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名家の末娘に転生したので、家族と猫メイドに愛されながら領内を豊かにします!  作者:
守る仕組み

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新たな産業の種は道端に転がっている

領地の開拓が始まってから、あっという間に一年が過ぎた。私はハイハイからトコトコ歩きまで進化し、簡単な言葉なら話せるようになった。家族からは「天才だ!」と持ち上げられているけれど、いやいや……前世の記憶あるしね? と、心の中でツッコミを入れている。

そんな我が家・いや領地にも問題が山積みだ。

農業は少しずつ形にはなってきたけれど、収穫物の価値が低すぎる。輸出しても儲けは微々たるもの。やっぱり加工や独自商品が必要なんだけど――。


今ある産業といえば、


・国管理の塩(利益は薄い)

・厄介者の「ベトベトの木」から作る接着剤(需要は低い)


……いや、詰んでない? と本気で思っている。

そんな不安を抱える中、領地に出入りする行商人オットーが提案してくれた。


「王都で最新の産業動向を見てみちゃどうです? そろそろ春祭りもありますし、情報も集めやすいですよ」


天才的タイミングである。


そこで、王都行きが決定した。

同行メンバーは、


・じいじ(元騎士団長で王様のマブダチ)

・母上(交渉と金銭管理担当)

・商人オットー(馬車提供)

・そして幼女の私は荷物扱い(?)


父上と兄は領地の留守番組だ。


王都への道中


行商人オットーの馬車に揺られながら、私は周囲の景色に目を輝かせていた。

草原、野花、遠くには森。前世では車の窓から眺めていた景色と違い、風の匂いがダイレクトに来る。


「おお、これぞ異世界旅って感じー!」


と内心浮かれる幼児(中身アラサー)。

途中の中規模の宿場町に立ち寄った時のことだった。

商人たちが集まる小さな市場で、私は一つの野菜に目を奪われた。


紫がかった赤いカブ。

表面はゴツゴツ。

正直あまり美味しそうではない。

地元の子供たちは「はずれかぶ」「苦い」「固い」と文句を言っている。


だが、私はそれを見て固まった。


(……甜菜じゃない? え、砂糖の原料の――甜菜??)


前世で北海道のお土産で「甜菜糖」を見た記憶が蘇る。

まさか、この世界で砂糖の原材料をここで発見してしまうとは……!


屋台のおじさんに声をかけると、


「嬢ちゃん、これ持ってくか? 不味いからタダだタダ!」


と、本当に無料でくれた。

需要なさすぎて逆に気の毒になるレベル。

私は心の中でガッツポーズを決めた。


(これだ。これ、絶対に砂糖取れる。

いや取れなかったら泣くけど……でも甜菜の形してる!)


王都に着いたら、加工方法を何となくしか思えてないから実験するしかないかな?


じいじと王都の話


馬車に戻ると、じいじは微笑みながら言った。


「王都ではわしが案内しよう。国王陛下とも久しぶりに酒を酌み交わしたいしな」


……ん?


え、今、さらっと言ったけど。


「じいじ……王様とお友達なの?」


「うむ。若い頃、共に無茶をした仲じゃ。

あやつが王になり、わしが騎士団長になった。まあ、わしの方が酒は強いがな!」


母上が呆れたようにツッコミを入れる。


「お義父様、その話、初耳ですよ。もっと早く言ってくださいません?」


じいじは胸を張って笑った。


「言う必要あるか? 別に友達じゃ」


いや、大ありだよ!

これ、絶対に領地運営に影響するやつじゃん!

私の内心とは裏腹に、馬車の中はほのぼのムードが漂っていた。


そして、王都へ


甜菜(仮)という希望の種を手に入れ、じいじの「王様マブダチ」という謎の強力カードを手にし、私たち一行は王都へと向かう。


産業促進と新商品の開発――その第一歩が、今動き出した。

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