表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名家の末娘に転生したので、家族と猫メイドに愛されながら領内を豊かにします!  作者:
守る仕組み

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/105

王都内部の温度差

王都――中央政務院。


長い机を囲み、複数の役職者たちが顔を揃えていた。

議題はただ一つ。


「原種管理地の今後」


だが、その空気は――決して一枚岩ではなかった。



■ 推進派


「成果は明白だ」


農務大臣が、資料を机に広げる。


「青天麦は試験農場で再現性を確認。銀光豆も保存性に問題なし。

蒼霧草についても、軍医局が“現行薬草を上回る”と評価している」


学術院の若手研究官も続く。


「原種の管理が徹底されているからこそ、改良も段階的に進められる。

フィリア領は、理想的な管理地です」


「ならば――」


宰相が静かに口を開いた。


「管理体制を維持したまま、国として支援を厚くすべきだろう」


■ 慎重派


しかし、反対側から声が上がる。


「……それが“一地方領”であることが問題なのだ」


発言したのは、古参貴族出身の官僚だった。


「原種を一領地に集中させるなど、危険すぎる。もし反乱、事故、災害が起きたらどうする?」


「管理者が“子供”である点も見逃せん」


別の者が続く。


「才能は認めるが、年齢は事実だ。判断力をどこまで信用できる?」


空気が、重くなる。


■ 中立派(様子見)


「……結論を急ぐべきではない」


王直属の調整官が、両者を制した。


「今のところ、フィリア領は規則を守り、結果を出している。問題は“これから”だ」


・外部圧力に耐えられるか

・内部不満が噴き出さないか

・王命と領地判断が衝突しないか


「王都が過度に介入すれば、逆に歪みが出る」


宰相は小さく頷いた。


「……つまり」


「温度差があるうちは、静観です」


■ 王の一言


その時、これまで沈黙していた王が口を開いた。


「……あの子は」


一同が、息を呑む。


「“守る”と決めた場所を、簡単には手放さぬだろう」


王は静かに続けた。


「だからこそ、王都も試されている。――力で奪うか、信頼で繋ぐか」


会議は、その言葉で締められた。


だが――

王都内部の温度差は、確実に広がり始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