表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名家の末娘に転生したので、家族と猫メイドに愛されながら領内を豊かにします!  作者:
守る仕組み

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/105

とりあえず作ってみればいいじゃない!

派遣文官三名と木工師のボルドさん、そして祖父と私。

ベトベトの木の加工場予定地に集まった私たちは、並べられた木製サンプル群を前に頭を抱えていた。


「……正直なところ、これを領外で売るのは難しい気がしますね」


と文官リーダーのルードさんが木の皿をひっくり返しながら言う。


「でしょうねぇ……この世界にも普通にありますものね、木皿って」


私も苦笑い。


最初の試作品として「木製の皿」「スプーン」「フォーク」「ナイフ」「コップ」を作ってみたものの、既視感ありすぎて“新商品”というより“量産品”だ。


「領内で多少は売れるかもしれませんが、王都では厳しいですね」


「うむ、儂らの村じゃ便利じゃと思うんじゃがなぁ」


祖父がぼやくが、需要と市場はまた別問題だ。


そもそも私、この世界の生活事情をほとんど知らないのだ。転生者なのに知識が生かせていない。前世はただの会社員だったし。


「……なら、逆に色々作って文官さん達に見てもらう方向はどうです?」


私は腕を組んで言った。


「ここにいる文官さん達って、なんだかんだ物知りじゃないですか。王都で流行りの物とか詳しいし!」


「確かに、幅広く見せてもらえるのは助かります」


「それに、ここから応用の可能性も見えるかもしれない」


文官たちが頷く。


よし、なら――。


「木製限定に囚われなくてもいいですよね。積木、木のパズル、木馬、木製カルタ……子ども向け玩具とか!」


「玩具は意外と需要があるかもしれませんな」


「特に安全な木製なら貴族層が好みそうです」


文官の反応も悪くない。


「あと……学用品もありかしら」


前世の記憶を辿る。


「定規、三角定規、分度器、コンパス……あとは筆箱、鉛筆……鉛筆って木工品でいいよね? あ、芯の部分は炭を固めたやつで代用できないかな?」


「芯……ですか? あ、煤を粘土で練り固める手法は聞いたことがあります」


「なんとかなりそうじゃのう」


祖父が楽しげに頷く。



「まあそこは“無理なら無理でいい”くらいの軽い気持ちで!今は方向性探しの時期だし、出来る範囲で試してみましょう!」


「おお、前向きですな姫様!」


「うむ、その心意気、儂は好きじゃぞ!」


なんか勢いづいてしまった。


しかし、ここで重要なことを忘れてはいけない。――“全部”私の特殊能力でやってしまうのはダメ。


私がアイテムボックスで高速加工すれば、確かに作れる。だけど、それをしてしまうと──。


(私がいなくなったら終わる……)


領地の未来が“私の能力依存”になるのは絶対に避けたい。だから決めた。


「試作品だけ私がアイテムボックスで作ります。量産は従来のやり方でお願いします」


みんなに宣言する。


「姫様……それはつまり……?」


「目安になる“完成品”だけを姫様が示し、職人たちに続きの工程を任せる、と」


「そうすれば依存は避けられるし、方向性も明確になりますね!」


「そういうことです!」


私が胸を張ると、場の空気が一気に明るくなった。


「ただ……それでも人手不足は深刻ですね」


「そこは文官さんにお願いしたいです!」


「はい?」


文官3名が揃ってこちらを見る。


「王都とかで“若手の木工師”を探してもらえませんか?ほら、修行先を探してる子とか、職が見つからない人とか。そういう人達を短期でも派遣してもらいたいんです!」


「なるほど……人材育成と雇用創出も兼ねる、と」


「姫様……想像以上に領主ムーブが上手い……!」


「任せてください。我々も面子にかけて協力いたします!」


こうして、私たちは“とりあえず全部作ってみる作戦”に動き出した。玩具も、学用品も、木工品も、全部まとめて試作!


新しい商品が産まれるかどうかは、まだわからない。だけど――。

やってみなきゃ始まらないよね!


こうして賑やかな試作の日々が幕を開けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