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未来都市

 翌朝、昨日と同じくらいの時間に会社に着いたが、近藤だけしかいなかった。


「おはようございます。課長は?」


「おはようございます。もうすぐ出勤されると思います。」


どうやら島村はまだ出社していないようだ。


俺は近藤に挨拶してから、自分に割り振られた席に座った。


 しばらくして、島村が出社した。


・・・が、会社の出入口でない場所からであった。

 


 一瞬、勝手口からかと思いかけたが、このビルには勝手口と言うものは存在しない。


 一体どこから入ってきたのかとても気になった、が、そもそも仕事そのものが謎だったので、それに比べれば大したことはないと、あまり深く考えないことにした。


 ・・・・実は、昨夜は飲みすぎて終電を逃し、結局会社で寝ていたが、格好が悪いので普通に出勤を装った・・・・なんてところかもしれない。



 

 いずれにしろ、会社の仕事と同じで島村が話すまで待つことにし、仕事に取り掛かることにした。


「近藤さん、今日の仕事の書類を下さい。」


近藤に声をかけると、島村が、「山本君、今日は三人で本社へ行こう。」と言った。



そう言えば本社がどこにあるのかしらなかった。

しかし、宿泊の準備もしていないので、遠い場所なら一度帰らないといけない。


島村と近藤は、先程島村が出てきたドアの側で俺が来るのを待っていた。


「本社へは、こっちから行くんだ。」


 島村がそう言った。


・・・!


昨夜の夢を思い出した。


ま、まさかな・・・・。



島村と近藤の後について行った。



ドアを島村が開けた。



壁も床も真っ白な部屋だった。



そして、部屋の中央には・・・夢でみたのと同じエレベーターがあった。



エレベーターに乗ると、夢と同じように島村が番号を入力し、それと同時にエレベーターのドアが閉じた。



エレベーターのドアが閉じたのは、ほんの一瞬だった。



ただ閉じただけ。



そして、再び開いたどあの向こうには・・・



・・・未来都市があった。



タイヤのない車。

人と同じように移動していくロボット。

そして、信じられない位に澄みきった青い空。



本当に夢と同じだった。




島村達の後を付いて行くと、大きな建物の中に入っていった。



ビルではなく、建物としか表現出来ないような建物だった。



「ここが本社だ。詳しい話はもう少し待ってくれ。」



島村があるドアの前で立ち止まり、カードをドアの横の機械に差し込みながら俺にそう言った。




ドアが開き、中に入ると、たくさんの荷物が壁からコンベアに乗って出て来るのを整理する作業をしているロボット達で一杯だった。



「ここに調達した物資が一度集められる。そして注文主の元へと行くんだ。」



島村が俺の耳元でそう言った。


音が大きいのでそれくらいでないと聞こえないのだ。


再び移動を始める。



次に案内されたのは、巨大なモニターのある部屋だった。



とにかく広い。




オリンピックが行われる水泳の会場位の広さだった。



そこに、大きな画面が壁に付いており、世界地図が表示されていた。



「ここが客先からの注文を受け、その調達指示を行う指令所だよ。すべてコンピューターが行っている。ここにあるのは全部コンピューターだ。」


島村が俺にそう説明した。



「ところで、ここっていったいどこなんですか?」



俺は一番気になっていることを島村に聞いた。



「ああ、一番大事なことをまだ言ってなかったね。」


島村は笑いながら言った。


「ここはさっきの時代から100年先の未来だよ。そして地球じゃなくて火星だ」



・・・・・・・・・・・・・・・・?????!!!!!????!?!?!?



昨夜の夢のおかげで未来かもという予想はできていたが・・・・火星?




不覚にも、思わず口がパクパクしてしまった。



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