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第7話 ライバル出現


アルモニア市の朝は、いつもよりざわめいていた。

「ねえ、聞いた? 新しい賢者候補が来たって」

「無能扱いされていたアルトの噂もあるのに?」

市民たちは興味津々で話題を交わしていた。


アルト・シルヴァンは、弟子たちと広場を歩く。

リリス・フェンウェイは好奇心で目を輝かせ、

カイ・レンフォードは剣を軽く握り、警戒を見せる。

「アルト様、今日の噂、見ました?」リリスが聞く。

「……ああ、知ってる」アルトは小さくうなずいた。


都市の噂によれば、新しい賢者候補は

「完璧な剣技と魔法の使い手」だという。

その人物は、アルトを凌ぐ存在かもしれないと囁かれた。

アルトは眉をひそめる。

「……困ったな、また騒ぎになるか」


やがて、候補者が広場に姿を現した。

長身で銀髪の青年、鋭い目つき。

その存在感だけで人々の視線が集中する。

「俺はアルト・レンヴァード。賢者候補として来た」

声は低く、確かな威圧感があった。


市民たちはざわつく。

「新しい賢者候補だ! すごい!」

「アルト様の立場、大丈夫なの?」

リリスは心配そうにアルトを見上げる。

「アルト様、負けないでください!」

アルトは苦笑するしかない。


だが、事態は思わぬ方向へ進む。

候補者の前に現れた魔獣が、突如として暴れ出したのだ。

「来たな……」アルトは冷静に後ろに下がる。

弟子たちは反射的に行動を起こす。


リリスは魔法を放ち、魔獣の攻撃を防ぐ。

カイは剣を振り、正確な斬撃で牽制する。

アルトはほとんど指示を出さず、弟子たちの戦いを見守るのみ。

しかし、魔獣は次第に押され、ついに退却した。


市民たちは歓声を上げる。

「賢者アルト様、弟子たちを導いて魔獣を撃退!」

「伝説は本当だった!」

アルトは頭を抱える。

「……俺、また何もしてないのに」


リリスは満面の笑みでアルトを見る。

「アルト様、私たちやりました!」

カイも静かにうなずく。

「俺も、成長しました」

アルトは苦笑いで答えるしかない。

「……好きにしろ。ただし怪我だけはするな」


銀髪の候補者、アルト・レンヴァードは眉をひそめる。

「なるほど、弟子たちが強いのは認める」

「だが、俺も負けない」

だが、市民たちの目にはアルトの采配の賢明さが光り、

候補者の存在は霞んでしまう。


その夜、広場は噂話で持ちきりだ。

「賢者アルト様、弟子たちを導き魔獣を撃退!」

「新しい候補者よりも、やはり伝説の賢者だ!」

アルトは小屋の窓から街を見つめる。

「……俺は何もしていないのに、評価だけが上がる」


リリスとカイは興奮して話す。

「アルト様、次はどこで修行します?」

「俺も、新しい技を覚えたい」

アルトは小さく笑った。

「……分かった、怪我だけは絶対にするな」


翌日、都市の人々は新しい候補者とアルトを比較する。

だが、弟子たちの活躍は圧倒的で、噂はアルトの優位を示す。

「伝説の賢者アルト様の弟子たち、すごすぎる」

アルトは静かに苦笑する。

「……弟子たちが勝手に英雄を作ってくれる」


こうして、無能扱いの青年は、新たなライバル登場にも動じず

弟子たちの力で都市を守り続ける。

伝説の賢者としての評価は、ますます揺るぎないものに

なっていくのだった。


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