12 タリアの慟哭 後編1/2
今回も長くなり分けます。
両親を喪ったカトリーナは以前の天真爛漫さを無くし、ただひたすら今までの習い事や魔法の訓練に打ち込むようになりました。以前のような関係に戻りたいとは思いますが、お父様の命令により彼女の両親が亡くなったことで、彼女と顔を合わすことがいまだに出来ません。
トレーター家に関しては我がフォーチャー家が今後の補償を約束していますので使用人たちもこれまで通りに雇っていけますし、彼女の生活もすべて我が家が見ることになります。それにトレーター家の蓄えもありますので、彼女が生活に困窮することは無いでしょう。
私はもうすぐ王都の学院に入学するためにこの街を離れますが、彼女がマリアスと幸せな未来を歩んでいけるよう祈っています。
学院に入学してすぐにメリナが病気がちになりました。今日も体調が悪く、授業も半日で休んだみたいです。よくお見舞いに行くのですが、原因が分からないようです。
「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。小さい頃もよくあったでしょう?」
「そうは言いますが、大事な友人なのですから心配するのは当たり前でしょう?」
「あなたは他人のことに心を割き過ぎです。それよりもリーナの様子は如何ですか?」
「はい、いまだ家族を失った傷は癒えていないようです。むしろ何も考えずにひたすら自己研鑽に励んでいるようで、いずれ体を壊してしまわないか心配でなりません。」
「私には彼女の苦しみが想像つきませんのでかける言葉が思いつきませんが、マリアス様が彼女の心を解きほぐしてくれることを願うばかりです。」
彼女はもうマリアスへの気持ちに区切りがついたようで、以前より顔色も良くなっています。しかし、体調を崩す時が多くなっているのも事実です。大きな病気ではないらしいのですが、たまに彼女から何か力が抜けているように感じるのは気のせいでしょうか?
「マリアス様は、現在テイムの技術の習得に力を入れているらしいですね。」
「ええ、2,3か月に1度ほどリーナの元に訪問していますね。その時ばかりはリーナも笑顔を見せるようです。一緒に牧場にも寄っているらしいですね、そこでモンスターたちと距離を詰めようとしているようです。」
「二人が仲良くなっていて何よりです。今のリーナにはマリアス様が何よりの支えになるでしょう。ところでタリア?あなたは如何なのですか?心惹かれる殿方は見つかりましたか?」
「残念ながら私にはそのような方はおりません。それに…」
「リーナに対して負い目を感じているという訳ですか。」
「ええ、どうしても彼女より先に自分の幸せを見つけようとは思えません。」
「あなたに罪は無いと思いますよ。それにその命令を下したのは侯爵様です。仮にあなたがその場にいたとしてもこのことは変えられないでしょう。あの状況ではトレーター夫妻の力が必要だったのですから。」
「それでも…なかなか受け止められませんわ。」
「あなたも頑固ですね…」
メリナは苦笑しながら私を見つめます。すると急に力が抜けたのか倒れそうになりました。
「メリナ無理はなさらないで、今日は失礼しますね。」
「ごめんなさいタリア。せっかく来ていただいたのに満足に持て成しも出来ずに…」
「あなたはご自分の体のことだけを心配してください。早く治して二人でパーティーに出ましょう。」
「フフッ、そうですね、私たちも素敵な男性を見つけなければいけませんね。」
そして私はルーティラ家を後にしました。
学院では一般教養のほか、礼儀作法、や魔術理論の科目を履修しています。一般教養や礼儀作法は復習のため、魔術理論は魔術を使いたいという訳ではありませんが、リーナがどのようなものを受けようとしているのか、またティア様がどのようなことを勉強していたのかということを知りたいがために受けました。
私自身もそうですが、魔力はだれでも持っていますが、それを魔術として使えるものは実際には2割に満たないと言われています。そしてそのうちほとんどの者が自信を強化することにしか魔力を使えません。ティア様のように魔力を放出できるものは全国民の1%と言われています。
