最悪の評価
実施を始めてから半月が経ち、中間報告がなされた。まぁ、いうまでもなく。チームワークを乱していると評価されたのは、眼竜先生である。
評価の順位は次の通りである。
一位、眼竜 二位、人見 三位、大橋 …5位
もっとも、医師達の中では、人見先生が1番み出しているのだが、評価しているのは、コメディカルスタッフであり、人見先生は、いろんなコメディカルスタッフにゴマスリをしているのである。
「眼竜先生。もっとコメディカルスタッフを大切にしてあげてくださいよ〜」
嫌味であるが、当然ながら、眼竜先生は人見の言葉を聞き流していた。もっとも、人見も人の事を言えないのだが、目的は眼竜を負かして、自分が主任になる事なので、眼竜に勝てれば、後はどうでもいいのである。
「嫌な感じだよねぇ。人見先生」
私は京子に言った。
「そうかなぁ?」
机一杯に溜まっている書類を片付けながら京子は答えた。
「だって、看護師に聞いたんだけど…この前、蜂窩織炎の患者さんに点滴する抗生剤の処方量を10倍にして処方したらしいよ。間違えに気づいた看護師が指摘したら、お金渡されて、誰にも言わないように口止めしたんだって。そんな事したった噂はひろがるのにねぇ」
「でも、噂でしょ。本当にあった話じゃ無いかもしれないじゃない」
うゎ、でたよ。京子の優等生発言。はいはい、どうせ私は捻くれ者ですよ!と思いつつ相槌をした。
「まぁ、そうだね」
京子とそんなやりとりをしてると、竜崎先生が部屋に入って来た。
「はい。みんな集まって下さい!」
竜崎先生の元に集まるスタッフ。ただし眼竜先生は除く
「系列の看護学校から、看護学生の実習の要請があり、受ける事になりました」
毎年の事なので、最初は驚きがなかったが、しかし、竜崎先生の言った一言が人見の顔色を変える事となる。
「例年は看護学生は看護師の下について実習しますが、今回は医師と看護師のセットでおないます。なので、コメディカルスタッフの評価はなかった事にします!」
評価がなかった事になる事を聞いて、驚き、顔が真っ青になっていく人見先生が質問した。
「どういう事ですか?竜崎先生!」
「先生は、チームワークが大切と言われましたよね」
「そうです!だから、チームであるコメディカルスタッフの皆さんに評価してもってるんですよ!」
「今までは、そうでした。でも、それは、本当に正確な評価ですか?」
「どういう事ですか?」
「人見先生。チームワークとは何でしょうか?」
「お互いに強力しあう事ですか?」
「そう!その通り。お互いにですね!では、コメディカルスタッフだけの評価だけで、いいと思いますか?お互いなので、それではおかしな話になりませんか?」
「それは…」
「人は公平で見ていても、関わりのある人を好き嫌いで、見てしまうものです。では、何が1番、正しい評価と言えるのか?それは…」
「それは…」
「それは…第三者の目から見て、チームワークがあるか、無いかが評価できるはず」
「確かに!」
私は竜崎先生の説明に同意した。
「そこで、第三者である看護実習生に評価してもらおうとおもいます」
「しかし…」
人見先生は否定しようとしたが、私が
「なるほど、確かにそっちの方が公平ですね!」
と言ったおかげで、人見先生は渋々納得して変更を承諾した。




