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79 魔族の国と天津の住人

次の投稿予定は月曜です。




「ばぁぁ!」


「?!」


 反応出来なかった?!


「驚いたかい?」


ドッ


 奴の掌底が俺の胸に放たれる。


「ぐぅっ」


 相当な衝撃だ。だがそれを利用して大きく後ろに跳び、距離を稼ぐ。


(油断した!クソっ!あの訓練と上がったステータスのお陰で、街では敵が居ないと思い込んでいた!?)




 あいつの動き、セイテンたちのように身体能力ではなく、武術によって成されたものだ…こいつは相当強い。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


暴力狂ジャンキー ファンネル 墜落天(ディストピア)



HP2900

MP600

攻1300

防1200

魔攻750

魔防680

素早さ1400

器用さ1600

賢さ240

ラック3


暗殺術

薬学

隠密術

ミカヅチ流拳法

□□□□□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□□□□□



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 スキルが読めないところがある。こいつ…アマツ側の子孫か!!



 猛虹のじっちゃんもそうだったが、古の住人達、その血をひく者達のステータスは、読めない者も居る。と、じっちゃんが調べて分かったそうだ。この機能は、この世界の力を使っているため、上位の位階を持つ者ほどステータスを読むことは困難になるという事だ。



 そして、ミカヅチ流拳法…サイテン達が使うミナカタ流と違い、アマツ側の勢力が使ったと言われる格闘術…少なくともステータス通りの強さなんてありえない!




呆然ドンファン


 俺は自分の周囲に精神魔法の罠を仕掛ける。キッカケはタリアとの再会時に、彼女が纏っていた黒い靄を見た時だ。あれは知らぬうちに闇魔術の発動前の状態でタリアの魔力が周囲に干渉していた状態であったと、言うことを聞いた。


 そこから着想を得て、自分の周りに無色透明で、踏み込んだ瞬間に魔法が発動する技を作れないかと思い、創造した。



 幸いステータス差があるので、あまりダメージは喰らっておらず、落ち着いて発動させることが出来た。未だに100%成功しないからな…





「いきなり殴りかかるなんて、魔族は野蛮なのかな?」


ぴくっ


「…俺の姿は人族とあまり変わらないはずだが…何処で分かった?」


 奴の雰囲気が変わった。これと比べればヴァイパーとは一体…って思うくらいヤバい気配だ。


「俺に触れられたら教えてやるよ。次は油断しない!」


「面白いガキ…だな!」


 会話の途中で踏み込んできた。魔法発動!



「!?」


 奴は一瞬意識が逸らされた。ヤられたらヤり返す。倍返しだ!!



 


 奴は左足を前に出した状態で少し前のめりになっている。なのでその左足に俺の右足で震脚を打ち込み、動かなくする。


「ぐっ」


 そして、こちらに突き出した形の顎に思い切り掌底をくらわし、体が真っ直ぐになったところで、みぞおちに←政権を思いっきり繰り出す。


「ぐふっ」




 奴は吹き飛んでいきそうになったが、足を押さえているために後ろに倒れこむ。そして、左腕を引く流れで、右足を軸に回転し、奴の太ももに頂肘を打つ。これが決まれば機動力も大幅に削れるからな!



ドッ



「がああ」



(トーヤ!もう一人こっちに向かって来るにゃ!!)


 !!隙を見て襲ってくるつもりか!?…いや…こいつを迎えに来たのか?とりあえずMMでこいつをマーキングする。



 そして、またいつでも対応できるように魔法を張り、目の前の男と後方の奴を警戒する。



「クソガキがぁ~っ、おもしれえ!!」


 !?奴から魔力が噴出した。魔纏術!!


(いよいよ本気か…降魂術!)