ハッキリ言って、この科目を取ったのは失敗でした。教科書を教師が読むだけのつまらない内容です。全く内容が頭に入ってきませんわ。
その日の授業が終わると、寮の自室で自分で勉強するか、メリナの所に行くかという事しかしません。別に友人がいないわけではありませんよ?貴族平民問わず仲のいい友人は何人かいますが、上位貴族という身分が、放課後に遊びに行くという市民たちと行動を共にするのに邪魔をしてきます。どうしても行きたい場合には、護衛を連れて行かねばならないのです。当然そのようなことをしては友人たちに気を使わせてしまうので、いつも行けないと伝えています。
本当は行きたいのに…少し前までは家を抜け出したり街に繰り出したりしていましたが、私ももう13になりました。社交界にもデビューしています。ですので、今となってはあのころのような行動をとることも出来ません。
「はぁ~」
ついついため息が出てきます。今は少し退屈ですわ。もう少し刺激があればいいのですけど…
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お久しぶりでございます。タリア・フォーチャーです。十数か月ぶりにリーナと会うことが出来ます。今日は彼女が入学する日です。学園の案内という名分があるため話しかけやすいでしょう。これまであの子の近くにいてあげられなかった分、今日からなるべく話しかけるようにします。
「リーナ、お久しぶりですね。」
「タリアお姉さま。お久しぶりでございます。」
リーナはあのころと変わらない…いえ、子供特有の溌溂さが無くなり、少し大人びた表情をするようになりましたね。
「入学おめでとうございます。もしよろしければ学院が終わったら一緒にお茶でもしませんか?」
「はい、お姉さまとお茶会は本当に久しぶりですね。」
「ではまた終わり次第迎えに行きます。玄関の銅像の所で待っていてください。」
少しギクシャクしていますが彼女との約束を取り付け、自分の教室に向かいます。彼女と話すのも久方ぶりですが、昔と変わらずお話しできるかしら?
しかし彼女との約束を履行することは出来ませんでした。メリナが急に倒れたとの急報が入りました。私の使いの一人にリーナの元に今日は無理になったと伝えるように支持し、私は急いでルーティラ家へ駆けつけます。
(迂闊でしたわ、リーナにもメリナの元に一緒に来るか尋ねればよかったですわ。少し慌てすぎでしたね。また後日一緒に訪問するように伝えるとしますか。)
「~~~~という訳で、タリア様はお茶会はまた後日にして頂きたいということでした。」
「承知いたしました。お姉さまによろしくお伝えください。」
「では失礼いたします。カトリーナ様」
お姉さまの使いの方が帰っていきました。しかし何か妙な気分です。頭にもやがかかっているような感じがします。何か思い出せそうで思い出せないような…
「おかしいわ…メリナ様とは何方だったでしょう?」
ルーティラ家に到着し、メリナの元に案内されます。
コンコンッ
「メリナ、タリアです。」
「どうぞ…入って。」
「失礼します。おからだは大丈夫で…」
私は目を見開きました。この間会った時と違い、明らかに彼女は衰弱しています。まるで今にも消えてしまいそうな…
「メリナ!一体どうしたのです?!」
「何故だか昨日から体が重くてですね…学院はお休みしたのですが、倒れてしまいました。」
「こんな状態では私が居ると休めません。すぐにお暇します。」
「待って!」
「?!どうしたのです?そんな大声を上げて…」
「…タリア…今までありがとうございます。」
「なんですかそれは!まるで今にも死ぬみたいな言い方はするものではありません。」
「ごめんなさい。でも分かるのです。私は今日死にます。」
「?!そんなこと言わないでください!気をしっかり持って!!」
「タリア…私の大親友…あなたはいつも私を気にかけてくれました。本当にありがとう。」
「メリナ!」
「お願い…最後まで聞いて…家族たちは誰も来てくれないの…だからあなたには…最後まで傍に居てほしいの…」
