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39 世界の深淵、スケールでけぇ!!

久々の世界設定回






 さて、あっちはリン達に任せて、こっちはじっちゃんの所に行くか。早速念話で来たことを伝える。



「よく来たな。久しぶりだなりゅう。」


「がうがうっ」


 今回はライカンが迎えに来た。何かりゅうと親しげだ。そういえば住人の子供たちとりゅうは遊んでいたんだったな。


「では案内する。」


 そして、俺はライカンに付いて行く。しばらくすると急に景色が変わった。そこには町があった。


「なんだこれ!?急に景色が変わったぞ。」


「結界だ。普通の人間は出入り出来ん。」


 この街には様々な種族が住んでいた。結構建物もある。が、


「子供が少ない?それに空き家も多いみたいだ…」


「…ああ…詳しくは長が説明して下さる。」


 いろいろ聞きたいことがあるので丁度いい。
















「久しぶりじゃな、よく来たのぉ。」


 相変わらずデカい、だが、今は3m級の土偶の姿になっている。なんで!?


「家に入れんじゃろう?これは依り代じゃ。本体は神域で寝ている。」


 相変わらずのスケールだ。神域って何処?


「さて、何処から説明するべきかの?」



・樹海の住人以外はほぼ侵略者の末裔とは?


「まず、この世界には神が居る。創造神という存在じゃ。はるか昔、神はこの世界を作った。またその身から我ら神獣が生まれた。今はこの街の住人はおよそ2000おるかどうかじゃが、その時は800万を超えておった。」


 かなり少なくなっているな…


「その頃が一番平和であった…だが、ある時突然空に穴が開いた。そこからこの世界に別の世界の神と呼ばれる者達が舞い降りた。奴らは言った。『この世界を譲り渡せ』と、我々は抗った。そしてそこから数万年に及ぶ戦争が続いた。様々な次元に渡り、戦いは熾烈を極めた。その間に住人たちの数はどんどん減っていった。」


「ある時、神が言った。『これ以上無駄な戦いをやめ、代表者同士で戦おう。我の配下が勝てばこの世界から出ていけ。負ければ、我の領域を残すことを条件に、残った土地を明け渡そう。』とな…敵は強かった。こちらも正面からでは形勢が悪く、撤退しながら対抗していたが、とうとう負けてしまった。」


「そして、約束通り神はこの領域以外の土地を、侵略者に受け渡すことになった。侵略者はその土地に自らの眷属を住まわせ、この世界を去って行った。しかし、この世界は神が創ったものだ。この神域は今まで通りの環境であったが、それ以外の土地に対して神は、自らの加護を消していたのだ。」


「侵略者共も神の眷属、別の神とはいえ、その加護の消えた土地では徐々に衰退していってしまう。そのなれの果てが、今外で生きる者達じゃ。」




 まるで古事記の「大国主の国譲り」みたいだ。あれは、高天原タカマガハラから降りてきた天津神アマツガミが、地上の国津神クニツガミに対して土地を渡せと迫る内容だったな…あれ?大国主おおくにぬしの仲間の大物主おおものぬしって確か蛇として信仰もされてるよな…それに皇室の守り神だったような…今はこの神域にいる…




「そして、残った数少ない住人達も、極稀にこの神域から出てしまうことがある。その者達が外の世界で侵略者の末裔と結ばれることもあった。それが今、魔族と呼ばれる者達じゃ、なので、様々な姿をしておるじゃろう?それに能力も高い。」


 衝撃の事実!


「そして、人の姿でもごくまれに先祖返りをする者もおる。」


 !?だからトレーター家は能力が高いのか!つまり、獣神憑き(トランス)は一時的に先祖返りの状態になり、ステータスが上がる…そういうカラクリか!


