表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/162

29 お凜さんは生肉を好む?!これがミスリードか…

またしても闇魔法で暗示をかけるトーヤ。

そして、無茶苦茶な展開でも闇魔法を使って解決しようとする作者メタボ




 とうとう王城に着いたが、城の中に悪意ある者がいる。つまり、エネミーだ。マップに移っているのならば、敵の名前を確認できるため、すぐに確認する。0



・ヘクター・バジオン

・キュードス・バジオン

・ミリオン・ビトレ

・シナー・ルバーネット

・アルビン・カナリア



 まず同じ名前のヘクターとキュードスは親子か何かだろう。そして、ビトレ公爵、この国の中立派の筆頭…そして次、国名と同じ名を持つということは、王族・その親族という事だろう。最後は分からない。せっかく侯爵が居るんだ。この人に聞いてみよう。



「侯爵様、少し確認をさせて頂きたいのですが、ヘクター・バジオンとキュードス・バジオンについてどこまでご存知ですか?」


「バジオン?確か隣国の公爵家だな。友好を示す為に、今年も招待しているらしい。なんでもガハマカタラ王家の血が流れている由緒正しき名家だったはずだ。」


「シナー・ルバーネットについては?」


「殿下か?ルバーネット王家の次男であられるが、流石に敬称も付けずに呼ぶのはどうかと思うぞ?この馬車を出たら気を付けなさい。」


「はい、ご忠告感謝します。次にビトレ公爵のことは?」


「ビトレ公爵は中立派の筆頭貴族であり、シナー殿下の後ろ盾でもある。」


 ビトレ公爵と殿下は繋がっているのか…


「アルビン・カナリアのことはご存知ですか?」



「…?誰だねそれは。」




「私の任務に関わる容疑者達です。侯爵、ただの可能性として聞いてください。ガハマカタラがこの国を落とすとしたら、あなたなら何処から狙いますか?」







「…可能かどうかは別として、私ならミトリーから落とすな、だが不可能だ。そんなことは百も承知しているからこそ、ミトリーには国有数の精強な兵を有している。ならばストールの方向から攻めるとしても、ドードリが立ちはだかる。何より、前回の戦争での反省を生かし、情報の素早いやり取りが可能になった。攻めてくるとしても、応援が到着する方が早いだろう。こんなものかな?」




「…そうですか。」


「逆に聞くが、君ならどうする?」


「私もミトリーから攻めます。ただし、最初に人は使いません。」


「ほう…ならばどう攻める?」


「搦め手です。」


「搦め手?」


「まずツニク大樹海のモンスターを氾濫させます。」


「氾濫だと?まず不可能だな。定期的に討伐者や兵を巡回させて予兆がないかを調べている。もしそのような動きがあれば、即座に対応できるだろう。」


「続けます。それと同時にまずミトリーの戦力を削るために内部に忍び込ませたものを使います。」


「…子爵か…」


「子爵かどうかは分かりませんが、こういう隙を狙って戦力を少しずつ削りますね。特にアイギス様などの戦力が無くなれば大打撃です。食料に毒を混ぜる、暗殺者を雇う。アイギス様が強いのは、戦闘であって、それ以外のことに関しては未知数です。ですがあまり得意とも思いません。」


「…それで?」


「その後は恐らく兵の補充に努めるでしょう。そこでさらに手の者を侵入させる。さらに同時進行で、兵以外の者からも侵食するようにするでしょう。」


「…」


「…?」


 タリアがこの会話を困惑した表情で見ている。


「私ならタリア様の婚約を狙いますね。」


「!?」


「…」


「そういう風に何年もかけてミトリーを攻めます。さらに同時進行で、この国の貴族にも接触を試みますね。お誂え向きに、この国の貴族の間には派閥があるようですし。」


「……」


「ッ……それで、私を狙うとしても、国に背くようなことを私がする筈がありません。」


「貴女にそのつもりが無くても、印象というものによってはフォーチャー家が寝返ったと捉えられかねませんよ。」


「ならば、私がそのような者に嫁がなければ良いことです。」



 タリアの言うことは尤もだ。感情論で言えば、だけど。そのあたりのどうしようもない事情があるというのは侯爵なら分かっているだろう。しかし不思議だ。こんな考えがポンポン出てくるなんて…まさか中二病特有の妄想癖が再発したのか?!


