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名家の末娘に転生したので、家族と猫メイドに愛されながら領内を豊かにします!  作者:
守る仕組み

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王都観光と、夜なべの甜菜糖づくり

王都に入る門が見えたとき、私は思わず両手を振り上げた。


「おぉ〜!!! おっきい〜!!」


前世でいうところの城壁都市。テレビやゲームで見たような光景が、実物として目の前に広がっているのだ。


オットーの馬車が門をくぐると、石畳の道。

両脇には、各地から集まった商人の店や屋台。華やかな服を着た人々が行き交い、香辛料の匂いが風に混じる。


母上が目を輝かせる。


「相変わらず活気のある街ですね……さすが王都です」


じいじは懐かしむように頷いた。


「うむ。わしが騎士団長だった頃は、もっとゴチャゴチャしとったが……ふむ、今は綺麗に整備されておるわい」


いや、それ言うの何十年前の話よ……?

と心の中でツッコミを入れつつ、私はワクワクが止まらない。


王様に会えるのは数日後!?


宿に到着した際、じいじが宿の主人に尋ねた。


「国王陛下に面会を申し込みたいのだが、儂の名を伝えれば――」


宿主人「き、きききき騎士団長様!? ですが現在、陛下は春祭り準備でご多忙でして……ご面会は二〜三日後になるかと……!」


じいじ「ほう。まあ、よかろう。それにわしは元じゃ!あやつは忙しい男だでな」


(じいじの友達というより、普通に“元重要人物”扱いでは?)


でもそのおかげで、数日は王都観光ができることが決まった。


観光 DAY!市場は宝の山!


翌日。私たちは王都最大の市場へ向かった。

活気の凄まじさは、田舎町とは比べ物にならない。


「焼き鳥ー! 焼き鳥はいかがだよー!」

「南の国の香辛料だよ! 香りを試してってくれ!」


香り、色、素材。

見慣れない食材や珍しい道具ばかりで私は完全に観光客モード。


(わぁ……この世界、たぶん“砂糖”の文化が弱い……!ということは、甜菜糖が成功すれば……勝てる!)


母上は真剣に商品を見比べて値段をメモしている。


「加工品……やはり高いですね。全て原料より2倍以上します」


じいじは串焼きを三本同時に食べている。


「うまいぞこれ! おぬしらも食べるか?」


市場での情報収集の中で分かったことは――


・甘味は基本的に高級品

・蜂蜜が主流

・砂糖は交易品でめちゃくちゃ高い


つまり甜菜糖が本当に作れたら……

領地の経済は一気に跳ねる可能性がある。


私は決意を固めた。


(よし、今日の夜……絶対に実験する!)


夜、宿の台所を借りて甜菜糖づくり開始!


宿屋のおかみさんにお願いする。


「……あの、これ、ちょっとだけ……煮たいです……」


ゴツゴツした“はずれかぶ(甜菜)”を見せると、


「あらまぁ、そんな不味いもんを……? 煮ても食べられないわよ?」


と言われたけど、温かく台所を貸してくれた。母上は鍋の番をしながらため息。


「本当にこれで何か出来るのですか……?」


「できる!……たぶん」


じいじは既に酒を飲んで出来上がってる。


「おぉ、なんでもやってみるのが若さじゃ!」


(若さ……? 私、実年齢アラサーなんですけど……)


甜菜を刻み、煮込み、水分を飛ばし……

途中までは前世の知識で覚えている。

鍋の中に白い泡が浮き、甘いような土っぽいような香りが立ち上がる。


母上「……少し甘い香りがしてきましたね?」


私「でしょでしょ!? これ絶対イケるやつ!!」


ただし問題がひとつ。


(分量とか温度とか全然覚えてない……!!)


そのため台所はほぼ実験室状態。おかみさんは苦笑しつつ見守ってくれている。


そして―― 一時間後。


鍋の底に、薄い茶色のザラッとした結晶が固まった。


「……これって……」


オットーが恐る恐る指先で少し舐める。


「……甘い……!? いや、かなり甘いぞ!? なんだこれは!?」


母上が目を見開き、


じいじは酒を置いて叫んだ。


「おおお!? これは……蜂蜜とは違う甘さじゃ!?」


私はガッツポーズ。


(よし……甜菜糖、成功!! ……っぽい!)


精製したてだから雑味はあるけど、それでも“甘味”として十分価値がある。


これが安定して作れるようになれば――

領地の経済は一気に変わる。


わたし、決めた。


「……これ、領地の産業にしよう!」


母上とオットーは顔を見合わせた。


「製法が完成すれば……確かに、革命的ですわね」


「砂糖をこの国で作れるなんて、聞いたことがない……!」


じいじはにやりと笑う。


「王に会ったら、まずこれを見せるとよい。きっと驚くぞ?」


私は胸を張って宣言した。


「よーし! 王様に甜菜糖の“プレ発表”をする!!」


甘味革命の幕開けである。

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