いつも大人しいけど自分の芯はハッキリ持っていたメリナの初めての泣き言です。そして同時にすがるように私の手を握ります。しかし全く力が入っていません。この時私は彼女の死を否応なく感じてしまったのです。振りほどくことなど出来るはずもありません。
「いつも誰かが私の中で囁くの…リーナが憎くないかって…マリアス様を…諦めるのかって。」
彼女は涙を流しながら語ります。しかし声からどんどんと生気が抜け落ちていっているようです。
「私はそんなことないっていうの……確かに悲しいけど……マリアス様の幸せが一番だから……」
彼女の意識が徐々に朦朧としてきているようです。部屋にいた侍女達が先ほどから忙しなく動いています。ですが全く気にならず…恐らくメリナの最後の言葉を聞き逃すまいと彼女の言葉に耳を傾けます。恐らく泣いているのでしょうか。目が良く見えません。
「タリア、お願い…私はもう駄目だけど…マリアス様とリーナが………幸せになれるように…見守ってあげて…」
「任せてください。うぅっ…必ずあの二人を幸せにしてみせます。」
「本当に……今までありがとう……私の…一番の…大親友…」
「…っメリナ!」
「マリアス様…どうかお幸せに…………」
メリナの手から力が抜けます。手だけではありません。恐らくもう、彼女が動くことは無いでしょう。彼女は最後まで愛する男性の幸せを願いながら天に昇って逝きました。
2日後、メリナの葬儀が行われました。王都にいる貴族の子息令嬢たちはみな顔見知りですので葬儀に参加しています。しかし、カトリーナが参加することはありませんでした。
「…タリアお姉さま、私はそのメリナ様といつお会いになったのでしょうか?」
「リーナ…あなた本気で言っているのですか?」
リーナの発言が信じられず思わず聞き返してしまいました。彼女がこのような時にそのような発言をすることが信じられませんでした。
「申し訳ありません。ですが何時面識を持ったのかまるで記憶がないのです…」
バチンッ!
「リーナ!いい加減になさい!言っていいことと悪いことがあります!このような時にそのような戯言を、恥を知りなさい。」
この時私は親友を喪い冷静ではありませんでした。もう少しリーナをよく観察していれば、彼女の様子が明らかにおかしいことに気づけたはずです…しかしこの時私は彼女に初めて手を上げてしまいました。彼女は目に涙をためながら謝り続けていたのですが。メリナとの面識はないと言い続けていました。
「リーナ、いくらなんでも酷過ぎます。見損ないましたわ。そんなに彼女の葬式に出たくなければ参加しなくて結構です。」
「お姉さま…」
私は彼女を置いてきました。彼女に対してこのように憤るのは初めてです。そんなことを考えているとマリアスに遭いました。
「タリア…どうしたんだい?」
「マリアス…なんでもありませんわ。」
さすがにマリアスに対してリーナの発言を告げ口する気にはなりませんでした。そして何より彼もベッドに眠るリーナに別れを言ってきたのか、ひどく憔悴していました。幼馴染を喪ったのです。当然ショックを受けるでしょう。
「…何故なんだろうな…」
「え?何か仰いました?」
彼が何か呟いたようですが、周りの悲しみの声にかき消されて聞こえませんでした。
「いや…何でもない…ところでリーナは来ていないのかい?」
「…あの子はショックを受けて今正常な状態ではありません。…今はそっとしておいてあげてください。彼女が何か妙なことを話したとしても、冷静に聞いてあげてください。」
マリアスにリーナのことを少し放っておけと伝えました。どの口で言うのだろうと思いましたが、やはり彼女の様子は妙でした。もしかすると余りのショックで記憶が混乱しているのかもしれません。思い返してみればリーナはマリアスを彼女から取ってしまったと悩んでいました。そんな彼女だからこそ、メリナの死が原因で彼女のことを思い出せなくなっているとしたら…
あの子があんなことを言ったことに説明がつきます。むしろそう考えるのが自然ですね。彼女があのようなことを言うはずがありません。だとすれば私は彼女に酷いことを…手を上げてしまうなんて…
「君の悩みはリーナのことかい?分かった。彼女のフォローはこっちでするよ。」
「申し訳ありません。よほどショックが大きかったらしく、彼女のことに関する記憶が混乱しているようです。」
