無いか。驚きの声が俺からも漏れる。


「あれ……」

 しかも、振り返った女子生徒に何故か既視感を覚えた。


「さあ、次の相手は誰よ?」

 彼女の長い黒髪は片側だけ耳が露わになっていて、そこにはリング状のピアスがぶら下がっていた。結構重そうな上に銀に輝いていてかなり目立つ。

 更に、制服も着崩されていてお世辞にもいい育ちには見えない。


「何、怯んじゃった?」

 腕を組む女子生徒は、挑発的な声音で男達をぐるりと見渡す。


「私をゲーセン荒らし扱いした人達は皆負けちゃったけど……もういないの?」 

 嗜虐的な笑みを浮かべる女子生徒は髪こそ染めていないものの、素行不良という印象を醸し出している。

 セーラーの上には指定外のピンク色のカーディガンを羽織っているし、スカートもかなり丈が短い。見た目怖い翔よりも威圧感たっぷりで、目がマジだ。

 俺の視線に気づいたのか、女子生徒はちらりとこちらを一瞥。目が合った。


「何……?」

 鬱陶しそうにこちらを睨みつける黒髪ギャル。


「ん?」

 俺はふと、彼女の顔に既視感を覚えた。

 メイクや格好こそギャルそのものだけどこの声、どこかで……

 瞬間、脳裏に電撃が走った。


「白瀬さんっ⁉」

「水梨君ッ⁉」

 俺達はほぼ同時に叫んでいた。

 驚きに見開かれていた瞳は、徐々に怒りを帯びて俺を睨めつける。


「何見てんの」

 白瀬さんは舌打ちしながら周囲の男達を一喝。


「アンタらはどいて」

 ヒッと声を漏らしながら人混みがモーゼの十戒みたいに真っ二つに割れていく。

 白瀬さんは短いスカートから白い脚を曝け出し、ズカズカとこちらにやってきて、


「こっち来て」

「ふぐっ……!」

 俺の二の腕をものすごい握力で文字通り鷲掴みしてきた。


「早く」

 しかもドスの効いた低い声である。こんな別人みたいな声も出せるなら声優やった方がいいよとかそういうレベルだった。


「痛い……痛いってば!」

「うっさい」

 有無を言わさぬ口調で白瀬さんが思いきり俺の腕を引っ張る。固い制服の生地越しなのに爪が立てられて本気で痛かった。


「どこに連れてく気だよっ」

 文字通りの連行だった。

 どよめく周囲の視線を浴びながら格ゲーコーナーを抜けると、暗い階段を上る。

 辿り着いた二階は古い型のゲームが並んでいて、奥にはプリクラコーナーがあるだけだった。

 この店舗は住宅街しかないような駅前の立地だからか、二階は異様に過疎っている。皆が遊ぶのは一階がメインで、俺もトイレが埋まっている時くらいしかここに来た事はない。

 そもそもプリクラを撮りに来るJK自体ここにはあまりいない。ていうか、見た記憶も無い。

 今日び、こんな場末のゲーセンに集まるのは格ゲー好きのマニアくらいなものだ。


「早くこっち来て」

 そんな訳で人気の無い二階フロアに俺を連れ出した白瀬さん。

 男性のみの入場はご遠慮くださいと書かれた垂れ幕がかかったプリクラコーナー手前に至り、ようやく彼女は俺の手を解いてくれた。


「白瀬さん、どういう事だよ」

「あ? そっちこそ……どういうつもりよ?」

 白瀬さんは甘すぎて逆に刺激臭になっている香水を匂わせつつ、俺の襟元を手繰り寄せる。

 やっと解放されたと思ったらこれだ。カツアゲでもされちゃうんだろうか。


「何で水梨君がここにいんの?」

 顔を真っ赤にして、俺を睨みつける彼女。学校での優等生の面影は微塵も無いし、声にいちいちドスが効いている。

 翔みたいに愛想を振りまくタイプとも違う、ガチで怖いギャルと化している。