「魂は継承される。過去、未来問わずな…我らの血を継ぎ、住人の魂を継承した者は、この神域に入ることも出来るのだ。そして、神域に接していると自然とその存在がこちら側によって来る。」


「過去未来問わず?そんなことがあるの?」


「考えても見るがいい、輪廻を巡り、また生まれる。それは自然の摂理だが、昔より今の方が外の者達は多いぞ。過去からしか来られないなら、その増えた者たちはいったい何者なのじゃろうな?」


 確かに!日本でも、明治初期には3500万人程度しかいなかったが、ひい爺ちゃんがこちらに来る前には7000万人程に増えている。今に至っては1億2千万人以上だ。過去からしか生まれ変わらないのなら、人口が増える道理はない…


「理解したか?この世は、おぬしの世界やこの世界だけではなく無限の世界がある。そして、魂は時間の概念が無く、未来から生まれ変わる場合もある。しかし、その者の魂は確かに子々孫々に受け継がれていくことも事実じゃ。


 ワシら神に近い者はな、魂でその者を見る。であるから、お前と宗次の魂はよく似ているぞ。だからこそ、血縁関係を聞く前にお主の言葉を信用したのだがな。」



 つまりトレーター家の家業、モンスターテイム…樹海に住むサンドーコやバーロは元々の住人だ。だからこそ、住人たちの血を引くトレーター家しかこの神域に入れず、彼らを捕まえることが出来ない。


 そして、代を重ねるごとに血が薄くなり、この神域には入れない者も居ただろう。だが、じっちゃんが言っていた。


「神域に接していると自然とその存在自体がこちら側によって来る。」


 つまり、何とか彼らを捕獲しようとすると、自然と樹海に入る頻度が増える。頻度が増えると、必然的に神域に接する時間も長く、その存在が住人たちによっていき、神域に入りやすくなる。



 結果、サンドーコやバーロを捕獲することが出来る。これがトレーター家の家業の実態か!長い間に意味は伝わらなくなり、仲間ではなく、モンスターとして接していくことになったのか…



「だからこそ宗次がこの神域に入ってきたときは驚いたものじゃ…なぜ?それも異界の者が…とな。」



 初代天皇の神武天皇は、神の子孫とされる。そして、大国主はスサノオの子孫といわれ、そのスサノオの姉のアマテラスの末裔が神武天皇と言われている。そして、実在したのなら2000年以上前の人物だ。


 当然それだけ前の人間ならば、そして、今よりも人口が少ない時ならば、その血は集団の中で広まっていきやすいだろう。そして、その人間たちが次第に全国に広がっていったとするならば、日本全国に数百万任単位で、血を受け継ぐ者がいることも考えられる…


 もし、ひい爺ちゃんにもその血や魂が少しでも継承されていたとするなら?


「そうじゃ、この神域に入ってこれる資格はある。」


 なんてこったい!?思ったよりもファンタジーだった。



「そして、幾星霜の時が流れ、神はこう考えた。『世界には変化が必要なのではないか?』とな…侵略されはしたが、この世界単位で見ると、生物は多様化し、その数も大きく増えた。神から見れば、自分の作った世界がより発展したのじゃ。」


 視点の違いだな。別の目線で見ると、全く違うものに見えるという奴だ。


「だからこそ、神は極ごく稀に異界からこの世界に変化をもたらせる者を招き入れる。」


 それが、たまたまひい爺ちゃんだった…


「そして、それが出来た暁には褒賞として、その者の願いを叶えるのじゃ…」






 その願いが、ひい婆ちゃんだったってことか…



「あ奴も最初は死にかけたのじゃぞ?この世界とあちらの世界では世界の構成が違うからのう…まともに動けるようになるのに暫く掛かった。」


「俺は?割と最初から動けていたけど?」


「それはカトアリアスの血が流れておるからじゃろう。しかし、それでも無事では済まなかった。」


 体が若返ったしな…じゃぁ、ひい爺ちゃんはもっと激しく変化したという事か?


「体自体は変化しておらんかった。じゃが、魔力になかなか馴染めずに重病人のような状態じゃったぞ?何で生きておるのか分からんくらいじゃったな…思えば奴と戦った時は、神の加護を持っていたのじゃろうな…道理で殺せぬわけじゃわい。わっはっはっはっ」



 いろいろとひい爺ちゃんは規格外だったようだ…それとどうしよう。衝撃的な事実に頭が付いて行かない!






こちらの短編も投稿してます。チートモノです。暇つぶしに読んでみて下さい。


自称勇者で他称魔王 ー呼ばれてないけど来てやったぞー 前編

https://ncode.syosetu.com/n7440eq/



自称勇者で他称魔王 ー呼ばれてないけど来てやったぞー 後編

https://ncode.syosetu.com/n7449eq/


作者マイページからも行けます。



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作者の別作品もよろしくお願いします。 終末(ヘヴィな)世界をゆるふわに!
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