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第40話

恋愛というものへの考え方は人それぞれだと思う。「恋」を噛み砕いていけば、「愛」を因数分解すれば、まったく同じ考え方の人間なんてこの世には一人としていないだろう。


以前に「たまたまそういう感情が男女の間で生まれただけ」と言ったことがある。では、「そういう感情」とはどういう感情だろう。


「そばにいたい」と思うことだろうか「幸せを願う」ことだろうか。「この人じゃないと嫌」だろうか。


そんなに簡単に感情に名前を付けてしまったら、今まで出逢ってきた人たちのだいたいは好きということになってしまう。それは違うな、うん。


小田さんとどうなりたい?


できるならずっと一緒にいてみたい。同性愛者だからこそ、その価値観にもっと触れてみたい。どういう世界が見えるんだろう。案外見えてる世界は一緒なのかもしれない。それでも、その隔たりを越えてみたい。


そう思うからこそ、これだけ気にしているのかもしれない。


でもこれこそ自分の都合のようなものではないのか、人の気持ちを弄んでいる気がしてどうもモヤモヤする。


“同性愛者だから”一緒にいたいのか?


“同性愛者じゃない”なら?


待て待て、俺は“同性愛者”だから仲良くしてたわけじゃないだろう。小田さんは小田さん、その人間が好きなんだろ。


自分の気持ちに理由を探すな、そんなものは後で探せばいい。


福宮さんとはどうなりたい?


福宮さんとは誰がなんと言おうと友達だ。


友達として、距離が近いだけ…今までずっとそう言ってきたが、そういうのはもうやめよう。友達は友達、男女は男女、その線引きをしっかりと定めなければ今回みたいなことがこの先もきっと起こる。


あくまで、心の距離を取るという意味だ。


同じように接していれば、きっと福宮さんの反応も変わることはない。ただお互いに、もう一度だけ、関係を整理しよう。


きっとこの先もずっとずっと友達だから、友達でいたいから…福宮さんはいつまでも特別な存在だ。


こんなこと思ってるから線引きができてないって言われるんだろうな。


でも、これでいいんだ。

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