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真眼

眼竜先生と私こと、本庄マリナは看護師の高田夏美に連れられて救急病棟の地下室に来ていた。


「ここに特別病室があるなんて聞いた事ないんですけど」


私の知る限りでは、地下室にあるのは、放射線を扱う検査室や霊安室ぐらいだ。そんな所に病室なんて造るのか?そう思ったので、高田に聞いてみた。


「そうですよね。普通地下室なんかに病室なんて作らないですもんね。私も知らなかったんですけど、狩野さんが入院してからできたみたいです」


「そうなんだ」


最初から変な話だと思っていたが、ここまでとは思わなかった。

特別病室はうちにもある事は知っている。主に、芸能人や政界人が利用しているのだが、気分良く過ごしてもらうために、見晴らしのいい高層階に特別病室を作っているのに地下室つくるのは、おかしい。そもそも、昏睡状態の人を特別病室に入院させる事自体変である。


「どういう事なんでしょうね?眼竜先生」


「お前はバカか?俺が知る訳ないだろ」


ムカつく返事である。


「まぁ、でも。予想はつくけどな‥‥」


そう言って眼竜先生は黙り込んでしまった。


「つきました。ここです」


扉を開け、患者に近づき、優しく声をかける看護師高田


「眼竜先生がみにきてくださいましたよ。」


「‥‥」


昏睡状態のため、もちろん返事はない。


「眼竜先生、お願いします。」


眼竜先生は患者に近づき、目を閉じた。閉じていた時間は30秒ぐらいだったと思う。


そして、ゆっくりと眼竜先生は目を開いた。


緑色にかわったのである。


1分ほどじっと患者を見つめたあと眼竜先生は大声をだしていった。


「ドアに隠れて見ているやつ!コソコソしてないで入ってこい!」


部屋の入り口から一人の男性が入ってきた。看護師の狩野である。


「狩野くん!なんでここに?」


狩野は黙っている。


「お前、この患者の兄だろ」


眼竜先生が言った。


「そうなの?狩野くん」


私は狩野に尋ねたが、彼は黙り続けている。そんな彼に眼竜先生は続けていた。


「この患者とお前は、細胞レベルで同じ構造をしてるから、恐らく兄弟だろ」


「細胞レベルってどういう事ですか?」


私は眼竜先生に尋ねた。


「そのまんまんの意味だ。狩野!俺は集中すると、人の体の中を透過させて臓器や細胞を見ることができる目を持っている。俺は真眼で呼んでるがな」


臓器や細胞を見る事ができるって、私が思っていた事があたっていた!


「狩野。こんな事言ってる俺、お前は信じるか?信じるならおれはお前の弟を起こしてやる」


「ほ、本当にそんな事できるんですか?」


「ああ、できる!俺を信じろ!」


「‥‥信じます!」


「よし、じゃあ、お前は金田の言いなりになるのを辞めれるんだな」


「なんで、それを‥‥知って」


「はぁ、バカじゃなかったら、電話に盗聴器がつけられたことぐらいわかる。そして、この病院の状況を知ったらは、大凡、検討がつくさ」


「そうですか。やっぱり、気付きますよね。先生は‥‥。お願いします。先生を信じます」


「まかせろ」


眼竜先生と狩野くんとのやりとりを聞いて、なんか、私ディスられたようなきがしたが、狩野くんの弟に免じて、まぁ、今回は許してやろう。


「それで眼竜先生。どうやって治療するんですか」


私は眼竜先生に尋ねた。


「治療?何言ってんだ?バカか?お前は」


眼竜先生の答えにイラついたが、まぁ、ここは私が大人になろう


「だって、昏睡という事は脳の損傷があるんですよね」


「ないよ。この真眼で見たけど、彼の脳は大丈夫だよ」


「はぁ?じゃあ、なんで昏睡状態なんですか?」


「まぁ、見てろって。狩野、お前、今日一日付き合え。そうすれば、理由がわかるから」


「はぁ、わかりました」


私たちは眼竜先生と一日過ごすこととなった。

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