 互いに本気でぶつかるその時に、


「そこまでだ…」


 どうやらこいつを迎えに来た方だったようだ…



「邪魔するなイル!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


虎狼狸シックス イルネス 墜落天(ディストピア)



HP2000

MP900

攻920

防1400

魔攻1750

魔防1680

素早さ1200

器用さ2200

賢さ290

ラック3


暗殺術

薬学

隠密術

ミカヅチ流拳法

病爪

□□□□□□□□□□□□□□□□□□



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 こいつも同じか…虎狼狸…コレラ!!?滅茶苦茶ヤベェ疫病じゃねえか!!ここでやらなきゃヤバいな…



「まぁ、待て少年。私には戦う気は無い…」


 こちらの戦意に気が付いたのか、イルネスはそう言う。


「いきなり襲われて信じるとでも?」


「………」


 思いっきりファンネルを睨みつけている。ファンネルは目を逸らした。


「すまんな、少し変わった集団を見かけたから注目してしまっただけだ。この馬鹿は後できちんと絞めておく。」


「おい待て!それはシャレにならん!!」




 どうやら力関係はイルネスの方が強いらしい。


「変わった集団?いたって普通の少年少女達だったはずだけど?」


「ん?ああ、魂の位階が違ったからな。何を言っているか分からないと思うがな…」



 決まりだな、こいつらは樹海の住人とは違う、古の住人達だ。



「ふーん、それでディストピアのお二人は、この国に何の用だったの?また天津が侵略をしようとしているの?」


「「!!?」」


 二人が驚いている。


「……」


「そうか…君は国津の関係者か…」


「本当にる気が無いならいくつか聞かせてよ。」


「いいだろう。だが、我々も聞きたいことがある。情報交換しよう。もちろん話せないことは話さなくて構わん。」





 そして、俺達は情報のやり取りをした。


まずディストピアが活動していた理由は、


・仕事を受けて、とある組織の上層部の暗殺


・その過程で俺達を見つけた。


・俺を襲ったのは、ファンネルの暴走。


・今回のは報復を含めた行動。アウゲイアースが勢力を拡大しようと、魔国に手を出そうとした。そこに丁度、アウゲイアースの敵勢力からの依頼が入り、上層部の暗殺を手掛けることになった。


・その組織は、目の上のたん瘤であったゴルディアスも壊滅させる依頼をしたが、既にゴルディアスはミケーネファミリーの傘下に入り、依頼は消滅した。


・そして、予定外の強者との戦闘で、イルネスは負傷し、ファンネルを連れて帰るところだったようだ。



……………


「と言うことはまだそのミケーネファミリーを狙うの?」


「いや?依頼は消滅したからな。あくまで組織の壊滅が依頼内容だ。その組織がない以上、もうターゲットではない。」


「そう…」


 そして、侵略に関しては全くそのようなつもりが無いらしい、むしろ、国津の住人達と交流したいらしいが、彼らの敵意は凄まじく、また、彼らの元に行くのも難しい…確かにこの二人はすさまじい実力だが、樹海には危険なモンスターもいる。それこそ災害級とか…







「我々はもう行くとしよう。国津の関係者の君達は狙わないよう、組織には伝えておく。」


「じゃぁ、友達になろう?」


「「は?」」


 ふてくされてるファンネルと共に、イルネスは茫然としている。


「俺も丁度魔国には興味があったんだよね。そこに知り合いがいるとやっぱりなんか違うじゃん?」


「……」


「ふむ…いいだろう。我々と敵対しない限り、君と友誼を交わすことにしよう。」



 MM発動。これでこいつらを追跡できる。敵対するつもりはないが、万が一があるからな…



「魔国に来た時には、これを各街の門番に見せろ。人族でも問題なく入れるだろう。」


 そう言って拳くらいのメダルを渡された。これで、彼らの関係者だと分かるらしい。とりあえずマジックボックスに入れておく。


「ああ、ありがとう。それとミケーネファミリーも狙うのは止めてね?うちの関係者だから。」


「…分かった。」




 ファンネルは身振りで抗議しているが、声は出していない。イルネスに強制的に声を出せなくされたかららしい。

 もしファンネルがこちらを攻撃したとすると、イルネスがきちんと粛正するから安心しろと言い、それを聞いたファンネルが顔を青くしながら最小限の抗議をするのみになった。





 そして、二人は去って行った。



「敵対しなくて本当に良かったにゃ。」


「本当だな…ファンネルと戦っていたらどれだけ被害が出たか…」



 まだまだ世界は広いな…未だラノベでよくある異世界無双が出来ない冬也であった。










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作者の別作品もよろしくお願いします。 終末(ヘヴィな)世界をゆるふわに!
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