82 祭壇にやっと到着、ところで君誰?
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これからもよろしくお願いします。
「昨日の事は忘れてください。」
「じゃないとああなりますよ?」
昨夜の件で、俺はリーナとノルマ―に詰められている。ノルマ―が指さす先にはマッドの原形を留めていない…とりあえず倒れているマッドが居た。
そして俺は逃げられないように、リンに寝袋に詰められている。顔だけ『こんにちわ』した状態だ。この状況で頷く以外の選択肢が存在しない。俺まだ死にたくないもん!
「分かった。忘れる!奇麗さっぱり何があったか分かんない!!
と、いきなり生命の危機に陥っていたが、何とか脱したみたいだ。危なかった。リーナもあんな目出来るんだね…
閑話休題
ムサビ―の性能は、ふざけた外観の割に本当に良かった。人間の脚なら3日は掛かる工程を、わずか半日ほどで走破したのだ。途中からモンスターも襲ってこなくなり、本当に早かった。
「さて、此処からは徒歩で行くよ。災害級の出る範囲にはまだまだ距離があるけども、奴らは本当に半端ないからね。すぐに対応できるようにしなきゃ。」
ムサビ―すら一撃で破壊してしまいかねない。それに、肉眼で捉えられないほどのスピードを持っていた。万が一にも出会ってしまったら初動が遅れてしまう。それは奴ら相手には致命的な隙となる…
「リーナ、祭壇に行ったとき、どうやって歩いたのかうろ覚えなんだよね?」
「はい、あの時はただこの方向にいけばいいって漠然とした感覚があって、休息も取らずに移動しましたので、恥ずかしながらほとんど意識がない状態でした。」
考えられるのは目的地までの方向に向かってまっすぐ進んだ可能性だ。途中で方向転換しながら進んでいないと仮定して、できるだけあのときの景色を思い出しながら進んでいくべきだな。
一応この樹海には1年以上いたんだ。ある程度の植物の分布も把握している。うろ覚えな部分は俺のラックにかけて進んだ。
今俺達は九錠院を斥候にして、周囲の警戒をフィアと俺でしている。りゅうには空からの警戒とアル逹には木上で周囲の黙視をお願いし、慎重に進んでいる。
「そっちに行ったぞ‼」
「任せるのだ‼」
さすがに強いモンスターも増えてきたが、大体が危なげなく討伐できる。
「改めて見ても凄まじいですね…」
リーナはこちらを見て呆れ顔だ。
「リーナ、これくらいで驚いてちゃあダメだよ。本当にあの修行は…」
「もう二度とやりたくないですね…」
「食べられたく無いにゃ…」
リーナが食べられる⁉何に⁉ってものすごく引いている。
徒歩で進んで半日ほどたった。辺りも暗くなってきているし、何よりこの先には災害級も出る場所がある。今日はここで休むべきだな。
「ノルマー、マッドを仕留めといておいて。」
「はい分かりました。」
「!?」
マッドが訳がわからず、驚愕の表情を浮かべている。
「所長!何をいっているのかね⁉何もしていないのに何故そんな仕打ちを受けねばならない❗」
「「予防です。」」
ノルマーと声が揃った。ここで昨日みたいなことをされては本気で死に直結する。殺られる前に殺れだ。
「ああああああああああ」
処分は完了したようだ。さて飯の用意をするか。あらかじめ田中につくってもらった弁当をみんなに配り、周囲を警戒しながら順番に食べる。
そしてある程度食休みを行ったときにそれは起こった。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
「すごい地響きにゃ!?」
俺の索敵範囲に膨大な数のモンスターの反応が出た。
「マッド!ムサビーを出して至急樹上に移動しろ‼みんなも早く乗り込め!」
猶予はほとんど無い、俺は十を出して魔力を多目に込める。掃射で少しでも時間を稼ぐ‼
20秒ほどで木々の間に敵影が見えた。
「まだか?!」
あと残りは俺とフィアとリーナだ。
「リーナ!早く乗れ、フィアも急げ!」
「ダンナ様はどうするのだ?!」
「一人ならなんとでもなる‼」
そして俺は機関銃の引き金を引いた。
ヴィイィィィィィィン!?
限界まで魔力が溜まったようだ。
少しのタイムラグを経て銃弾の雨が敵に降り注ぐ。
戦闘付近のモンスターは瞬時に挽き肉とかすが、足が止まったのは一瞬だ。だがその一瞬でムサビーは無事に樹上に避難できたようだ。
「トーヤ様!?」
俺に猪型のモンスターが突っ込んでくる。その足を撃ち抜きこちらに滑ってくるやつの背を足場に跳び上がり、間一髪で木の上に避難できた。
しかし、敵のなかにも木を伝って移動する者もおり、しばらく迎撃せざる終えなかった。
「何だったんだ一体…」
やつらはこちらの攻撃が当たれば反撃してきたが、それ以外は俺たちに目もくれずに走り去っていった。まるで何かから逃げるように…
「皆、早くここから移動しよう。」
特にだれからも異論が出ずに移動を開始しようとしたとき、
ぞわっ…
「「「「「っ?!」」」」」
皆一斉にモンスターが向かってきた方向を見る。
「冬夜様お逃げください!」
九錠院をの声が聞こえたと思えば、
「っ…何…あれ…」
リーナが思わずといった様子で声を出す。
暗い森の奥からやって来たのは…災害級、影を移動する犀『アビスライノー』…
災害級を見たことの無いメンバーは固まっている。今の俺も単独であれの相手をするのは無理だ。フィアでもきついと思う。
数秒固まっていたので、向こうもこちらに気づいたようだ。
グニィ
そんな感じで笑った気がした。
「逃げるぞ‼」
はっっとするメンバー逹、俺達は脇目も降らずに逃走した。
あれからどれだけ逃げたか…アビスライノーはもう見えない…
ふと周りを見てみる。森の様子が変わっている。これは…
「ここ…見たことがあります…」
そう、リーナの記憶で見たところだ…
「あっちだったはずです…」
俺達はリーナの指差す方に進んだ。どれだけたっただろう、時間の感覚がなくなってくる。神域と同じ空気だ。
「冬夜くん、あれ‼」
目の前にはいつの間にか祭壇があった。
俺達は近づいて調べようとする。
「いらっしゃい…」
聞いたことの無い声がした。慌てて振り返る。
「リーナ?!」
「タリアお姉さま?!」
「「??」」
そこには、リーナにもタリアにも似た女性が佇んでいた。




