初めてのゲーム
僕は今日、ついに近頃snsで流行っているゲームをプレイできることになった。
そのゲームは『agamei』というゲームで、『世界推理ゲーム』とも呼ばれることがある。
このゲームはVRゴーグルがついていて、そして、agameiをプレイするには『ngameo』という専用の機械が必要なのだ。
元々それは買っていたのだが、agameiが人気すぎて専用の機器が品薄状態が続いていて、抽選で買える人を選んでいる状態にある。
そんな状況の中、一昨日agameiの抽選が当たったとメールに届いていた。
このメールが届いて、見た瞬間には思わず叫んでしまった。
そして今日、その機械、ngameoが届くらしい。
今日は土曜日だから明日もゲームが出来るぞ!!今日ばっかりは仕事の事を忘れて羽を伸ばそう!
「それにしても遅いな~」
到着予定時間からもう30分は過ぎている。この運送会社、聞いたことないんだけど大丈夫かな……?悪いところだと届く前に中身を入れ替えられちゃうこととかもあるらしいからな…………。まあ、大丈夫か!
僕は、謎のまあどうにかなるだろう精神で広い心を獲得してさらに待つ。その覚悟を決めた瞬間だった!!!僕の耳には、もう聞きなれた音と共に一つの声が届く。その声は、「宅配便でーす」というものだ。…………。
キターーーーーーーーーーーー!!!
ちょっと遅いけどまあなんかトラブルでもあったんだろうな!
ああ、ワクワクしてきた。実況とかでしか見たことないけど、実際はどんな見た目してるんだろう?
取り敢えずいるという事を伝えなくちゃ!!
「今でまーーす!!」
そういった僕はハイテンションのまま玄関に出る。
そして配達員の人の服に目をやるとあまり見たことがない制服を着ていた。
マイナーな会社でも制服ってあるんだな~。
そんなことを考えながら僕は昨日寝る前に入れておいた印鑑を右ポケットから取り出し、配達員の持っていた紙に押す。
そのことを確認した配達員は荷物を渡してくる。そして少し大きめの白く、表面にagameiの本体がプリントされた段ボールを受け取る。
かっけえ!
「うえっ!!」
コレ重たっ!!
見た目のわりに重いぞ!
開封動画とかだとあんなに軽そうに持っていたのに……。
しかも配達員の前で変な声出しちゃった…………。
なんか恥ずかしいな。
そして、一応お辞儀をしておく。最低限のマナーであろう。
それに反応したのか、配達員はペコッとお辞儀して、そそくさと去っていった。
「さあ!早速開封しよう!!」
っていうか、今現在でこの機械を持っている人ってどのくらいいるんだろう?
あ、そういえばこの前見た開封動画だと、世界中で約5万人って言ってたよな?
で、今抽選で外れてる人は日本だけでも大体300万人……。
って事は今この開封動画とか出せばめちゃくちゃバズるんじゃないか⁉
「よし!準備完了!」
早速y〇utubeチャンネルを開設し、もうカメラも回している。
もう動画を取る準備は整ってる。じゃあ、早速取っていくか!!
「はい!!皆さん初めまして!!今回はこの、超人気ゲームをするための専用ゲーム機!ngameoを開封していきたいと思いまーす!!見てください!この箱!!超かっこいいですよね!!じゃあ早速開封していきたいと思います!!」
さあ、開封動画の醍醐味、開封フェーズが始まった訳だが、ここで僕の超絶テクニックが炸裂する。
その名も!!「片手撮り」!!普通の人なら脚立を買うところだが、そんなの金の無駄だぁぁぁぁ!!片手で箱を開封すれば全く問題はない!!
「おお!開けやすいですね!!っていうか、こんなに開けやすいのに運んでくる最中にあかないなんてすごいですね!!」
そんな、時間稼ぎのトークももうおわり、とうとう開封できる!
「さあ!開け終わりました!!皆さん!これ見てください!物凄くでかいですね!!えーと、分かりやすく例えると、15㎝定規を5本くらい並べたときの大きさですね!……」
「いや、分かりづらいやないか~~い!言うてね!!」
うわ、ミスった。ここはカットしておこう。
「じゃあ、早速充電していきたいと思います!!そこでですね!この機械、充電方法が特殊でして、ケーブル式じゃなくて、太陽光、もしくは強い光でしか充電できないんですよ!いや、これ知った時結構驚きましたよね!では、早速外に出して充電させていこうと思います!!」
そして、それを外に出す。だが、思いの外重い!!
これ片手は無理なんじゃないか?と思ったその瞬間、一つの考えが思い浮かんだ。
『カット』
そうだ、単調な作業はカットをする人も多くいる。しかも、外なんか写したら即家バレしそうだし。
じゃあ、これで充電が終わった後に遊んだらもう完璧だ!