87 親バカ炸裂!大名行列
Q 買い物をする時に大変なことは何ですか?
A 自分の欲しいものを女性陣にプレゼンして買えるように説得すること。宿屋を買うのに苦労しました…
時はリーナの帰宅時まで遡る。
「まぁ、今日はトーヤ君たちを招待したの?もちろん大丈夫よ。マリー、大変だけど準備をお願いね。」
「畏まりました奥様。」
「ところでリーナ?お食事に招待ではなくお泊りを提案するなんて…知らない間に成長したのね…」
「お、お母様?!何を仰られるんですか!」
「だって、貴女人見知りじゃない?今までタリアちゃん意外とは真面に会話も出来なかったのに、まさかお泊りに誘うなんて…しかも殿方に、フフッ」
「邪推は感心しませんよ!あの方達にはお世話になっていますので、いい加減におもてなしをさせて下さいとお願いしただけです!」
母娘でワイワイ騒いでいる時、部屋の外ではこの館の主が血涙を流しながら話を聞いていた。
(リーナ!!いつの間にそんな関係に!!私と結婚すると約束したじゃないか!?)
そう、アイギスである。この男、よりにもよって自分の娘(当時3歳)が「おとうさまとけっこんする!」という言葉を割と真に受け、契約書まで作っていたのである。まさに親バカ…もちろんティアには呆れられたが、未だに契約書は大事に保管してある。
そして、最近は娘との触れ合いが少なく、どうにかなりそうだった所に帰宅の報を受け、仕事そっちのけで帰ってきて、現在の状況になった。
彼は今、何かを破壊したいという衝動が体中を走っていた。そして、その矛先は原因に向かう。
(あのガキを潰す!)
そして、この状況になる。
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「トーヤ君、君には一度体に分からせる必要があるようだね。」
俺の目の前に完全武装のアイギスが立ちはだかっている。え?何この状況?
「あの~、アイギスさん。いったい何があったんですか?」
「……クックックッ、とぼけるのはよしたまえ。リーナを手籠めにしたのだろう?その愚行、万死に値する。」
え?何この人…急に面倒くさくなったぞ?と言うか完全武装でガチで殺しに来てるじゃん!!
「それはその…重大な誤解があるんではないですかね?俺とリーナは、彼女を手籠めにするような関係ではありませんよ?」
「リーナの何処が不満なんだ!?」
ああもう!どないせぇつんだよ!!!?
「君との会話はもう十分だろう。」
いいえ、全然会話が成り立ってませんでしたよ?
「問答無用!」
そう言ってアイギスが襲い掛かってきた。
手に持っている剣を上段に振り上げた、剣術で言うトンボの構えだ。そして「はあああああああっ!!!」と気を込めながら振り下ろしてきた。
態々喰らう必要はないので避ける。すると、その剣は地面にクレーターを作るほどの威力があるらしく、凄まじい爆音を上げて地面を割る。
「おい!当たったら普通に死ぬだろうが!!」
「うるさい!!リーナはパパと結婚するって言ってたんだぞ!それが家に男を泊まらせるようになるなんて…うおおおおおおおっ!!!」
アイギスは何度も何度も俺を殺しかねない威力の剣で襲って来る。
「お父様!?何をなさっているのですか!!」
「あなた!!敷地を穴だらけにして何のつもりですか?!」
「待ってろリーナ!お前の貞操を狙う悪い害虫をパパが退治してやるからな!!」
「ちょ!このおっさん何とかしてリーナ!!」
「フハハハハハハハハハハハッ、死ねぇ!!」
「もう、もう…お父様なんて嫌いです!!」
「ぐはっ」
そしてアイギスは血を吐きながら倒れた。
「「「……」」」
一体何だったんだ。
「さて、トーヤ様、ようこそ御出でくださいました。本日は当家でごゆるりとお過ごしください。」
「あ、はい。お邪魔します。」
リーナは倒れた父親を目に入れないようにし、歓迎の言葉を告げた。
「騒がしくてごめんなさいね。自分の家だと思って気兼ねなく過ごしてね。それとあなた、お話があります。ええ、とっても大事なお話が…」
そして、アイギスの暴走事件が幕を下ろした。尚、その日はアイギスの悲鳴が数時間にわたって屋敷内に響いていた。合掌…
そうして、日が過ぎていき、ついに王都に行く日が来た。
今回はリーナもパーティーに参加するらしいが、マリオやクレアは今回不参加だ。あの二人は無事に婚約できたからな。
そして、ジープ家とデーサン家は取り潰しになったので、残りの婚約者がいないメンバーと言えば、タリアとリーナのみになる。
今回も馬車に乗っているのはタリアと親しい人間になる。つまりリンだ。そしてフィアも一緒に乗っている。俺含め、それ以外のメンバーは周囲の警戒をしている。正式に依頼を受けた以上、また去年みたいなことの内容にキッチリと護衛するのが俺達の仕事だ。
ちなみに今回はレオナルドが指揮を執っている。そして、アイギス含む精鋭部隊など、参加人数に対して護衛の人数は去年より1,5倍ほど多い。
去年みたいなことは起きないだろう。
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「「はぁ…」」
「どうしたのですか二人共。」
「「いいえ、なんでもありません。」」
良く忘れてしまいますが、二人は貴族の娘…当然政略結婚も有りうる身分ですが、彼女達の中にはある男性の存在があります。そう、冬也君です。まだまだ子供と言えるタリアと、中身は成人していますが、この方面の経験のないリーナでは未だにフワフワした状態でしょうけど、間違いなく二人は冬也君に好意を抱いていますね。
だからこそ、結婚相手を見つけるこのパーティーへの参加は不本意なのでしょう。ここは一肌脱ぐ必要がありますね。正妻の座は渡しませんが、側室として迎えるのは私も賛成です。彼女達ならば冬也君の血をひいた優秀な子供を産めるでしょう!
「二人はダンナ様の事が好きなんだろ?だからそうやって陰鬱な雰囲気になっているのだな?」
何とフィアが突っ込みました!!ええ、剛速球のストレートです。
「何を言っているのですかフィア!?」
「そうです!私は別にそんなことを考えては居りませんよ!!」
「いえ、それは無理があるでしょう?」
傍から見れば一目瞭然でしょうに…
「リーナは私達に付いて王都まで一人で行くし、冬也君をお泊りに誘うし、タリアは監禁したり、女性と話すと嫉妬を露わにしたりしているじゃないですか。それで好意を抱いていないなんてことは通じませんよ?」
「しょ…しょんなことありましぇんよ!?」
「そうですわ!あれはなかなか私のサンドイッチを召し上がりに来て頂けませんでしたので、たまたまです!」
「「はぁ~」」
私とフィアはやれやれとため息をつきます。そんな私達に二人が講義をしてきます。
まったく、何を言っているのでしょうねこの娘達は…
そうして騒がしい時を過ごしながら王都に着きます。




