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名家の末娘に転生したので、家族と猫メイドに愛されながら領内を豊かにします!  作者:


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赤ちゃん、ついに伝える!?奇跡のコミュニケーション発見!

朝。私はいつものようにベビーベッドでごろごろしていた。昨日の試行錯誤のおかげで、私はひとつの結論に達した。


(……このままじゃ、私の経済改革プランが一生伝わらない!)


今日こそ、家族に意図を伝える方法を見つけるのだ。そんな決意に燃えていた時――


「フィーリア〜♡おはよう〜♡」


母様がやってきて、私をぎゅっと抱きしめた。


(まず、この抱きつぶし攻撃をどうにか……!)


だが今日は、いつもと少し違う。母様が私を見た瞬間、ぴたりと動きを止めた。


「……あら?フィリアの目、なんだかキラッと光った?」


(え?)


どうやら、私の魔力が“感情と連動して漏れる”ことに気づいたらしい。

これは……チャンス!!


そう!私の考えた作戦は!


■1.魔力で感情を伝えてみる作戦


母様に微笑みかけながら、私は魔力をほんのり放ってみた。

ふわぁ……っと母様の周りの空気が揺れる。

母様は目を丸くして言った。


「……いまの、喜んでるってこと?」


(そう!そう!それ!!)


今度は、ちょっと悲しそうな気持ちを混ぜると――空気が少しだけしょんぼりした色になる。


「えっ……!フィリア……気持ちが分かる……?」


(伝わった!!!?)


私は最大限の喜び魔力をぶわぁっと放った。

母様は感極まって涙目になる。


「すごい……!フィリア、魔力で感情を伝えてるのね……!」


(やっとーーー!!!)


赤ちゃん語→無効

ジェスチャー→可愛い扱い

絵→芸術扱い

ミュネ→“可愛い”で思考停止


そしてようやく……!


魔力感情伝達


という赤ちゃんチートが発見されたのだ。

これなら喋れなくても気持ちは伝わるかな!?それでは!!!


■2.早速、経済問題を伝えてみる


私は深呼吸し――心の中で強く思う。


(お金がない。なんとかしたい。何故ならばお金が無ければ私の贅沢三昧の生活が保障されない‥)


すると、部屋の空気が“ぴりっ”と引き締まった。母様の表情が変わる。


「これ……心配してる時の魔力ね?」


(そう!そうだよ!)


ミュネも興味津々に近づいてくる。


「ええ!?フィリア様、何か伝えてるんですにゃ?」


私は次に、“アイデアひらめき”的な魔力をぶわっと放つ。


ピカッ。


レオン兄様が後ろから驚きの声を上げた。


「なんか光った!?ひらめいてるの!?」


(兄様分かるの!?)


兄様が分かるわけはなかった。たまたまだ。

しかし――父様だけは違った。

静かに腕を組んだまま、私の周りの揺らぎを観察している。


「……これは、何か『案がある』時の反応か?」


(父様!!!!!)


私は全力の“肯定魔力”をぶんぶん放つ。

部屋の空気が明るく震え、ミュネの尻尾がブワッと膨らむ。


「にゃにゃにゃっ!?すごい魔力ですにゃ!」


母様は感動して両手を口元に添える。


「……フィリア。あなた、本当に……何か考えてるの?」


(そうだよっ!!)


私は畑のほうに向かって指を伸ばすふりをする。そして“植物が育つイメージ”を魔力に込めた。部屋の空気がふわっと暖かくなる。

父様の目が見開かれた。


「……領地の農地、か?」


(そう!!!!!!)


母様も続く。


「魔力で……土地が豊かになる……?」


ミュネが叫ぶ。


「農産物が増えれば……領地の収入も増えますにゃ!!」


(そういうことーーー!!!)


最後にレオン兄様がビシッと指を鳴らす。


「わかった!!つまり……僕がいっぱい食べれば元気になって村も元気に――」


「「それは違う!!!」」


父様と母様の声が揃った。


(兄様、あと一歩なんだけどな……)


どうにかこうにかでやっと伝わったわ!


■3.ついに認められた赤ちゃんの“知恵”


父様は私をそっと抱き上げ、低い声で言った。


「……フィリア。お前の魔力は、本当に領地を助けるかもしれないな」


母様も微笑む。


「この子の魔力が教えてくれること……できる限り受け取ってあげたいわね」


ミュネは尻尾をくるりと回しながら言った。


「にゃるほど、これからはフィリア様の魔力の揺らぎをきちんと観察するですにゃ!」


(ありがとう……やっとスタートラインだ……!)


私は小さく「きゅう(=みんな大好き)」と呟いた。


部屋中が、ぽわっと優しい光で包まれた。

父様が目を細める。


「……良い光だな」


こうして。言葉はまだ話せないけど――

私は魔力を使って、家族と少しだけ“話せる”ようになった。


ローガル家の再建は、ここから始まる。

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