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狂った歯車



ありえない。



「仲良くなってるみたいで嬉しいよ」



そんな訳ない。



「ああ見えて昶は水森さんの事結構気に入ってるんだよ」



きっと、何かの間違いだ。



「俺が好きなんは、お前や」



火狩が、私の事を好きだなんて。



「…さっさと戻るで。

飲みもんぬるなってまう」



何で、いつも通りに戻れるの。

何で、アンタは私があの人の事好きだって知ってるのに、そんな事言うの。

何で、



「置いてくで」



そんな辛そうな目で、笑うの。



「…何で私だったの」

「はあ?」



昶が振り向いて眉根を寄せる。



「お前なあ、真の事何で好きなんって聞かれて答えられるか?

俺かてそれと同じや」

「…………」

「…あんなあ、別に返事貰おうとか、俺思ってへんし。

いつものアホなお前のままでえぇから。

つか、真もおんのに俺の事もなんか考えられへんやろ」



今はまだそれで良い。



「俺はお前を困らせるために言った訳やない。

それだけは、信じてくれんか」



まるで縋るような目。

普段の昶らしくない目で、楓を見つめる。

まっすぐ今の想いを伝える昶に楓は、



「…ッ…!!」

「え、あ、おい水森!!」



逃げた。



「おまっ…えぇ…

この荷物お前のやねんけど…」



どないすんねんこの大量のペットボトル…

頭を抱えたくなった。



「――――…ない」



ありえない。

ありえないありえないありえない。



「どうして…!!」



何も、考えたくない。




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