 ――まさかこれが彼女の本性だってのか⁉


 一瞬よく似た赤の他人とか、実は双子でしたって展開かと思いきや、ここまでの会話の内容から言って完全に白瀬紫莉その人だ。


「ここ俺の最寄りだし……白瀬さんこそ何でっ」

 理由を話した途端、ばっと襟元を離された。尻餅をついて変な声が漏れだす。

 白瀬さんは、虫でも見るかのような眼で俺を見下ろしている。


「私はここを荒らしに来ただけだし」

 格ゲーのランク一位を白瀬紫莉の名前で独占させようとでもいうのだろうか。

 漫画とかでは見た事があるけど、そんな人種が本当にいたなんて。

 俺が呆気に取られた顔で見上げていたら、白瀬さんは虫でも踏みつぶすような眼でじろりと睨みつけてくる。


「悪い? 私あのゲームの大会にも出てんだけど。ていうか唯一の楽しみだし……文句あんの?」

 向き直り、腕を組んでの仁王立ちだ。スカートが短いからちょっと凝視すればその中身まで見えそうだった。


「別に白瀬さんが格ゲーチャンプになっても、Eスポーツ日本代表になっても俺は何も言わないよ」

 咄嗟に目を逸らして言った。しかし、自分でも語尾がごにょごにょしてしまうのが分かる。


「てか、問題はそこじゃなくって」

 連行された時は驚きの方が強くて、腕を掴まれようが至近距離で詰め寄られても何とも思わなかった。しかし、俺は彼女を前に緊張しているのだ。


「あ……そーいう事か」

 それに気づいたのだろうか。意地の悪い声音で白瀬さんが喉奥で笑いを漏らす。


「水梨君。私の放課後モードに驚いてるんでしょ?」

「……?」

 慌てて彼女の方に向き直ると、ニンマリ笑う白瀬さんと再び目が合う。

 短いスカートから形のいい太ももがすらりと伸びていた。足元は紺色のソックスとテラテラと艶めく茶色のローファー。

 ゲーセン特有の薄暗い照明というのもあってどことなく妖艶な雰囲気に満ちた白瀬さん。


「顔赤いよ?」

「はっ⁉」

 咄嗟に自分の頬を手で触る俺。

 そんな動作が余程滑稽だったのか、白瀬さんは腹を抱えて笑う。


「あははっ、嘘だし」

「ひっかけ⁉ てか放課後モードって何⁉」

 顔が赤くなっているというのはハッタリらしかった。

 俺が問いかけると、白瀬さんはさも楽しそうに口元を緩める。


「放課後くらいこういう格好してもいいじゃんって話。それが放課後モード」

 さっぱり意味が分からない。まるで仮面ライ〇ーのフォームチェンジじゃないか。


「ねえ……水梨君」

 膝を折りしゃがみ込むと、白瀬さんの可愛い顔がぐっと近づく。普段の怜悧とした美しさは健在で、ギャルメイクと相まって雑誌に載ってるモデルみたいだった。

 笑みの形を作る口許のピンクのリップ。

 今にも吸い寄せられてしまいそうな程に妖しく煌めいていた。


「私の事、学校の奴らに言ったら分かるよね?」

 人差し指を俺の口元に伸ばして威圧的に言い含める。

 柔らかな指先の感触が唇に触れそうで、俺はたまらず顔を引かせて距離を取る。


「それはつまり、白瀬さんが放課後にこんなカッコで遊んでるって事だよね?」

「そ、まさか水梨君にバレちゃうなんて思わなかったし。最悪」

 最悪という割にどこか嬉しそうだった。

 いや、悪戯がバレた子供って例えた方がいいのだろうか。


「言ったらどうなるかわかるよね? だから約束して」

 そう言って伸びたカーディガンの袖で口元を覆いながら意地悪く笑う。

 この約束を破ったら何をするか分からない、そういう危険な香りがする。


「大丈夫。誰にも言わないよ」

