表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

〈二〉

これは…チェロ…?


僕の脳をかき乱す、激しい調べ…続いて規則正しい旋律の繰り返し…







「…ッ!ン!…アッ!……ン…そこ…!…」



ハァハァと乱れる呼吸。

男が同じ調子で腰を動かす。長い。


もう、どれだけイッたと思ってるんだ?




「…ッ…も、勘弁して…」


(まなじり)を汗が伝う。


酸素が恋しい。





店を出かかった所で男に声をかけられた。


もちろん答えはイエスに決まってる。





「…ン…スゴイ……壊れ…ちゃう…からァ!…」


男は40代後半頃だろうか。

髪に白いものが混じって、少年好みの年代だ。




「くちゅ…クチュ…」


接合部は外さず、深い口づけを求められた。




「…ん…ン……」



「なんだ…キスがそんなに()いのか?」



男がニヤリと笑う。



「ん。好きだよ。…僕の大切な食事」



赤い舌でなまめかしく唇をなぞる。







『どういうことだ?』




聞こうとした刹那、男が〈ドゥ〉と倒れ込んだ。





「あーあ…」



思わずため息を漏らす。



「もう~ちょっと、欲しかったのになー…」



〈ヨイショ〉


かけ声と共に便座から降りる。





この人が発見された時に可哀想だから、服装は整えてアゲル。




「さよなら、ムッシュ…」





キスを飛ばして別れを告げる。




「まだ、足りない…」




(ごめんね、マスター。トイレを汚して)





少年イズミは、気配を消して店を出た。



店内には、静かなジャズピアノの音が流れる。



客は数える程しかいない…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