54 冬也の遺書(ただの日記)
ところでこの文字数を見てくれ こいつをどう思う?
すごく…短いです…
○月○日
皆、俺はもう駄目だ…頭がどうにかなりそうだ…山田が裏切った!そしてマダムに食べられた…俺の中で何かが壊れてしまった…多分俺は生き残れないだろう…
△月△日
マダムに食べられてから1週間経った…訓練は熾烈を極めている。筋トレが終わった後のマラソンだが、びりはマダムに食べられる…それは念入りにハムハムされる。あれは嫌だ!!マラソンのスタート直後、俺たち5人はマラソンではなくバトルロワイヤルが始まる。ここで誰か一人をボコれば、そいつをマダムへの供物にすることが出来るからだ!最初は皆硬直状態だった。
「何をしている!!!死ぬと言っておるだろうが!!!!さっさと動け鈍間共め!!!!!」
師匠の罵声が響き渡る。マダムも動き出したようだ。
「うにゃああああああ!!!」
ウルが堪えかねて動き出した。俺的には山田に制裁を下したいが、丁度いい供物が現れた。皆も同じ考えに至ったようで…
「な!やめるにゃあああああぁぁん!!!」
その日はウルが食べられた…もうこんな地獄は嫌だ!死にたくない!!
◇月◇日
訓練を初めて1月が過ぎた。俺達の体はもはや1月前とは別人ではないかというぐらい能力が上がっている。恐らく日に何度も回復魔法を掛けられ、その度に体が超回復と同様の効果が得ているのだろう…もはや俺はモルモットではないかと考えるようになった…もうこんなバカなことを考えて現実逃避するしかない…
死ぬときはせめて苦しみの無いように…
☆月☆日
2か月経った。最近誰とも話してない…感情が抜け落ちてしまったようだ…山田を見てもなんとも思わず、挨拶も、互いに手を上げるだけになっている…アル達も同様だ…喋らないケットシーはただの猫だ。
Ω月Ω日
3か月…もじの形も思い出せない…ほんかくてきにマズくなっている…可愛い女の子が居ればやる気も出るのに…今ならタリアの胸にも飛び込める…
♪月♪日
いま どれだけ たった ?
せんせ い おんな ここにいる いった
めの まえに は まだむ
いや こんな おん なのこ いない
き ょう も たべら れる
まだむ いった
か ゆい うま
「………………………」
俺は、涎まみれで気絶しているトーヤを洗って部屋に運んでやる。すると机の上に数枚の紙を見た。どんどんこの少年が壊れて行く様が、読み取れる…
マダムも、彼らとのスキンシップがお気に入りのようで、ことあるごとに
「可愛いわ~♡美味美味♪」
と彼らを口の中に入れている。こうなってしまうのも無理はないだろう…長の言っていたように、心が壊れて逝っているみたいだ…
「すまない、トーヤ…俺達は…長には逆らえない…」
この少年を何とか助けたかったが、俺たち住人と、神の1柱である長との差は決して埋められない…そして、我々はあの方に大恩を感じている。長の命令を無視はできない。
「せめて…1日も早く何も感じられないようになることを祈っている…」
そうすれば、苦しい思いもしなくて済むはずだから…
その日の夜、一人の狼人が人知れず涙を流したことを、空に浮かぶ月だけが見ていた。
いろいろと限界を迎えつつある冬也
でも身体能力は上がっている…




