77 謎の影と謎の男 忍び寄る影
山田「前話のキャラ紹介って何ですかあれ!絵が下手にもほどがあるでしょう!」
冬也「…夜勤明けで眠すぎて何が何だか分からないようになっていたらしい…」
山田「俺、ビシッっとスーツを着ているのに、あれなんですか一体!!訳分かりませんよ!!」
冬也「お前はまだいいよ…俺なんて人間の骨格して無い上に服すら着ていないんだからな!!?全然イメージ固まってないじゃないか!!髪なんてすごくボサボサだよ!!」
山田「と言うか何で、リンさんのイラストだけ全力を出すんだよ!!!恍惚としたヤンデレスタイルじゃないか!!それに全力でも何か酷い有様になっているぞ!!!中途半端に着色してるし。」
冬也「…何でも唐突にリンにあのポーズをさせた絵を描きたくなったらしい。元絵を見ながら意識朦朧の中描いたらしい…着色は諦めたようだ。そもそもそんな技術は無い!…その後、俺達を描こうとして力尽きたようだ…」
山田「ホントアイツ訳分からねえな!!」
「……………………」
「…うーん……すぅー……zzz…」
「………………………」
「……ふうぁあああ~……今何時……まだ外…暗い…」
「………………………………」
私は少し早めに起きてしまったので、もう一度布団に潜り込み、夢の中に旅立とうとしました。しかし、目を瞑っていても、一度目が覚めてしまえばなかなか寝付けず、頭だけはだんだんと冴えてきます。すると、何故かこの部屋の中に私以外の気配が感じられるようになりました。その人物?はただ私を見つめているようです…
……………
「!?っ、誰!!」
私は布団を蹴り上げ、ベッドから出ます。そして、部屋の中を見回しました。暗闇に覆われていますが、カーテンの間から部屋に降り注ぐ月明かりがあれば、十分部屋を確認出来ます。
「…気のせい…?…でも…っ!?」
今一瞬、ベッドの傍で、黒い人影が見えました。私は咄嗟に部屋のドアを蹴破り、その陰から遠ざかります。
「リーナ!?」
すると、近くの部屋に泊まっていたトーヤ様が驚いて出てきました。
「部屋の中に不審者が!」
私の訴えに一瞬で顔つきを変え、トーヤ様が部屋に突入します。その騒ぎで、リン達も起きてきました。
「………駄目だ…確かに人影が見えたけども、どうやったのか窓から外に出て消えてしまったよ…」
…まさか部屋に侵入されるまで気づかないなんて…私は自分の鈍さに戦慄しました。もし、侵入者がその気なら、私は今頃…
それから少しすると、ホテルの従業員やガードマン達が集まってきました。事情を説明し、彼らはすぐさま侵入者の捜索に出ました。私はリン達と同じ部屋に泊まれるように手配して頂き、ホテルの支配人からは、外部者の侵入を許してしまったことのお詫びをされました。
「一体何だったのでしょうか…」
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まさかの事態だった。この高級ホテルでリーナの部屋に侵入者が居た。
俺は王都でのとりあえずの仕事を全て終え、明日から二日くらいはゆっくり観光でもしようと思っていた。そして、ホテルに戻り、夕食をみんなで取った後、ずっと居たい!と渋るリンを何とか説き伏せ、自分の部屋でスマフォを弄っていた。
今まで触れて来なかったけど、何気に今でもネットが見えるんだよね。新しい情報は更新されないけど…という訳で、そんなスマフォを弄りながら夜更かししていた。時間を見ると、午前3時まであと少しと言うところ、こちらの世界に来てから早寝早起きだったので、こんな時間まで起きていたのは久しぶりだった。
「そろそろ寝るか…」
と思っていたら、空気が変わった気がした。戦場のようなピリピリしたモノじゃなく、なんというか…温かくなった?と、いう変わったものだった。少し前からこのように感覚が鋭くなっていることを感じていた。恐らくあの修行で俺の中の眠っていた能力が覚醒したのだろう…
誰も居ないことを良いことに、そんな脳内妄想に浸ってニヤニヤしていた。高くつくけど、一人一部屋にしておいて良かった…
バンッ
「なんだぁ!!?」
もの凄い音がした!俺は急いで廊下に出ると、リーナが戦闘態勢で廊下に居た。
「リーナ!?」
「部屋の中に不審者が!」
そう言われた途端、俺は戦闘態勢に入り、彼女の部屋に突撃する。部屋の中には…
(白髪の男…?!なに!)
その男はこちらを一瞥した後、窓の方に向かっていった。窓を開けるまで十分な時間があるはずだったが、なんとその男は窓をすり抜け、夜闇に消えて行った…
「なんだ…あいつは…」
ホテルの警備を抜けたのならともかく、俺や…ましてや、フィア達すらも出し抜いてリーナの部屋に侵入しただと…リーナも以前とは比べ物にならないほど実力が上がったというのに…
その後、騒ぎを聞きつけたホテルの人間と話し、部屋を移った。ホテル側が気を利かせてくれたようだ。スイートルームで、リン、ノルマ―、フィアと一緒になるように頼んだ。
「皆さま、お騒がせしました。」
「気にしないで、女同士で女子会できると、前向きに考えましょう?」
「そうよリーナちゃん。それにこんなところまで人が侵入してくるなんて誰も想像できませんからね。」
「僕の不覚なのだ…今度はきちんと守ってみせるのだ。」
向こうは女性同士で結束を固めている。
「ところで社長、こんな夜更けまでナニしてたんです?」
それに比べてこの禿ゴブリンのニヤついた顔、殴りたいその笑顔!
「山田君、野暮なこと言っちゃいかんよ。あれだけ一人部屋を主張したことと言い、年頃の男なんだ。当然自家「ノルマー!マッドを粛正して!!」ま、待てノルマ―、落ち着くんだあああああっ」
あっちはノルマ―に任せればいい、俺はこいつを…
「屋上行こうぜ…キレちまったよ…久しぶりに…」
不名誉なことを公衆の面前で言いやがって!実年齢は19くらいだが、体はまだ子供…まだ覚醒していないんだぜ?
そして、俺と山田は決着を付けるべく、ホテルの屋上に向かう。
「申し訳ございません。警備の関係上、この先への立ち入りはご遠慮ください。」
「「あ、はい…」」
そして、肩を落として帰ってくる俺達を見て、女性陣は白い眼をしていた。理不尽すぎる。
ちなみにマッドはボロ雑巾と化していた…
一夜明け、不気味な事件の事を忘れようと、今日は皆で王都の観光をすることになる。一応、リーナには九錠院を付けて、俺もMMで追えるようにしている。
そして、ブラブラしようとしていたら、
「冬也君も私達と一緒ですよ?」
とリンに捕まった。まぁいいけど…
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「面白い奴らが居るね…」
「ああ、仕事のついでに少し見て行くか…」




