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第51話

「落合、この前のキャベツ全然切れてなかったんだけど」

「え、嘘だー」

「本当!」


紆余曲折を経て、小田さんとは友達と呼べる仲になれた。


「今日久しぶりにラーメン食べに行こうか」

「あ、もう場所忘れちゃった」

「…案内するから」

「あはは、よろしくー」


あの喋らなかった1ヶ月、口から胃が飛び出そうなくらい嫌だった無言の時間は今ではすっかりお喋りの楽しい時間になっている。


駐車場で泣いたあの日、福宮さんに小田さんと仲直りできたことを報告すると「安心した」と言ってくれた。早川さんも「落合さんよく手懐けましたね」と独特の言い回しで祝ってくれた。


いや、祝ってくれたと言うよりは半分冷やかしの皮肉みたいなもんだろう。どうもあの子はひと癖もふた癖もある気がする。


「さ、あと10分頑張ろうか」

「おー」


小田さんとは気持ちの良い仲になれたと思う。まだあんまり噛み合わない時もあるけれど、それも含めてこれからの関係だと自負している。楽観的だと言われそうだが、未来が楽しみだ。


ちなみに、恋仲ではない。


一応そこに関してはかつての教訓を生かして小田さんとハッキリさせておいた。


まず、恋人同士ではないのでお互いの交友関係に口を出さないこと。


『今終わったよ』

『おつー』


「まーたニヤニヤしてる、どうせ福宮やろー」

「よく分かったね」

「妬けるわー」

「そんなんじゃないって」


次に、不満があればすぐに言うこと


「落合またこの車うるさくなってない?」

「排気効率を求めた」

「前のが良い」

「そんな簡単には変えれないんだけど…」


「小田さん香水つけすぎじゃない?」

「え、嘘、匂う?」

「うん、かなり」

「えー、ショック」


最後に、些細なことでも感謝すること


「落合車出してくれてありがとね」

「こちらこそ、楽しい時間をありがとう」


特に最後の些細なことに感謝するのは1番重要視している。正直これさえしっかり意識していればこの先もずっとずっと良好な関係でいられると思う。


なんだかんだで上手くやれているんじゃないか。小田さんも前よりは笑顔も増えたように見える。このまま、俺だけとの関係だけじゃなく段々と交友関係を広げていってくれたらなんて、そう思うのはおせっかいだろうか。

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