33 セバス無双そして、パリス視点
セバスの活躍
(「!?ありがとう。頼んだよ。」)
初めてご主人様に戦闘を任されました。あの方は危険なことは自ら積極的に行うという、非常に心臓に悪いことをされます。しかし、我らウェアウルフ族の血を引くものにとって、主の言葉は絶対。決定には従は無ければいけません。
(あの方は、部下が傷つくことを恐れている?)
過去何があったかは存じ上げませんが、私はそう感じております。故に自ら死地へと乗り込むのです。
(あのヴァイパーという者は訓練されていました…)
戦闘技術…それは身体能力の優れる者が相手でも、その差を容易に覆すこともあります。ご主人様の身体能力は既にこの世界でも有数の者となっているでしょう。そして、格闘術の心得もお持ちです。しかし、
(格闘と殺しは違うのです…)
躊躇なく殺しにかかれる者と、相手を制圧することを優先する者では、技の速度、合理性など、あらゆる面で後れを取ります。仮に同じ身体能力の者が戦ったとしたら、8割方殺しの技を持つものが勝ちます。
(だからこそ嬉しい…)
そのことをご主人様自身が自覚をお持ちです。我々にはご主人様の記憶の一部が、現界する際に流れてきています。幼少のころからの、ご隠居様方からの訓練により、護身術を会得しているという自信もがあるのでしょう。ですので、自ら戦闘行為を行うことが多いのです。しかし、ようやく私は任せて頂くことが出来ました。
田中さんは少し残念がっていましたが、これは逆にカトリーナ様方の護衛として、つまりご主人様が憂いなく行動できるように、「背中を託している」ということだと説明すると、彼も気を漲らせました。
(そちらは任せましたよ、田中さん。)
さて、ご主人様が、あらかじめ用意されている馬車、仮にトラックが使えない場合の手段として私が預かっています。あの方の聡明さは、我ら獣人の王「獣人女王ヌルフィア」様と遜色がありません。
「さて、皆様方、準備はよろしいですか?」
ご主人様からこの件を託された時、通信用の端末に、敵の自白動画のデータが入っていました。これにより、既知であったパリス殿に、協力を求め、さらにパリス殿の古くからの友人である、王都衛兵団のコンデス殿のお力添えも願えました。これにより、公の証言を得ることが出来ます。間違いなくご主人様に有利に働くでしょう。
(あの方のことです。この国の上位貴族との交渉も済ませていることでしょう。)
つまり、私の働き如何により、この語の結果が左右されるということです。ご主人様に下された命、必ずや完璧に熟してみせましょう。
ここに移動する間に、自白動画を彼らにも見せてあります。彼らもこの国を守る武士、自らの使命をこなさんと、気が溢れています。
「セバスさん、正確な位置は分かりますか?」
「はい、パリス殿、あちらの方から下手人共の匂いと思われるものがあります。あの岩を除けたら、私が敵のせん滅、貴方方は人質の保護、そして、可能ならば下手人の拘束をお願いします。万が一の自害を避けるため、必ず奥歯を切り落としてください、多少の欠損ならば人は死にません。出来るのならば手足を砕くこともお忘れなく。」
「…あ、はい」
我々はヌルフィア様の手足となるべく、様々な技能を取得しています。当然暗殺術など、を持っておりますが、持っていて当然のため、スキルとしては無いことになっています。
「コンデス殿、無事、証拠を得ることが出来れば、ビトレ公爵邸への家宅捜索をお願いいたします。」
「承知しました。我々はどちらかというと、そういう部分を担当しています。必ずや証拠の確保をしてみせましょう。」
「では皆さん、準備はよろしいですか?」
「皆、何時でも行けます。」
「なるべく私が相手するようにします。」
「我々も出来る限りのことをします。」
さて、このセバスの仕事、ご覧下さいませ。
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「グフフフフ、今回の仕事も楽勝だな。」
「ああ、若頭が付いて来てくれたからな!あの人の頭脳は天下一よ。」
今回、国のお偉いさんからの命で、この国のガキを攫って、洗脳するのが仕事だ。
ぐすっ…お願い…家に返して…
うわああああん
やだよ、お母さん!!
「うっせぇぞクソガキども!!!」
まったく、ピーピーピーピー喚き散らしやがって、
ボコッ
「あぐっ!」
泣きじゃくるクソガキを殴って黙らせる。
「そうだ、そうやって黙っていればいつかは帰れる。もっともその頃にはいろいろと手遅れになってるだろうがよ。」
「「「「ぎゃはははははっ」」」」
「そうだぜクソガキども!男も女も下の穴に何本ブッ込まれるか!ヒィーヒィー言って病みつきになるぜ!!」
「グヘヘヘヘッ、おい、なら今ここに居るガキどもで発散するか?顔が良いやつも何人かいるだろ?」
「そうだな!臨時ボーナスとして味見してみるか!!」
どうせ、洗脳するまでにヤられるだろ、今俺らがヤったって別にいいか!
