プロローグ 私はクレア!
今日の通りは大賑わい。
それもそのはず今日はこの国の姫様がこの通りを通るんだから!
でもここの姫様と言えど底辺の私たちの実情は知らない。
人の財布をスッてその日の生計を立てる私達なんか…。
いい感じにの近衛騎士が哨戒してきた。私は2人の中心にぶつかるように歩を進めた。
軽く体同士がぶつかる。
「オイ気を付けろ」
「すみません」
あなた達も懐を気を付けてくださいね私のようなスリがいるから…
2人は剣を指している場所が違った。片方は右につまり左利き…もう片方は左につまりは右利き。ならばそれに適した場所に財布はある。私は財布をスるが全部はとらない。すれ違いの一瞬で相手の財布を開け、銅貨を1枚をスる。
今日チーズを挟んだあの白パンを買って食べられれば満足だ。
後1人…
見たことない商人風の装束の男が歩いてくる。今日最後の獲物はあれにしよう…。ゆっくり歩き、ぶつかる。
「おっと…危ないな」
驚く事に男は私の手を掴んでいた。男の胸元から口の開いた財布が転がり辺りに金貨が散らばる。
「…なんで財布ごと取らなかったんだい?」
「…チーズを挟んだ白パンが食べられれば充分だから…」
「財布ごと取ればそのパンが何個でも買えたよ?」
「そしたらあんたが困るだろ?」
「まぁそれなりには困るね。お気に入りの財布だったからね」
男はいたずらするかのような笑みを浮かべながら答えた。
「悪いことしてるのは分かってる。でも私は生きるためにはしょうがなかったんだ。だから出来る限りの少量で済ませたかったんだ。でも…」
私は金貨が散らばる地面を見て続けた。
「あんたは金貨しか持ってないじゃんか…」
「何がほしかったんだね?」
「銅貨1枚…」
「手持ちは見ての通り金貨しかなかないんだ。悪いね。それにしてもよく触っただけで金貨ってわかったな?」
「…そりゃぁ…頑張って腕を磨いたから…」
「そっか…君、名前は?」
「クレア=アンティ…」
「ご両親は?」
「私は捨て子。捨てられてた場所がアンティ教会でクシャナ、レアル、アンナの3人のシスターが私を見つけたから頭文字をとってクレア。」
「じゃあ今その教会で寝泊まりしてるのかい?」
「教会は5歳の時に抜け出した。私は異形だから上のシスター達にイジメられるのが嫌で…」
「じゃあどこで寝泊まりしてるんだ?」
「夏は路上、冬場下水さ…」
私の耳が軍靴の駆ける音を捉える。私はこの人の手によって衛兵に引き渡され殺されるんだ…。あぁ最後にあの名前の読めない店のチーズを挟んだ白パン、食べたかったなあ…
「うちのメイドにならないか?そのスりの腕前からかなり器用と見た。ベッド完備、制服貸与、3食保証、報酬は月/金貨1枚。どうだ?」
ナニソレ…どんな裏があるんだ?
「クノール卿!浮浪者に絡まれたと通報が!」
「ん?浮浪者?なんのことだ?」
「その獣臭い浮浪者のことです」
「あぁこの娘か…今この娘と商談の最中でね」
あぁもう畜生…なるようになれだ!
「なるよ。その商談!乗った!」
こうして私はクノール家のメイドとなった…
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