「…ミトリーの街に今、凄腕の討伐者がいるというのはご存知ですか?」


「ブリガンテか…」


「はい、彼らが現在樹海に潜っているということはご存知だと思いますが、彼らの狙いがドラゴンの卵らしいというのはご存知ですか?」


「ドラゴン?!馬鹿な、そんなもの御伽噺だ。」


「いいえ、御伽噺ではありません。」


 俺は、猛虹のじっちゃんに頼んで取った記念写真を見せる。始めて見る機械に興味津々で、滅茶苦茶ノリノリだったからな、あの蛇神様。大きすぎてと離れて撮ったが、それが逆にスケールのデカさを物語るいい写真が取れたんだよな…



「これは?!」


「これがドラゴンですの?!」




「実際に、私と仲間たちが樹海に潜っていきました。凄腕の討伐者が、大隊級、災害級のモンスターに関わるものを狙っているという情報があったからです。さすがに私たちの依頼主も半信半疑でしたが、念には念をと、調査を依頼されました。これはその時に渡された道具で写した絵です。樹海に潜り、5日ほど進んだところで、このようなモノを見、即座に離脱しました。あの樹海には確かに、災害級のモンスターが生息しています。」



「…………」

「…………」


 二人とも絶句している。無理もない、じっちゃんは初見だと滅茶苦茶怖いしね。



「数百年前に目撃されたドラゴン…天を衝くほどの巨大さだと資料を目にしたことはあったが…これほどとはな…」


「こんなもの…本当に街に着たら守り切れるのでしょうか…」


「お分かり頂けましたか?氾濫を起こすのが可能か不可能かは別として、実際に次元違いのモンスターがあの樹海にはいます。万が一にも氾濫を起こすことが無いようにしなければいけないため、私の仲間たちが既に動いています。ただし、実際には人手が足りません。ですので、侯爵、貴方のお力をお借りしたいのです。」




 当然ヒプノを使いながら話す。これだけ動揺していたら本当だと思い込むだろう。


「私の今回の件は相当デカいです。ですので、我々も慎重に調査しているところです。そして、今回のパーティーのように多数の貴族が集う機会は、相手からしても、接触するには絶好の機会です。だだし、これはあくまで可能性の問題ですので、現時点では何も言えませんが、頭の隅に置いておいていただきたい。」


「……流石に現実離れしすぎているな…」


「ええ、長々と話しすぎましたね。それでは会場に向かいましょうか。」


 注意喚起としては十分だろう。


「それではお嬢様、お手をどうぞ。」


「…ええ」


 さすがに11歳の女の子に聞かせる話じゃなかったか…でもなぜかタリアには話さなくてはいけない気がしたんだよな…


 さて、御者の彼にも手伝ってもらおう。


「シルバさん」


「何か?」


「あとでお願いしたいことがあります。手を貸してください。」


「お嬢様の件ですか?」


「ええ、それを調べるために力をお借りしたい、俺はあまりお嬢様から離れられないと思いますから。」


「承知いたしました。何をお調べしますか?」


「もしかしたら場内で行動していただくかも知れませんが、その場合協力者に伝言を頼みます。合言葉は「やま」と言われたら「かわ」と答えてください。協力者は少し変わっている者ですが、驚かないであげてください。」


