表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名家の末娘に転生したので、家族と猫メイドに愛されながら領内を豊かにします!  作者:
守る仕組み

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/105

集まれ職人!

グラットの紹介で集まった職人たちを受け入れた翌朝。


執務室では領主のガルドと文官たちが頭を抱えていた。


「フィリア様……非常に言いにくいのですが……」


「はい?」


文官の一人が青ざめた顔で書類を差し出す。


「どうやら……昨日の段階で、領内の人口が“正確に何人なのか”把握できておりません」


「えっ!? 人口って普通すぐ分かるよね?」


フィリアの素朴な疑問にガルドが苦い顔をする。


「本来ならそうなのだが。。。元々この領地は“人がいなさすぎた”ため、詳細な戸籍管理が極めて曖昧なのです。じいじも放置しておりましたし……」


「放置!?」


「はい。ですが、そこへ急に二十名以上が移住してきたことで……村長たちも混乱しておりまして……」


文官が震える声で言った。


「昨日だけで、三つの村から“新しい人が勝手に住み始めている!”という報告が……」


「勝手に!? いや、悪気ないよね!? 仕事を求めて来ただけだよね!?」


「ですが、空き家の鍵がそもそも管理されておらず……住んでいた家族が『あれ? うちの納屋に知らない大工が寝てるんだけど』という苦情も……」


「それは……ごめんなさい案件……!」


フィリアは頭を抱えた。



ガルドは深呼吸して言う。


「フィリア様。ここで提案がございます」


「なんでしょう!」


「領地全体で“人口一斉調査”を行いましょう。世帯数、人数、年齢、職、持ち家か空き家かを確認し、正式な戸籍を作り直すのです」


「そんな大規模なもの、できるかな……?」


不安げなフィリアに対し、文官が胸を叩いた。


「いまのフィリア様の領地なら、むしろ絶好のタイミングです! 職人たちが入る前に基盤を固めてしまえば、後が楽になります!」


ガルドも続く。


「このまま人口が増えると、住居、薪、食料、水、道路……すべての管理が崩壊しまするな。今が正念場です」


「……わかりました! やります!!」


拳を握るフィリア。



こうして翌朝。


領地の全村へ、封緘使による文書が緊急配布された。


≪至急:人口調査実施≫

≪各家族は住民の記入をお願いします≫

≪移住者は必ず受付に申告すること≫


領民はざわついた。


「いったい何が始まるんだ……?」


「まさか税が上がるんじゃ……?」


「いや、むしろ仕事が増えてるし良い方向じゃないか?」


「新しい職人が本当に来てるらしいぞ!」


噂は瞬く間に広がり、逆に村人たちの目つきは「ちょっと期待混じり」になっていった。



そしてその日の午後。


職人たちを前に、フィリアは宣言する。


「これから領地を大きくするために、まず“みんなが安心して住める場所づくり”をします!そのために……人口調査をさせてください!」


ざわ……と人々が騒めく。


だが、グラットが一歩前に出て言った。


「安心しな。こういうのはどの領地でもやることだ。むしろこれをやらん領地は伸びねぇ」


職人たちはそれで一気に納得した。


「なら協力するよ!」


「フィリア様に言われちゃ断れねぇな!」


「子ども連れてくから記入頼むな!」


次々と声があがり、フィリアは胸をなでおろす。



夜。


フィリアは文官たちと、山積みになった“住民票の紙束”を前にポツリと呟いた。


「……これは、寝られないかもしれないね」


文官たちの目が死んだ魚になった。


「フィリア様……これは数百枚どころでは……」


「明日にはもっと増えます……」


「……たぶん千人超えます……」


「え……千……?」


フィリアは震えた。


(そんなに……いたの!?というか……そんなに増えたの!?)


グラットだけが愉快そうに笑っている。


「はっはっは! 領地開拓ってのはな、こういう地味で大変な仕事が一番面白ぇんだよ」


こうして――

領地初の「人口総調査」が幕を開けたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