玉突き事故
変更が加えられてから1週間が経ったが、予想通りというか、相変わらず、ドベとブービーを争っているのが、人見と眼竜である。
眼竜先生は研修で来た学生は、何も教えず、完全に無視をしているのだから、当たり前の評価なのだが、人見先生は熱心に教えて、評価を取りにいっているのに何故かブービーの評価である。
「何故だ?何故なんだ!!あんなに優しく教えているのに!」
人見は机を叩いて叫んでいた。
「人見先生…セクハラって言葉ご存知ですか?」
マリナは人見に尋ねた。
「はぁ?そんなん知っているに決まっているだろ!」
「はぁ〜。…人見先生そのうち訴えられますよ」
「どういう意味だ?」
マリナは深くため息をついた。
マリナが何故この様な事を言ったかというと、ある場面を見ていたからだ。
人見はおそらく、評価を上げるため、学生達に聴診について教えたいたのだが、教える際、そこに男性の学生がいたのにも関わらず、女性の学生を指名して実演をおこなったのである。
当然の事ながら、女子生徒は不快感のある顔をして渋々、行っていた。
マリナはセクハラをしている事に気づいていない人見を横目に眼竜に声をかけた。
「眼竜先生、このままだと人見先生に負けてしまいますよ!」
眼竜はチラッと横目でマリナを見たが何も言わなかった。
「はい。興味ないですよね〜」
眼竜先生の方に向いていた身体を自分の机の方に向けて、自分の仕事をしようとした時、ドアが開き、学生と一緒に竜崎先生が入って来た。
「はいは〜い。朝のミーティングを行います!!」
竜崎先生の元に集まる一同
「はい、じゃあ、今週から学生の皆さんの担当の先生を入れ替えますね。学生の皆さん1週間はどうでしたか?」
竜崎先生が尋ねると、学生はそれぞれ顔を見合って誰か発言するか見ていた。
「あの!」
1人の学生が手を挙げた。
「はい!どうぞ」
「はい、え〜と。私は田中 翠と言います。あの〜今週から、眼竜先生が担当してくださるんですが…学生の間で、その…」
「大丈夫!怒らないからハッキリ言って」
言いにくそうにしている学生に優しく声をかける竜崎
「はい!その…無視されて、何もしてくれないって。だから…しっかり教えてください!!」
「そうなの?眼竜先生!ちゃんと教えるように!これは命令です」
眼竜はその発言を聞くとニヤッと少し笑って、気のない返事をした。
「へいへい」
「他にある人いる?」
「…」
「じゃあ、無いようなので、始めましょう!」
竜崎先生は手を叩いて立ち去ろうとした時、館内放送が流れた
「首都高速道路で事故発生!!100台以上が絡んでいる模様。手の空いているスタッフは至急、救急救命室に来てください!!繰り返します。首都高速道路で事故発生!!100台以上が絡んでいる模様。手の空いているスタッフは至急、救急救命室に来てください!!」
「竜崎先生!指示を」
マリナは竜崎先生言った。
「ええ!眼竜先生とマリナ先生は事故現場に急いで行ってください!後のスタッフは急いで救急救命室に!学生はここで待機を」
「はい!眼竜先生、行きますよ!」
眼竜先生に声をかけた時、眼竜先生はさっき、眼竜先生に注文した学生に近づいていった。
「おい!そこのお前」
「えっ!私ですか?」
「お前、教えて欲しいんだろ。なら、教えてやるよ!ついて来な!!」
そう言い終えると白衣をなびかせながら、眼竜先生は現場に向かった。