「…変わっているですか?分かりました。」


「もしかしたら危険が伴うかもしれないので、そこは覚悟してください。貴方なら出来ますよね?」


「…フッ、見た目とは違う御仁ですねアナタは…お嬢様の為ならば協力いたしましょう。」


「ありがとうございます。それではまた、お願いする機会が無いことを願っていますよ。」


「私もです。お嬢様をよろしくお願いします。」



 シルバの顔写真を撮り、いつでもケットシーに渡せるようにする。


「トーヤ様、早くまいりましょう。」


「はい、今行きます。」


















 会場に入った。パーティー開始まであと1時間ほどだ。しかし…


「タリアの嘘つき!皆、全然衣装の方向性が違うじゃないか?!メッチャ浮いてるじゃん!」


 俺の衣装はスーツ、タリアの衣装は現代風、対して、他の貴族たちの服装は中世の貴族みたいなゴテゴテの衣装だ!メッチャこっち見てる!


「だって、ああいう衣装は動きにくいったらありませんわ。」


 あ、やっぱ動きにくいんだ…ってダメじゃん!注目度MAXだよ。やべぇ、パーティー始まったらどうしよう…今思い返してみたら、侯爵もゴテゴテした服装だった。ヒントはあったんだ!?タリアを見た侯爵も驚いて、


「その服…ドレスはどうしたのだ?」


「トーヤ様がより可愛らしくコーディネートしてくださいました。どうですか?似合いますか?」


 とその場でクルっと回っていた。意外と娘には弱いのか。


「ああ、似合っているよ…」


 とそれ以上は何も言わなかったが…


「これは仕方ないんだ…男の俺が、着替えなんて覗けるわけないんだから…」


 メリナとリーナと共にドレス選びをしている間。俺は一人、時間を持て余していたんだ…日本ならPGをプレイして暇つぶししていたが、流石にここでは繋がらず、一人で座って待っていた…寂しかった…




「ほら、いつまでも現実逃避しないで、あともう少しすれば壁際によっていてください。何かあればすぐ連絡します。」


「はい…」


 フリオ侯爵は、他の貴族と話をしている。俺は今日、徹底的に空気になることを決めた。






「やあ、タリア、トーヤ、元気かい?」


 この声は…マリアス!


「お二人ともご機嫌よう。」


 そして婚約者メリナを同伴…心の闇が溢れてくるぜ…


「タリア、素敵な衣装ですね。トーヤ様に選んでいただいたのですか?」


「はい、選んだドレスが少し動きづらくて。」


「違うんだ…騙されたんだ…」


「彼は何故黄昏てるんだい?」


「さあ?いつもの病気でしょう。」


 タリアが酷い。


「そうだ二人とも、少し空気に当たってくるからタリアをお願いしてもいいかい?すぐに戻るよ。」


「ああ、分かった。やっぱり人が多いのは慣れないね。」


「でも今日は貴方と一緒に居られます。」


「メリナ…」


「マリアス君…」


 ケッ!なんかこれをプレゼントするのが嫌になるぜ…


「ありがとう二人とも、あとこれ二人にやる。」



 俺はマリアスに万薬の指輪を二つ渡す。


「これは?」


「メリナって体が弱いんだろ?」


「ええ、たまに調子が良い時に外出などをすると、すぐに疲れてしまいますわ。」


「だろうね、恐らくそれはメリナがアルビノだからだよ。」


「「「あるびの?」」」


 3人とも知らないらしい、まあ、知らなくても仕方ないか、この世界の科学や医療は発展してなさそうだしな…


「メリナって、髪が白に近い銀髪で、肌が白くて瞳が赤いだろう?これがアルビノと言って、」


 俺は腕を見せる。


「普通の人間は太陽に当たり続けると、肌赤くなってからが黒くなるだろう?だけど、メリナの場合、肌が赤くなったままだったりするんじゃない?それは、肌の中にあるメラニンって成分が関係してるんだけどね。」


