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名家の末娘に転生したので、家族と猫メイドに愛されながら領内を豊かにします!  作者:
守る仕組み

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王都で揺れる玉座“新しすぎる領地”からの報告と王の苦悩

王都・王城。

昼下がりの政務室に、重い扉がギィ……と開く。


執務机に座る国王は、書類に目を通していたが、入ってきた使者の顔を見るや否や、思わず眉をひそめた。


「……またお前か、封緘使」


封緘使は深く礼をし、重厚な革袋を机の上に置いた。


「領地より“最新の報告”をお届けに参りました」


国王は露骨にげんなりした顔をする。


「……最近、お前が来るたびに新しい“問題”が増えるのだが」


封緘使は苦笑しつつ中身を取り出す。


「では、まず第一に。姫様が提唱された規格木材による迅速建築方式が、すでに領で稼働しつつあります」


国王

「……え? あの、木材を同じ寸法に切って積むとかいう……?」


封緘使

「ええ。あれが恐ろしく効率的でして」


国王は数秒固まり、次に両手で顔を覆った。


「ちょっと待て。わしが若い頃、城下町を一つ作るのに何年かかったと思っておる……?」


封緘使は淡々と答える。


「姫様の工法であれば、三日で軍営、十日で小規模の拠点を建築可能です」


国王

「…………おい封緘使。それは、国家の建築基準をひっくり返す発言ではないか?」


封緘使

「私もそう思います」


国王

「思うなら少しは止めろ!!」


封緘使

「姫様のアイデアは止まりませぬ」


国王

「だろうな……!」


国王は深くため息を吐き、次の書類を見る。


そこには、領地入りした大量の職人リストと、住民増加の報告。


「木工師、大工、製材師、左官、屋根職人……数十名単位で流れ込んでおると……?」


封緘使

「土地無償提供が響きましてな。“職能を持つ者には広い土地”という条件に、王都の余剰職人が殺到しました」


国王

「……じいじか。あの老人、また大胆なことを……!」


封緘使

「土地は余っておりますので。むしろ有効活用です」


国王

「待て待て待て。土地をホイホイ配る領主がどこにおる!?」


封緘使

「姫様のじいじ殿です」


国王

「……知ってた。」


国王は机に額を押し付けた。


「はぁぁ……また議会で突っつかれる……

“土地を勝手にばらまくな”と。

“急激な人口流入を放置するな”と……

“なぜあの辺境だけ爆速で発展しているのだ”と……!」


封緘使

「王よ。私の見解を述べても?」


国王

「……何だ」


封緘使

「私はあの領地に、国家の未来が集まりつつあると感じております。これまでの常識を覆す“最初の灯火”です。」


国王は顔を上げ、じっと封緘使を見る。

封緘使の目は真剣だった。


「姫様の発想は、時に危険であり、時に革命的。我ら古い世代が思いつかぬ発想ばかり。

ですが――私は久々に胸が熱くなりました」


国王

「……お前が? あの百戦錬磨のお前がか?」


封緘使

「はい。本来なら今回の任務で引退するつもりでしたが……思わず“最後まで見たい”と思わせる領地です」


少しの沈黙。


そして国王は、椅子に深く背を預けた。


「……お前がそこまで言うなら、わしは口を挟まぬ。土地提供も、職人受け入れも、2×4工法も……全部、黙認しよう」


封緘使が頭を下げる。


「感謝いたします」


国王

「ただし――姫様には、一応“国としての注意事項”は伝えておけ」


封緘使

「畏まりました。姫様はたぶん、聞きませんが」


国王

「だよな!!!!」



封緘使が部屋を出たあと、王は独り言のように呟いた。


「……次から次へと新しい物を作る領地か。

まるで“第二の王都”が生まれるようだな……」


彼の顔には、不安と――ほんの少しの期待が浮かんでいた。

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