帰り道ははずれかぶ大回収ツアー! 商人オットーの本領、ついに発揮!
王都市場の喧騒を背に、私たちは帰路についた。
目的はただ一つ。
“はずれかぶ=甜菜をできるだけ拾って帰ること!”
しかし文官たちでは目立ちすぎる。
そこで――この男の出番だ。
「任せてくださいよ、嬢ちゃん!はずれかぶ仕入れツアー、開幕っす!」
そう、商人オットー。
王都での控えめな姿からは想像できないほど、イキイキしていた。
■最初の村「はずれかぶ? いらんいらん!」
街道沿いの小さな村に立ち寄ると、農家のおばさんが嫌そうな顔をした。
「はずれかぶ? あんなもん家畜も食べんよ。持っていくならタダでええ!」
「ありがとうございます!」
と、母上が頭を下げるが――オットーは違う。
「いえいえ、お代は……要りませんね!これは引き取り料としていただくやつです!」
「なんでやねん!」
村人総ツッコミ。だが最終的には、山ほどある“はずれかぶの山”を手に入れた。
■次の村「苗? あぁ、あるよあるよ!」
別の村では農夫がぼそりと言った。
「はずれかぶの苗なら、畑の隅に勝手に生えてくるぞ?」
「え、勝手に?」
「勝手に」
(雑すぎる……!でも助かる!)
苗も大量に譲ってもらえた。
ただし――
「これ……はずれかぶの苗……?」
「ん? それはタマネギの苗だな」
オットー!
ちゃんと見るんだ!!
■ドタバタ苗選別タイム
そんな中、私のアイテムボックスが――
ぴかぁぁぁぁぁん……
と光った。
「わわっ!? また光った!?」
オットーがひっくり返り、母上が目を丸くする。
私の手の中には“苗”が一本。そしてアイテムボックスがまた光る。
「……これ、甜菜(=はずれかぶ)の苗ってこと?」
「リオナ……あなた、判別できるの?」
「うむ、それは助かる!なにせワシらには全く区別がつかん!」
じいじ、早口である。
そこからは――
私が苗に触れる
→ アイテムボックスが光る
→ 甜菜確定!
という “甜菜スカウター方式” が完成した。
(ありがとうアイテムボックス……!)
■帰り道の村々で“甜菜候補”を根こそぎ確保
文官の指示で、オットーが外見上普通の商取引のように振る舞う。
「いらない“はずれかぶ”や苗を仕入れたいんですが」
農家「どんどん持ってけ!」
農家「むしろ捨ててくれ!」
農家「助かるわ〜!」
どの村もこの調子。
(……甜菜ってそんなに嫌われてたの!?)
結局、帰り道で得た成果は……
・はずれかぶ(原材料)→ ふた樽分
・はずれかぶ苗 → 数百本
・紛れ込んだよく分からない苗 → その何倍も
ただし、私の“スカウト判定”で
甜菜候補苗は約80本を確保!
■ついに、アルトレイド領へ帰還!
「ふぅー……帰ってきたねぇ」
母上がほっと息を吐く。
じいじは腕を組み、
「よし! 甜菜の畑、ワシが耕すぞ!」
「じいじは休んでて!」
全員総ツッコミ。
ただ、領地の門の前では――
すでに派遣された 文官3名が整列して待っていた。
文官A
「お帰りなさいませ!甜菜苗の確保、感謝いたします!」
文官B
「畑の準備は完了しております!」
文官C
「いつでも育成可能です!」
(仕事早っっ!?)
こうして、帰り道の大収集ツアーは幕を閉じた。
次はいよいよ――
甜菜栽培、開始!!
その瞬間が迫っていた。