「そうよね。言えるわけないよね」

 白瀬さんはそう言って俺に釘を刺す。完全に主導権を取りに来ている。


「人は見かけによらないというけど……」

「は?」

 キッと睨まれ、俺はそれ以上言うのを躊躇う。

 学校では品行方正で知られる文芸部の優等生、それが白瀬紫莉だ。

 しかし、性格面だけで言えば翔なんかよりずっと怖ぇ。話せばわかるのが翔だけど、話したら問答無用で殺してきそうなのが白瀬さんだった。


「ギャルガチ勢……」

 何故かそんな言葉がぽつりと出た。


「何言ってんだか、この犬は」

「犬ぅ⁉」

 いきなりの食肉目扱いかよ。俺は度肝を抜かれてそれこそ負け犬みたいな声を漏らす。


「だってそうじゃない?」

 白瀬さんは酷薄な笑みで俺を見下すように呟く。


「水梨君は犬系だし、今日だって翔とか天沼さんにいいようにされっぱなしだったじゃん」

 そう言って俺の顎をそっと持ち上げる白瀬さん。

 何なのこのシチュエーション。完全に上下関係が出来上がっている。

 すっかり臆してしまった俺が言い返せずにいると……


「あははは、本当にウケる」

 目で殺す勢いだった白瀬さんが急に砕けたように笑い始める。


「どうしたの?」

「だって……だってさあ水梨君」

 息を切らしながら呼吸を整え、ようやくの思いで伏せられていた顔を上げる。


「やっぱり水梨君って可愛いね」

 涙をぬぐいながら、白瀬さんは俺を見てそんな聞き捨てならない言葉を発した。


「カワイイ……だと?」

 どこぞの誰かも言っていた、反応に困る表現だった。

 しかし、いつもなら可愛いなんて言われたら速攻で否定する俺なのに、白瀬さん相手には言い返せない。白瀬さんは俺が黙っているのをいいことに暫くの間、笑い続けていた。


「はぁー、窒息するかと思ったぁ。ねえ、口止め料なんだけど何欲しい?」

 次いで出てきた言葉は予想しないものだった。

 俺が何も言えずにいると、白瀬さんは手を差し伸べる。


「チュープリでいいよ?」

「はい?」

 白瀬さんはこちらに向けていた蠱惑的な目線を逸らすと、プリクラコーナーを顎先で示した。

 しばらく返答に困る俺。状況を把握する為に脳内のCPUがフル稼働しているのだ。

 下からは微かな喧騒が聞こえるだけ。

 ちらりと眼だけでフロアを見回すが、やはりここには俺達しかいないようだ。


「あ? 聞いてんの?」

 打って変わって低い声が俺を攻め立てる。


「あの、チュープリって……何?」

「うんっ。チューしてるとこを取るプリクラだから、『チュープリ』」

 窺うように俺がそっと尋ねると、白瀬さんが弾むような声音で答える。

 可愛らしく小首を傾げて見せるが、可愛らしい口調と仕草の割にやる事がえげつなさすぎる。

 俺は内心ドン引きしていた。


「そ、そうなんだ……」

「恥ずかしいとか思っちゃってるんだ?」

「いや……別に」

 戸惑うだけで答えられないのだが、彼女はそういう俺の反応も織り込み済みなんだろう。

 焦りまくりの俺を見て獲物で遊ぶ猫みたいに楽しんでいるようだった。


「じゃ、今日はいいや」

 いよいよその遊びも飽きたのか、白瀬さんは歩き始める。


「でも、誰かに言ったら……わかるよね?」

 瞬間、声音がプロ選手のフォークボール並みに急激に落ちる。

 ハッとなって振り返ると、白瀬さんはまだ笑っていた。でも、さっきまで腹を抱えて笑っていた時とは違って目が怖い。

 殺される、そう思った。

 俺はもう無言で頷くしかない。それこそブンブンと顔を縦に振りまくる。


