ローガル家、ついに“普通の領地運営”を覚える!……かと思いきや?
家族会議から数日後。
決まったはずの“計画的に進めるローガル家”は――問題は本当に機能するのか?
(……正直、私は半信半疑である。)
そんな不安を胸に、母様に抱かれながら畑の視察へ。
◆畑エリア
領民たちが畑に集まっていた。
「よーし、今日は芋畑をみんなで耕すぞー!」
「昨日はかぶ畑だったから、今日はこっちね!」
(あれ? ちゃんとスケジュール守ってる……!?)
ミュネが胸を張る。
「フィリア様!計画表を作ったですにゃ!
“今日のじいじの暴走予定”も書き込んだですにゃ!」
(予定!?)
計画表を見る。
・午前:畑の手伝い
・午後:木の伐採(※事前申請制)
・夕方:孫を愛でる時間
じいじ「ふん……暴走したくても申請書が通らんのじゃ……」
(これ完全に“暴走の管理”じゃなくて“暴走の封印”だよね?)
兄様も真面目に働いていて驚いた。
兄様「ほら、この辺は水の流れが強いから、土を盛らないとね!」
(兄様……数日前まで“また水路つくろっか?”とか言ってたのに……成長してる……!)
父様は腕を組み、しみじみと言った。
「家族会議で方向がはっきりしたおかげだな……皆、自分の役割を理解したようだ」
(うん、これは……いい感じ!)
――だが。
水路沿いから悲鳴。
「ああああッ!!水が逆流したーーー!!」
兄様「ええっ!?」
ミュネ「逆流ってなにがあったですかにゃ!?」
私は母様に抱かれたまま見に行く。
水が畑と逆方向へ流れている。
原因は――
じいじ「……その……ちょっと水路を“広げたら”こうなってしもうて……」
(じいじぃぃぃぃ!!)
父様「父上!!“勝手に弄るな禁止令”を破ったな!!」
じいじ「いや、許可を……」
母様「申請してません♡」
じいじ「むぅぅぅ!!」
(全然成長してなかった!!)
私は“じいじストップ”の魔力をぽふっと出す。
ぽふっ。
じいじ「孫が止めるなら仕方ないのぉ……」
(じいじ、“赤ちゃんに止められた”を理由にするのやめて!!)
しかし――ここで計画会議の成果が発揮された。
兄様「大丈夫!ここは昨日決めた“水路管理班”に任せよう!」
水路班の領民が走って集まる。
「ここを土嚢でふさぎます!」
「こっちは流量調整!」
「ラットさん、流れチェックお願いします!」
ラット「はいはい、任せなさい!」
(……すごい……!)
家族がやらかしても、領民たちが冷静にカバーできるようになっていた。
“フィリアに頼りすぎない”方針は、ちゃんと定着していたのだ。
父様が私を見て笑う。
「フィリア……この領地は、お前のおかげで動き始めたよ」
母様も優しく言う。
「あなたが“ちゃんと話し合おう”って言ってくれたからね」
(赤ちゃんの一言でまともになる家族……逆に怖くない?)
ミュネも尻尾を揺らす。
「フィリア様のおかげで、みんな計画的になったですにゃ!」
兄様は照れながら頭をかく。
「ぼ、僕も……少しは頼れるお兄ちゃんになれたかな」
じいじは悔しそうに言う。
「ワシは暴走できる日が減った……」
(そこは喜んで!!)
私は魔力をふわっと出した。
ぽわん。
“これからもよろしくね”の魔力。
父様たちは微笑む。
「フィリア、これからも一緒に領地を良くしていこうな」
(もちろんだよ。)
こうして――
ローガル家は、
勢いだけの領主一家から、
“ちょっとだけ計画的な一家”に進化したのであった。
(ちょっとだけ!!)




