第22話 私の答え
「ありがたいお申し出です。ですが、私は帰りません。帰るわけには行かないのです。今まさにわがままな可愛い主が待っていますので…」
「あらあら…」
驚きの表情を見せる女王様。その一方王様は不満と言った表情で告げた。
「そんなの金を積み、駄目なら脅せば良か…あべぶ!」
「あなたは黙っててください。さもないとハリセンではっ飛ばしますよ?」
にこやかにハリセンをふるったのちおっしゃられた女王様…
「もうはっ飛ばして…げべば!」
王様は反論しようとしたところでさらに横からの女王様のハリセンで数回転切り揉み回転しました。
「黙っててくださいと言いましたよ」
畳に落ちた王様はコクコクと無言で頷くと女王様は満足そうに笑っておっしゃいました。
「一国の主としてではなく一人の母親として帰ってきて欲しいと言ってもダメなのかしら?」
しかし私の答えは変わりません。しっかり見つめ返すと女王様はポリポリと頭を掻き、ばつが悪そうにおっしゃいました。
「あなたの覚悟はよぉ〜く分かったわ。一度決めたら頑なに守り通そうとする頑固さはお父さん似ね。」
私は一旦王様を見ると女王様は首を降る。
「駄目王じゃなくてあなたのおじいちゃんね」
祖父似…ですか。会ったことがないから実感わかないですね。
「今、私達が表敬訪問できているのはおじいちゃんのお陰なのよ」
「今年で7892歳とか言ってたな」
「どんだけ長生きなんですか!」
慌てて叫んだ口をつぐむと王様はケラケラと笑いながら言う。
「かく言う俺も既に齢700を越えてるし、クリアもいっせ…ブゲボバラァァァア!」
「誰が口を開いて良いと言いましたか?それに女性の年齢を口にするのは御法度だと常に言ってるでしょ?」
女王様は凍り付くような冷たい微笑を浮かべながら金属色のハリセンで王様を叩き上げ、肩に担ぐ。それにしても…
「いくら長命な獣人種でも平均寿命の7倍、最大80倍近くなんて…」
私はうっかり呟いた言葉に女王様は返す。
「あら?まだ気づかなかったの?“ただの”長命な獣人種じゃないわよ?私も、あなたも…」
「え?」
女王様はにっこり笑って真実を告げると背後が揺らめき、銀毛の尻尾が9つに増える。
「私達は“幻想種”の“9つの尾を持つ者”…幻覚と魔力に長けた種族よ」
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