その後、別れの時間が終わり、彼女の亡骸を墓地まで運んで埋葬し、来世では幸せになれるよう皆で祈り、葬儀は終わりました。
「リーナともう一度話をしなければ…」
しかし、彼女と会う前にお父様からの呼び出しがかかりました。もう少しリーナは一人にした方がいいと判断し、お父様の元へ向かいます。
コンコンッ
「御屋形様、タリアお嬢様がお見えです。」
「入りなさい。」
「失礼いたします。」
「よく来たな、君は下がっていなさい。しばらく娘と話す。」
「承知いたしました。」
「それでお父様?話とはいったいどのような事でしょう。」
「うむ…お前の嫁ぎ先が決まった。」
「!?…」
とうとうこの時が来ましたか。貴族である以上いつ来てもおかしくないと思いましたが…
「突然ですね…相手は何方様ですか?」
「隣国、ガハマカタラ王国のバジオン公爵の次男、キュードス殿だ。」
「隣国の…しかしどうして?あまり接点はないと思いますが…」
「…王命だ。我が国の平和の為にだそうだ。」
ことは2年前の大氾濫にあります。何とかミトリーの街の滅亡を防ぐことが出来ましたが、別の場所、つまり隣国側にもモンスターの氾濫が起こったようです。広大な面積を誇る大樹海に面している国は4つあり、その一つが隣国ガハマカタラ王国です。
100年前の侵略と言い我が国との仲はあまりよくなく仮想敵国とされています。国力差は我が国を100とした時160~180はあると言われており、我が国よりも強大な軍事力を持つとされています。
その隣国が今回の大氾濫は我が国に原因があるという主張を以前からしていましたが、事実関係が不明なため、我が国は否定し続けました。しかし、2か月ほど前に今回の件の元凶とされる討伐者達が捕まりました。
それが忌まわしいことにリーナの両親が亡くなる原因になった…そう、あのドラゴンの卵を盗み取ったことが引き金となり、今回の氾濫が起こったようです。
犯人たちは既に処刑されていますが、一流の討伐者が起こした不祥事が世間に与える影響を考え、任務中の事故死と発表されたようです。しかし、どこから過去の情報を得た隣国からの圧力が強まり、実はいつ戦争が起こってもおかしくないほど緊張が高まっているようです。
「それは事実なのですか?」
「どうやらそのようだ。陛下や上位貴族の一部しか知らないらしいがな。そして隣国との戦争を避けるために、いくつかの条件があちらから提案されたようだ。」
「そのうちの一つに私が?」
「正確にはこの国の上位貴族とあちらの上位貴族との婚姻をもって、和議を結ぼうとあちらの非戦争派は主張しているようだ。100年前ならいざ知らず、今はタカ派とハト派の勢力が均衡を保っていることが幸いであった。」
「そこで一番都合がいいのが私だったという訳ですね。」
「王家には年頃の女性がおらず、それは3大公爵家にも同じことが言える。いないわけではないが、すでに嫁いでいるのだ。」
そして、第一候補は筆頭侯爵家のルーティラ家のメリナだったようですが、彼女の体調が思わしくないということで、問題を先送りにしていたようです。しかし、彼女は先日帰らぬ人となり、どこで情報を得たのか隣国の使者からいい加減に返事をよこさねば戦争も辞さないと言った文が届いたようです。
彼女がもし、誰もいないところで亡くなっていたのならまだ誤魔化しようもあり、対策の時間が取れたのですが、あの場には私が居り、彼女の最後を看取りました。これにより誤魔化しがきかず、返答の時間も限られた状況が今という訳です。
「このような事を云うのも不謹慎だが…あの場にお前が居たことで今回の状況がさらに悪くなったということだ。そして、メリナ嬢の他にも候補が居たが、その中で最も我が国に都合のいいものがお前という訳だ。」
確かに、ある程度の力が有る我がフォーチャー家ならば隣国の条件に合います。そして私は末の娘という訳で、フォーチャー家にしても国にしても、嫁いだ後にどうこう出来るものではないでしょう。
「今回の件は他言無用だ。そして来月には隣国に留学名目で旅立ってもらうことになる。」
「向こうの学院に転入するということですか?」
「そこで、キュードス殿に見初められ、長年敵対していた両国の懸け橋になると宣伝を打つというシナリオだ。」
