宝植物の扱いを巡る重大決断――王都との交渉へ!
宝植物の鑑定を終えた夜。
フィリアは、広げた資料と乾燥させた植物サンプルを前に深い息をついた。
「……これ、下手したら国の命運を左右するレベルじゃないか」
甜菜砂糖に続き、今回の五種はどれも革命的な価値を持っている。
その扱いを間違えれば、領地どころか王国全体が混乱する可能性があった。
そんな中、フィリアは商人ラットを呼び出す。
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■商人グラットへの確認
夜遅くにもかかわらず、ラットは息を切らせてやってきた。
「フィ、フィリア様!急ぎと聞きましたが、何事で?」
「お願いがあるんだ。この五つの植物……どこで買った?そして“どこにでも手に入るもの”なのか、教えてほしい」
ラットは困ったように頭をかく。
「ええと……金露の木と赤花コショウは雑木市や装飾植物として、よそでも売ってましたね。珍しくはありますが、探せば手に入ります。ですが、青天麦と銀光豆と蒼霧草は……正直、他の商人は見向きもしないような“安い混ぜ物籠”に入ってた雑草みたいなものでして」
つまり――
◎①金露の木、④赤花コショウ
→ “入手は可能”。広く流通すると競争になる。
◎②青天麦、③銀光豆、⑤蒼霧草
→ “流通していない”。国全体の価値を大きく変える可能性あり。
フィリアは深くうなずいた。
「……ありがとう、ラット。これで決断できた」
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■フィリア、重大決断へ
フィリアは文官と封緘使を集め、次のように指示した。
■①金露の木 & ④赤花コショウ
→ “領地の産業として優遇措置を求める”
「これは領地の産業基盤を作る。王様に『領内での独占栽培・加工の優遇』を願い出るべきだね」
甘味料とスパイスは、国の商業価値を大きく塗り替える。
扱いによっては領地の財源の柱になる――ただし誰でも扱える状況ではマズい。
■②青天麦 & ③銀光豆 & ⑤蒼霧草
→ “国家レベルの戦略資源として王都の研究所へ共有”
「……これは私の手には余る。国全体を豊かにする資源だよ」
封緘使は黙って頷く。
「フィリア様……この判断は、王国史に残るかもしれません」
フィリアは笑う。
「そんな大層なものじゃないよ。飢える人を減らしたいだけだ」
■王都への書簡を作成
その夜、文官たちは徹夜で書簡をまとめた。
・宝植物のデータ
・用途
・危険性(独占や密売の恐れ)
・今後の展望
・国との協力を求める理由
封緘使は深々と頭を下げた。
「フィリア様、この判断……国から感謝されるでしょう」
「評価なんてどうでもいい。大切なのは、この国がもっと良くなることだよ」
■書簡を送る最後の直前、フィリアは追加指示を出す
「青天麦、銀光豆、蒼霧草……この三つ、種子の“原本確保”だけはここでやるからね」
「はい!国家規模に広げる前の基準標本として保管します!」
国家が扱う前の“純正種”として、領地で保管しておく必要があるのだ。
■翌朝――王都への使者が出発!
まだ朝靄の残る領地を、封緘使二人を乗せた馬車が出発する。
「王都に着き次第、研究所へ直行します!」
「頼んだよ、みんな。国を変えるのは……今だ!」
フィリアは馬車が見えなくなるまで見送った。
■そして、領内では更なる混乱が発生する……
「フィリア様!人口調査の preliminary(予備集計)が出ました!」
文官が蒼白な顔で紙を差し出す。
「……え、えーー」
そこには――
【領内人口:前月比 2.6倍】
と記されていた。
「……ど、どうやって生活させればいいんだ……?」
フィリアは早くも頭を抱えることになる。
だがこれは、“大領地化”の始まりに過ぎなかった。




