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67 中央貴人事院(滅殺対象)とは一体…

本日2話目





 俺は今ギルド長室の前で佇んでいる。一応情報漏洩の防止の為か、他の人間のいるところでの説明は出来ないと説明され、お偉いさんの部屋に行くことになったのだが…



「悪いがトーヤにしか話せないことになっている。後からトーヤに聞いてくれ。」


 と一緒に居たいと訴えるリンにギルド長は伝えたが、それを不服としたリンにパロスペシャルを掛けられていて、決着がつくまで見守っていることしかできない。


「ベルクリフトさん…どうしましょう?」


「…私はギルド長の判断に従うのみですので。」


 このイエスマンは、ギルド長の秘書的な役割を担っているらしい、役職は事務長という肩書だ。秘書じゃねぇのかよと思ったが、経費削減のため、事務兼秘書を兼任させられているらしい…世知辛い…




「後から聞いても一緒に聞いても同じじゃないですか!なんでそんな意地悪するんですか!?」


 いやリンさん、一応そういう風な対応をすることで余計な火種を生み出さず、何かあっても自己責任となるから、ギルド長のその判断は間違ってないと思いますよ?だからはなしてあげて?何気に掴んでいる両手首から危ない音がしてるから!?


「わ、分かったっ、許可するから放してくれ!!」



 ギルド長が女子力(物理)に敗北した瞬間である…















「ことの発端は7か月ほど前、招集命令が出たと伝えただろう?そこから半年以上も行方知れずでとうとう貴人事院から本格的な招集が掛かった。これを拒否すると罰則が科される。」



 令状にはいろいろ訳の分からんことを分かりにくく書いていたが、要するに


{ 召 集 命 令


 対象 討伐者 トーヤ


  上記の者は、パーティーでの事で詳しい事情聴取と

 

 今回の報酬を渡すので、速やかに顔を出しやがれ!


 拒否すればテメェは犯罪者だ。


 全国に指名手配されるから、さっさと来い!


            

             王都住まいの偉い人達より




 と言う事らしい、



「全く厄介なことだ…これを拒否すると、我々もお前を討伐対象として追わなければならないことになる…全く奴らは本当に要らんことばかり…」


 後半は聞かなかったことにした方が良いんだろうな…


「つまりギルド長はこう仰りたいわけですね?厄介な事ばかり命令してくる○○○○どもを皆殺しにしろと…俺に指名依頼出しているということですね?」


「全然違うぞ!!どうやったらそう取れるんだ?!」


 しばらくお説教をされた。だがまだまだだな…知り合い達のお説教は、鉄拳制裁もあり得る緊張感あふれる内容なので、言葉のみのお説教など、馬の耳に念仏でしかありえない!






「はぁ…このままだと君の懇意にしているフォーチャー家やトレーター家にも累が及ぶぞ?」


 何だって?



「君は外国人だったな、知っているとは思うが改めて説明すると、貴人事院とは…」



 この国の体制として、



        『国 王』   トップ


          ↓


       『宰相・大臣』  有力貴族(公爵・侯爵等)


          ↓


      『貴 人 事 院』 有力貴族(ほぼ王権派の人間が就いている)


   ↓      ↓      ↓


 『軍 事』  『行 政』 『司法・立法』

   ↓      ↓      ↓




 となっている。このうち行政が、地方領主たち…すなわち、フォーチャー家などが該当する。つまり、形式的に言えば、フォーチャー家の直属の上司に当たる。


 主に王都に詰めているルーティラ家やラプス家と違い、隣国との重要拠点の防衛と、自領の統治が主な業務となっているので、国からの支援なども通常より多く受けることが出来ている。そしてそれを決めるのが、


「貴人事院と言う事ですか…」


「そうだ、重要拠点であり、隣国との緊張が続いている以上、支援が0になることはない。だが、中央から受けている支援は決して小さくはない。相当いやらしく予算を削ってくるだろうな…」



 そう言われれば、樹海の反乱が起こったときに、この寮の人口に対して、防衛軍の人数がやたらと多かった。あれは中央からの支援があったからこそなんだな…それに、もし裏切られたとしたら、国の防衛に関して致命的なことになる。だからこそ、フォーチャー侯爵領など、国境に面している領に関しては、中央から大きな支援がされる。




 だから、軍事関連の予算にはそれほど影響がないかもしれないが、その他の行政にかかわる支援…領民の生活に関わる社会福祉は悪くなる可能性が高い、フォーチャーの統治は、代々堅実な政策を実施しているため、直ぐに困窮するということはないだろうが…


「あの事件によってフォーチャー家を中心に、貴族派の勢力は拡大した。だからこそ、王権派はこれを足掛かりに、貴族派の力を削ぐことを狙っているのだろう。」




 あの時俺がフォーチャー家に協力したからこそ、この国の危機はひとまず去った。しかし、フォーチャー家が俺を雇ったため、俺が修行で行方をくらました時、フォーチャー家に俺とのコンタクトを取れと、貴人事院が相当な圧力をかけていたそうだ。



「でもただ雇っただけですよね?なんでそこまで責められるんですか?」


「雇った。その事実が重要なんだ。あの事件後、直ぐに君は行方をくらました。そして、君に召集の事を伝えた後、今まで消息を絶った。その経った場所がミトリーだ。ならば、フォーチャー家が君と言う人物を匿っている。何か企んでいるのかもしれない。そう、思われたのだろうな…」


 どこの社会でも、足の引っ張り合いは起こる。それが敵対派閥ならば、少しでもそういう責めどころがあれば、ほとんどこじつけだとしても、あらゆる理論で攻めてくる。


「そして、此処まで特に指名手配もされずに済んだのは、恐らくフリオ候が、働きかけてくれたのだろう。あの方は今はほとんど王都に詰めている。


「………」


 そういえばカリムもレオナルドも疲れていたな…あれはタリアに振り回されただけではないようだ。そして、当主のフリオも、ここ数か月はほぼ王都に居るらしい。俺に一言も嫌味すら言わず、ただ客人として扱ってくれたのか…

 そしてタリアはともかく、レオナルドから王都息を打診されたのは、そろそろ限界で、領民達の生活に影響が出るギリギリだったからかもしれない。それでも、こちらに配慮して、あくまでお願いとして王都息を提案したのだろう…




「…分かりました。一応顔を出してみますよ。」


「ああ、頼んだぞ。あと、ギルドもきちんと対応したということで、手紙を用意するので持って行って欲しい。もちろんこの件に対しては依頼として扱うので、少ないながら報酬も出そう。出発する前に取りに来てくれ。」






 と言うことで面倒だけど、出頭しなければならなくなった…はぁ、憂鬱だがフォーチャー家に一応相談してみよう。






難しい話…暴れる訳にもいかないので、冬也は一体どう行動するのか?

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作者の別作品もよろしくお願いします。 終末(ヘヴィな)世界をゆるふわに!
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