講師たち、衝撃の自己紹介! そしてじいじと元王立騎士の“食い違う思い出”事件!!
寺子屋の講師として仮採用した3名に、正式な紹介をしてもらうことになった。
広場にはティロ、ミュネ、封緘使、ルード、じいじ、そして領民がぞろぞろと集まっている。
私
「それじゃあ、講師のみんな! 自己紹介をお願いしまーす!」
◆ ◆ ◆
■1人目──“首切りウサギ”の異名を持つ元王立騎士
名前:ラヴィア・ノール
ドスッ……と戦士らしい足音で前に出てくる白髪ショートの美女。
ラヴィア
「ラヴィア・ノール。元王立騎士団第三隊、近接戦腕利き部隊所属だ。子ども相手でも手加減はしない。強くするつもりだから、覚悟しておけ」
ティロ
「名前からして強そう……!!」
ミュネ
「姫様より怖いにゃ……!」
ラヴィアが一歩下がったその瞬間――
じいじ
「……ん? ラヴィア……ノール? お主、もしや……」
ラヴィア
「……まさか、アルト隊長……?」
じいじ
「やっぱりか!! わしの部下だったラヴィアじゃ!!」
私
「え、部下!?」
ミュネ
「じいじ、昔は凄かったんだにゃ……!」
ラヴィアは懐かしそうに笑った。
ラヴィア
「見習い騎士だった頃、アルト隊長の下で……色々、鍛えられました」
じいじ
「うむうむ、懐かしいのぅ! あの“二週間の野営訓練”!皆で協力し合って魔物を狩り、うまい肉を焼いて食べたよなぁ!」
ラヴィア
「えっ? 隊長……あれ、“隊長が補給の手配を忘れたせいで”、食料が尽きて魔物狩りしか選択肢がなかっただけでは?」
じいじ
「な、なんと!? わしは皆で仲良くバーベキューした記憶じゃが……」
ラヴィア
「その後、怪しいキノコを選んで全員お腹を壊したのも……隊長が“食べられそう”と言ったからですよ?」
ティロ
「じいじの黒歴史ーーー!!」
ミュネ
「姫様のじいじ、やっぱりポンコツだったにゃ!」
じいじ
「ぐぬぬ……!」
さらにラヴィアはぽつり。
ラヴィア
「あと……あれですね。野営三日目、仲間が一人迷子になった件」
じいじ
「そうじゃそうじゃ! わしは必死に皆を探して……感動の再会をしたのぅ!」
ラヴィア
「……ちがいます。
迷子になったのは隊長です。
隊長が勝手に“偵察に行ってくる”と森へ突っ込み、行方不明に。
私たちが七日間、涙目で探し回ったんですよ……!」
全員
「「じいじィィィィ!!」」
じいじ
「えぇぇぇ……わしの記憶と違う……!」
封緘使
「アルト殿……記憶改ざんの術でもかかってるのですかな……」
私
「じいじ……ちゃんと生きて帰ってきてよかったね……」
◆ ◆ ◆
■2人目──無が気力なのに魔力量だけ規格外
名前:セレス・フォルド
セレス
「……ぼくは、セレス・フォルド。魔導学園落第。でも魔力量だけは多いらしい。……以上」
ミュネ
「短っ!!」
封緘使
「落第と言っても、魔力量は高位魔導士級……問題は暴発癖だが」
セレス
「暴発は……まぁ、するよ」
私
「しないようにしようね!?」
ティロ
「これは……不安しかない……!」
◆ ◆ ◆
■3人目──文字計算は完璧、性格は完璧にひねくれ
名前:イリヤ・クローヴェル
イリヤ
「私はイリヤ・クローヴェル。神官見習いまで進んだが、性格面で“向いていない”と言われ辞職した。子どもは好きだが、バカは嫌い。教育には厳しさが必要だ」
私
「厳しすぎなければ……よろしくお願いします!」
イリヤ
「努力する子は甘やかす。努力しない子は……考える」
封緘使
「そこを“落とす”にしないでくれ……」
ティロ
「やっぱ癖が強い!!」
ミュネ
「全員まとめて大丈夫にゃ……?」
◆ ◆ ◆
私は深呼吸して、にっこり笑った。
「みんな、来てくれてありがとう!これからこの領地の未来を――子どもたちを、一緒に育てていこうね!」
ラヴィア
「任せてくれ」
セレス
「まぁ……やれる範囲で」
イリヤ
「優秀な子が育つなら悪くない」
ルード
「……姫様、これ本当に大丈夫なので?」
封緘使
「癖はあるが、実績は本物。むしろ期待できるやもしれぬ」
じいじ
「わ、わしの“美しい思い出”はどこへ……」
ミュネ
「じいじだけ現実見てるにゃ!」
ティロ
「これは寺子屋……波乱の予感しかしない……!」
◆ ◆ ◆
こうして――
曲者だらけの講師陣が正式に集結し、寺子屋計画は本格的に動き出した。