「ひっ…いや…来ないで…」
「お嬢ちゃん、お兄さんが優しく昇天させてやるよ。」
「いやぁ…いやああああぁぁ!!!」
ギャハハッ!!その叫びだけでイっちまいそうだぜ!!!
「さあ、楽しむとするかぁ!!」
「ええ、このような苦しみは滅多にないでしょう。存分にお楽しみください。」
「ああっ?」
何だ今の奴?見たことねえ奴だぞ?
ボトッ…
「あ?あ…あああああぁぁぁぁああああああ!!!!」
俺の!俺のがあああぁぁぁ
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いつの時代、何処の世界でも畜生はいる者です。ご主人様が速やかに命を与えて下さったお陰で間に合いました。
(やはりあの方は至高のお方だ…一体どれだけ先を見通しているのでしょう…)
私はゴミ共を見ます。汚らわしい、気絶させるだけなど有り得ぬ!!
「皆さん、彼らをお願いします。」
「「「「「応よ!!!!」」」」」
子供たちは衛兵たちに任せて大丈夫でしょう。とりあえずのたうち回っているウジ虫の手足の腱を切ります。
「ぎゃあああああああ!!」
「その声すら汚らわしい…」
ウジ虫の顎を蹴り砕きます。
「さて、久々のゴミ掃除です。ご主人様の為に。」
「カチコミとは上等だ!!ぶっころしてやらあああああぁぁ!!!」
さて、始めますか…
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始めて見た時は怪しい奴らだと思った。しかし、タリア様やカトリーナ様と親しくしているのを見て、悪人ではないと感じた。あのお二人は、そういう者に対しては心を開かないからだ。
「ははっ、主従揃ってバケモノかよ…」
トーヤ君と言ったか…あの少年が、一流の暗殺者ヴァイパーを撃破した時には夢だと思った。それほど、ヴァイパーの名はビッグネームだ、実際、戦闘になった場合、正面からあいつを撃破できるのはアイギス様ぐらいだろう。後から思えば今回の旅は、その危うさに背筋が凍る思いだった。
(だがあの少年は見事に撃破してみせた。)
身体能力は一級品、だが、殺し合いは経験があまりなかったのだろう。その点、相手は百戦錬磨の人殺し、正体を知ったのは後でだが、明らかに訓練を受けた動きに、トーヤ君は翻弄されていた。しかし、その膨大な魔力と魔力操作技術、何より、触れただけで凍る水を作り出す。そんなもの、もはや魔術ではなく魔法の領域だ。
雹魔、とある物語に出てくる凄腕の魔術師、実際には氷を操る魔術は存在しない。だが、物語の彼は、誰も会得出来なかったその奥義をもって、大悪魔を討伐したとある。
そんな次元違いの技を見せ、さらに、凄腕の暗殺者を出し抜くその頭脳、
「どんなバケモノだよ…」
そう、我々は呟いたものだ…さらに彼がヴァイパーの変装を見破り、見事無力化してみせた。殺したのではないのだ。そして、ヴァイパーの正体が皆に知れた時、少年が受けた傷の意味を悟った。
(毒が塗られていた!!?)
ヴァイパーは最初殺すと宣言していた。そして、途中で降参を促していた。仮に降参していても、毒が彼を蝕み、死に至るさまを眺めようとしたのだろう。そんな狂人の悪意を受けたにもかかわらず、あの少年じゃ実に堂々と勝利した。その様に、タリア様達は無茶しすぎだと怒っていた。いや、そういう問題じゃないです。
((((なんでピンピンしてんだよ!?))))
多くの兵がその規格外の少年に驚いていた。そんな少年の従者だ、やはりただ者ではない…
「怒りながら、しかし冷静に相手が死ぬギリギリの傷を負わせている…」
相手の肉体さを見ればその実力が分かる。こいつらプロだ…彼らが居なければ、今の我々では返り討ちに遭う可能性が高い、人質が居なければ十分やれるだろうが、この子たちを見捨てる選択肢など存在しない。
「助かった…の?…」
乱暴されそうになった女の子が呆けている。そりゃそうだ、俺らでも彼らの動きが信じられない。
「ははは、味方で良かったよ…」
だが、これでこの国を守れる、隣国の思惑など、彼らに簡単に砕かれるだろう…
「なら俺たちは俺たちの仕事を全うするか…コンデス!」
「ああ、証拠の契約書は確保した!これで、公爵邸に踏み込める!!」
「気張れよ親友!お前ら、彼らに報いるために俺らの任務を全うするぞ!」
「「「「「「「「「「応!!」」」」」」」」」」
タリア様、貴女が選んだ護衛は大当たりですよ!!
子供たちは無事に帰ることが出来た。
残りは裏切り者と隣国の悪党たち
こちらの短編も投稿しました。チートモノです。暇つぶしに、頭を空っぽにして読んでみて下さい。
自称勇者で他称魔王 ー呼ばれてないけど来てやったぞー 前編
https://ncode.syosetu.com/n7440eq/
自称勇者で他称魔王 ー呼ばれてないけど来てやったぞー 後編
https://ncode.syosetu.com/n7449eq/
作者マイページからも行けます。




