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名家の末娘に転生したので、家族と猫メイドに愛されながら領内を豊かにします!  作者:
守る仕組み

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34/105

家畜と金欠と封緘使の財布──そして降ってきた“開発祝金”!

封緘使が到着した翌日。


私たちは調理場で――

重大な事実 に気づいてしまった。


「ティロ、最初のスイーツは何を作りたい?」


「そうですね……簡単で、姫様や奥様でも成功率の高い……“ホットケーキ”なんてどうでしょう!?」


「いいわね!材料は……小麦と砂糖はあるし……」


……そこで、ティロが固まった。


「姫様……卵は?」


「あ」


ミュネ「……にゃ」


ティロ「牛乳は……?」


「……」


ミュネ「……にゃ……」


ティロ「…………バターは?」


(存在すらしてないよ!!)


封緘使たちも顔を見合わせた。


「ま、まさか……卵と乳製品が……この領地には?」


ルードが苦しそうに頷く。


「……ありません」


封緘使

「(小声)ここまで原始的とは……いや透明樹液板作ってるのに、なんで……?」


まさに領地の“文明バランスの謎”。


■ ■ 家畜導入作戦、始動!


「となると……鶏と牛を手配しないと……」


「飼育小屋、牧場、世話係も必要だにゃ……」


ティロが両手を上げる。


「卵が無いとプリンもケーキも作れません!!牛乳が無いとアイスどころかバターも!!」


「う……うん……わかってる……」


思考が止まりかけたとき――

ルードが衝撃の事実を告げた。


「姫様……その、肝心のお金が……」


「……?」


「金庫に、金貨が……二枚しかありません」


副文官「銅貨は十枚……」


封緘使

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」


文官たち

「いや、本当に……何も無くて……」


ティロ

「こ、この状態でスイーツ革命を……!?」


封緘使の一人が頭を抱えた。


「家畜の購入、飼育者の雇用、施設建設……全部金がかかる。どうするのかと思えば……これとは……!」


ルードが肩を落とす。


「……誇りも何もありませんが……領地財政は常に火の車でして……」


(これは……やばい……!)


■ ■ その時――封緘使の一人が静かに立ち上がった


「…………仕方ない」


ジャラッ。


私と文官たち

「……え?」


封緘使は懐から袋を取り出し、机にドンッと置いた。


「私の……ポケットマネーを使いなさい」


全員

「!?!?!?!?」


ルード

「そ、そんな……国家の使者が個人的に援助など……!」


封緘使は冷静だった。


「砂糖と透明樹液板は、王家にとって国策級の発見。鶏や牛の数頭ごときで研究が止まるほうが損失だ」


(この人……冷静に見えて、めちゃくちゃ理解ある……!)


封緘使は指を折って計算を始める。


「鶏二十、牛五、飼育者の雇用三ヶ月分……施設の修繕費……このくらいで十分だろう」


ティロ

「すごい……!ありがとうございます!!」


ミュネ

「ひ、姫様……この領地……国家の財布で生きてるにゃ……?」


(違う意味で国家機密になってきたんだけど……!?)


■ ■ しかし――その日の午後


執務室の扉が叩かれる。


「姫様ぁぁぁーー!!」


文官が封筒を抱えて駆け込んできた。


「王家から追加の書状です!!」


「まさか……また何か?」


封を開くと、中には重く分厚い袋。


【開発祝金・二百金貨】

【新産業育成支援金・百五十金貨】

【玩具産業育成・五十金貨】


合計――四百金貨!


ルード

「ひ、姫様ぁぁっ!!ついに……!ついに領地にお金が……!!」


文官たち涙ぼろぼろ。


封緘使

「……助かった……私の財布も死ぬところだった」


ティロ

「これで……これでスイーツ作れますねっ!!」


(よかった……!お金の問題、ひと段落!)


■ ■ そして問題は次へ──


ルードが書類をまとめながら呟く。


「姫様……量産体制の話なのですが……」


「透明樹液板の工房、薪生産の規模拡張、おもちゃ作り……どれも職人が来ていません」


「……あっ」


ミュネ

「そ、そもそも……この領地の総人口って何人なんですかにゃ?」


ティロ

「確かに……職人どころか、農民さんも見かけない……?」


封緘使

「重要問題だな。人口が少ないと、産業拡張どころか自給自足も危うい」


ルードが重い口を開く。


「姫様……この領地の人口は……わずか二百六十人です」


……静寂。


ミュネ

「にゃ……にゃにゃにゃにゃ!?!?」


ティロ

「村規模じゃないですか!!」


封緘使

「あの透明樹液板をこの人数で!?逆にどうやって今まで回ってたんだ!?」


「……え、えっと……これから増やしていけばいい……よね……?」


文官と封緘使たちが一斉にため息。


「姫様……領地再建は……ここからが本番です……!」


こうして、

金欠 → 封緘使の財布救出 → 開発祝金 → しかし人口問題発覚

という怒涛の展開を経て――


領地はようやく“産業拡大編”に踏み込むことになるのだった。

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