甜菜が開く“甘い革命”
──極秘工房と大規模菜園計画始動!**
2×4(ツーバイフォー)工法による家づくりはまさに“爆速”だった。
乾燥済みの規格角材を現場まで運び、
決まった番号の通りに壁を組み、
穴に嵌めて、釘を打てば――
「完成です!!」
「早い! もう一軒建ったの!?」
ティロが叫び、ミュネがしっぽを震わせる。
だが。
ルード
「姫様……申し上げにくいのですが……まだ100軒足りません!!」
ティロ
「人、来すぎぃぃ!!」
封緘使
「……まあ、これだけの産業が動きはじめたのだ。この程度の人口増は想定の範囲内だ」
私
「でも、家の建設が追いつかないのは困るよね……そこで次は――“生活維持の基盤”を作らなきゃ!」
ミュネ
「食べ物が無いと、みんな倒れちゃうにゃ!」
そう。
人が増えるということは――
◆ 食糧の増産
◆ 物流の整備
◆ 加工場の建設
これらが急務になる。
とくに私は、ずっと作りたかった“ある物”があった。
――砂糖。
甜菜から取れる、甘くて貴重な宝。
今日、私はついにじいじへ宣言した。
「じいじ! 甜菜から砂糖を作る“極秘作業場”を建てたい!」
じいじ
「……ふむ。やはり、そこに目を付けたか」
ティロ
「さ、砂糖の工房ですか!?」
ミュネ
「お菓子作れるのにゃ!?」
ルードも身を乗り出す。
「甘味は貴族の必需……もし常時供給できれば、領の財政は桁違いになりますぞ!」
封緘使だけは眉を寄せていた。
「しかし姫様……砂糖は国が管理しておる“戦略資材”。扱いを誤れば、他領が騒ぎ出す。
どうやって人材を集めるつもりだ?」
私はニヤッと笑う。
「だから“極秘工房”なの。甜菜農家として募集して、加工場は“立ち入り制限区域”にしまーす」
ティロ
「えっ、そんなに大掛かりに……!?」
ミュネ
「甘味は……極秘……!? にゃんかかっこいい!」
ルード
「姫様、甜菜の種もそろそろ収穫できます。
次の段階は“大規模菜園”の造成ですね!」
◆ ◆ ◆
私はみんなを菜園予定地へ案内した。
ここは、土地が広く日当たり良好。
新しく来た農家や牧畜家たちもぞろぞろと集まる。
「姫様ー! 甜菜はどこに植えれば良いですか!?」
「水場はこの辺りでしょうか!」
「家畜との兼ね合いは!?」
どこもかしこも声だらけ。
私は胸を張って宣言する。
「この区画をぜーんぶ! 甜菜畑にします!!
二年で“甘味の街”を目指します!!」
農家たち
「おおおおおぉぉ!!」
ティロ
「甘味の……街!?」
ミュネ
「にゃにゃにゃ……絶対人気出るやつだにゃ!」
封緘使は目を閉じ、静かに言った。
「……姫様。砂糖事業は、領の命運を左右するほどの力があります。だからこそ、慎重に、しかし大胆に。守秘と管理を徹底しましょう」
私
「もちろん! 人の選抜も厳選するよ!」
ルード
「甜菜の一次選抜は農家組、加工はごく少数の信頼できる者に……完全分業制にしましょう!」
じいじ
「ふむ。よく考えておる。よし、甜菜工房――建設を許可しよう」
私は思わず飛び跳ねた。
「ありがとう!!」
◆ ◆ ◆
工房建設班が動きはじめ、農家が土地を耕し、移住者の子どもたちが笑いながら種を運ぶ。
その中央で、私は決意する。
(砂糖があれば――保存食も、お菓子も、薬も作れる)
(砂糖は、文明を一段階押し上げる“本物の革命”だ)
封緘使が隣でつぶやいた。
「姫様の領地は……どこまで行くのか、楽しみで仕方ない」
私は笑った。
「2歳だし! これからでしょ!」
ティロ
「2歳の言葉じゃない……!」
ミュネ
「姫様、恐ろしい子……!」
こうして――
木工、住宅、農業、そして“甘味革命”。
領地はさらに新しい産業へ走り出していく。




