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20時
中島優太はこの時間になって目を覚ます。
前日が深夜の時間帯のシフトであり、勤務後に朝からゲームセンターに行くような生活をしていて、早く起きるなんて縁の無い生活だからだ。
大きな欠伸をしながら少し長く、ボサボサした頭を掻く。
裸足で歩きながら慣れた手つき(足つき?)で冷蔵庫を開ける。
しかし、中には調味料が少し有るだけで求めていた飲み物は無かったのだ。
(帰る前買わなかったか…?)
そんなことを考えながらも、無いものは無いので買いに行くしかないのだ。
優太はジャージのポケットに財布と携帯を無造作に突っ込むと家の扉を開けてーー
「は?」
そこには予想していた夜の景色も、向かいにある三階建てのアパートも無かった。
ーーバタン。
扉を閉める、扉を開ける。
繰り返すも、何も変わらない。
「何も変わりませんよ」
突然、後ろから男の声が聞こえる。
ドアノブを握ったまま後ろを振り向くと、そこには金髪の男が立っているのだった。