お父様は口調は淡々としていますが、その手は固く握られ震えています。私はそんな父に寄り添い、その手を握りながら言います。
「承知いたしましたお父様。このタリアが必ずや両国の関係を良好なものにしていきます。決して戦争などを起こさせたりはしません。」
「すまない…」
「それに今回の件を受けるにあたって当然フォーチャー家にも利があるのでしょう?」
「ああ、我が領と彼の国は隣接しているため、友好を結ぶことは今後のことを考えると非常に有効と言える。」
「ならばフォーチャー家の娘としてその礎となることには躊躇いはありません。私にお任せください。」
そこからは非常に忙しい毎日でした。嫁ぎ先に連れて行く従者の選定などをし、その日に備えます。ただ、そのことで疲れたのか時々頭が靄がかったような感覚がします。自分でも気づかぬ間に緊張して疲れているのでしょう。
そして出発の前日、友人のマリアスに挨拶に行きました。
「君が隣国に留学するとはね…」
「ええ、私にも予想外でしたが、この国の為に外国で文化を学ぶことも大切ですからね。」
「君もいなくなるのか…寂しくなるね。」
「あなたには可愛い婚約者がいるのですからそのようなことを外で言うといろいろと誤解されますよ?」
「そうだね、×○◇□△やアリナが傍に居てくれるからね…」
「……」
あれ?今の何?よく聞こえませんでした…
「急に黙ってどうしたんだい?いくらタリアと言えどやはり不安なのかな?」
「どういう意味ですか!私とて普通の女子なのですから、一人で新天地に行くなら不安になって当然ですわ。」
「ごめんごめん、君はいつも僕たちのムードメーカーだったから、そんなに大人しかったら調子が崩れてしまうよ。」
「仕方ないでしょ。近頃はいろいろありましたし…」
メリナが亡くなったこと、隣国へ嫁ぐこと、その為の準備に大忙しで、◇□△とも会えませんでした。…あれ?また何か靄がかったような…
「異国に行くと体調を崩しやすいと、知り合いの討伐者も言っていたから体調には気をつけてくれ、もうあんなことは嫌だからね。」
「…そうですね。ありがとうございます。…そろそろ行きますわ。明日の準備の最終確認をしないと。」
「また会える日を楽しみにしているよ。」
「ええ、それまでご機嫌好う。」
マリアスと別れ、我が家に戻ります。ミトリーの街にも戻りたかったのですが、家族皆でこの王都に滞在していますので、寂しくはありません。ここに…あれ?誰か足りないような…
そして家族と最後の団欒を楽しみ、ガハマカタラ王国の王都へと旅立ちました。
「貴様が私の女になるのか?」
ガハマカタラ王国王都アマツに着き5日、今日は初登校の日です。この国にはルバーネット学院にあたるアマツ学園があり、この国の最高学府となっています。今日はこの学園に転入するための手続きに来ました。簡単な試験がありましたが、この国の歴史はきちんと勉強しましたし、他の教科は学院で修めています。明日自分のクラスに案内されるようです。そして、手続きも終わり、従者を伴って用意された宿に帰ろうとした時でした。
彼がキュードス・バジオン…私の夫になる方…ここに来るまでにこの方の情報を集めましたが、あまり良い噂がないようです。正直に言いまして、ハズレだと思いました。しかし、これは王命…私の使命は戦争を起こさないようにうまく立ち回ること、民の平穏が私の幸せです。私情は捨ててみせます。
「お初身御目にかかります。タリア・フォーチャーと申します。今後ともよろしくお願いいたしますわ。」
「ふん、最低限の礼儀だけは弁えているようだな。まぁ、これからは俺の女となるのだ。バジオン家の恥にならぬよう精進を続けることだな。」
そういって彼は去って行きました。恐らく、これからは困難なことが沢山あることでしょう、しかし必ずや国の未来を守って見せます。
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準備は整ったな…
これよりこの淫乱に、裁きを与えてやる。
信じ続けた俺を裏切った罪…
必ずやその身で贖ってもらう…
2/2は7時ごろ投稿予定です。ダイジェストもその時に