「「「…?」」」


「簡単に言うと太陽に当たり続けると、肌が痛んだりして体に害になるんだ。そして酷い場合には重い病気に罹って死に至る。」


「?!なんだって?!」


「そんな…」


「何てこと…」



「さっき言ってたじゃん?外出すると疲れるって、恐らくそれが原因だね。太陽に長時間当たるのが良くないんだろう。だからほとんど屋内に居るんじゃない?」


「そうですね…」



「この指輪を付けていると、それが緩和されるはずだ。だから二人にやる。マリアス、彼女の指に着けてあげてよ。これは君の役目だよ。」



「ああ、ありがとう。…メリナ、手を出して。」


「…はい///」


 そして、マリアスはメリナの左薬指に指輪を付ける。この指輪はPG製なので、成長しても問題ないはずだ。異常状態に強くなるため、毒等にも対応できるだろう。


「タリア、あげた腕輪を着けてね?」


「しかし、この場にはあのデザインは合いませんの。」


 …仕方ない、カスタマイズするか…


 カスタマイズ、PGの装備は効果は変わらないが、見た目を変えることが出来る。ファッションショーなどを開くユーザーからの要望で出来たシステムだ。最初はノーマルのデザインだが、この機能で、10種類の中から改めてデザインを選べる。


 俺はなるべく可愛いやつを選びマジックボックスから出す。左手のブレスレットに合うかどうかは分からないが、右手に着ければいいだろう。


「タリア、これは君の身を守るための物だから、これから肌身離さず着けていてくれ。」


「~~~っ///は、はいっ」


 なんかタリアの様子が変だが、ブレスレットを渡す。


「トーヤ、やるね…」


「まぁ」




「…右手に着ければいいから。それじゃあ、少し席を外す、タリアを頼んだよ二人とも。」


「ああ、任せてくれ。」


「ふふふっいってらっしゃいませ。」


「~~~~~~~っ」





 なんか様子が変なので、ツッコまずにその場を離れる。なんだか嫌な予感がするから…





 そして、外に出る。このパーティー会場は王城から入ってデカい中庭に出たところにあるので、建物から出たらすぐに外に出る。ケットシーにが来ているかな?合図を出す。





「あなたがトーヤ殿かにゃ?」


 すると、二足歩行の猫が3人?現れた。


「初めまして、相沢冬也です。今回は呼び出しに応じてくれてありがとう。」


 俺は頭を下げる。


「気にするにゃ。ボスからの指示だにゃ」



 お凛の奴、もうボスって言われてるのか…


「俺はアルにゃ」


「わっちはイルにゃ」


「おいらはウルにゃ」 


 お凜から聞いていると思うけど、今回はある少女を守らなくてはいけないことを説明する。そして、ある程度の俺の能力と、連絡を取るために登録を済ませる。


「とりあえず俺たちはトーヤに付いて行けばいいのかにゃ?」


「付いてきたら姿を見られるぞ?」


「わっちたちはこう見えても妖精にゃ!姿と気配を消せるにゃ。」


 !?それは便利だ、ぜひお願いしよう。


「必要ならその都度指示を出すよ。頼んだ。それと、会場の料理は食べられないから今からお礼の食べ物を渡すよ。」


「やったにゃ!」

「丁度腹が減ってたにゃ!」

「何をくれるんだにゃん?!」


 俺は鶏肉を渡す。お凜に聞いたから大丈夫だろう。




「Oh…」

「アンビリバボーにゃん…」

「マジか…!?」



 三人とも驚いてる?というかウル、語尾が付いてないぞ!普通に話せるの?!


「トーヤ…」

「さすがにこれは…」

「酷過ぎにゃ…」


「え?お凜から鶏肉で大丈夫だろうって聞いたけど…嫌いだった?」


「違うにゃ。」

「そういう問題じゃないにゃ。」

「根本的な問題にゃ。」






「「「せめて調理して!」」」






 すみませんでした。







ブレスレットのプレゼント


 相手を独占したい。束縛したいという意味があるらしい…


アルビノ、説明に変なところがあっても、この世界はフィクションですので気にしたら負け。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
作者の別作品もよろしくお願いします。 終末(ヘヴィな)世界をゆるふわに!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