「うん。ありがと、水梨君」

 その様子をどこか面白そうに見ながら、白瀬さんはにっこりと頬を緩めた。

 いつも学校で見せる清楚モードの時の彼女の表情だ。


「ほっ」

 心から安堵した溜息が漏れた。俺はもう一度気を取り直し、彼女の目を見返す。


「白瀬さん。そのスカートの丈どうしてんの? あとそのピアス。いつもしてるの?」

「何を聞くかと思えば……」

 呆れたように白瀬さんが肩を落とした。それまで研ぎ澄ませていた殺気が消えて、一気に身体が弛緩していくのが分かる。


「このファッション? いつも放課後こんなだし」

 肩先をくたっとさせて身体を傾げながら、白瀬さんは自身の格好を見下ろす。

 見れば見る程校則に引っかかりそうな際どい格好だ。


「スカートは巻いてんの。腰で折って……てか、女子ならみんなしてるよ?」

「う、うん……」

 そうか。女子って大変なんだな。感心したように俺は頷き返した。

 いつもこんな事をする必要があるなんて……俺、男で本当に良かったヨ。


「あとこのピアスも学校じゃしてないよ」

 白瀬さんは顔の片側をこちらに向けると、指先で銀のリングピアスをネイルの爪で弾いて揺らして見せる。

 彼女の横顔は眼だけがこっちを向いていてドキッとする。てか、この角度だと睫毛が滅茶苦茶長いんだな。


「耳見たらピアスの穴って開いてるのバレるでしょう? だから普段はこうやって髪で隠してんの」

 白瀬さんはそう言って長い黒髪で耳を隠してみせた。


「成程ね……満足した?」

 まさか、彼女がいつも頬の輪郭全体を黒髪で隠していたのはこんな理由だったのか。

 ゆるふわ清楚系のヘアスタイルだと思ってた。


「まあ、大体ね……」

「じゃあ私は行くから。また明日」

「う、うん……」

 そのクールな振る舞いに完全に圧倒される俺。

 白瀬さんは踵を返し、モデルみたいにくいっくいっと腰を揺らして歩き去っていく。

 騒がしい店内放送の雑音の中で、ローファーの音だけがはっきりと聞こえた。ゲーセンの薄汚れたカーペットを叩く低く反響を殺したようなヒール音だ。

 ほっと胸を撫でおろしたその直後、


「そうだ。水梨君」

「えっ、何かした?」

 振り返った白瀬さんはにっこりと優しく笑う。


「生活指導の先生みたいだね……はっきり言ってうざいし、きもいよ?」

 笑顔を崩さぬまま、また前を向いた白瀬さんは再び歩き出した。


「……ごめん」

 謝る必要があるかはともかく、俺は彼女の遠ざかる背中を見ていた。


「それにしても俺、今日きもいとかうざいとか言われ過ぎだろ……」

 白瀬さんが見えなくなってから俺はそっと呟く。


「これから一体どうなってしまうんだろう……」

 白瀬紫莉を怒らせたらガチでヤバイ。知らぬが仏という言葉の意味を始めて深く考えた。

 たまたまゲーセンに寄ったばかりに、俺はとんでもない秘め事を握る羽目になってしまったのだ。しかも、格ゲーマーのゲーセン荒らしが趣味なんて。


 ――俺より強いヤツに会いに行く。


 白瀬さんはそれをリアルで実行している。放課後ティータイムなら可愛いものだし、俺としては、彼女はそっちの方向にシフトしてほしい。

 でも、それは多分絶対無理な提案だ。そんな事口走ったりでもしたら、拳で消されそうだ。


「本当に一体どうなってしまうのか……」

 俺は誰もいなくなったプリクラコーナーを振り返り、一人呟いた。



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