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心の乱れ

人見はランチを食べながら眼竜先生をどうやって落とし入れるか考えていた。


「無能である事を証明するか…」


これはなかなかの難題である事は、人見にもわかっていた。眼竜先生がどうやって、検査もしないで正確に診断しているかわからないが、診断能力は確かだからだ。


人見は眼竜が真眼を持っている事を知らないのである。


「もともと、病院のお荷物として扱われてた理由って、検査をしないから、病院の利益が無くなると言う事だからなぁ。眼竜の医師としての能力は高いから無能である事を証明するのかなり難しくないか?」


人見は自分の皿にあるウィンナーを刺してじっと見つめていると、看護師達の話が耳に入ってきた。


「眼竜先生、また勝手に他の先生の患者さんについて指示を出して来たのよ!」


「えっ!また?」


「まったく、何考えてるのか、わからないわ。医療ってチームワークじゃない。勝手にそんな事やられると、看護師である、私達が振り回されて、迷惑なのよねー」


「本当そう。いちいち担当の先生に伺いを立たなきゃいけないし、眼竜先生に言われたと言うと怒る先生が、多いから、如何に上手く、伝えるか考えなくちゃいけないし。やってられないわよ」


人見はガタンと席を立ち、眼竜について話していた看護師達の席に行き尋ねた


「君たち、今、話していた事ってどう言う事?」


「人見先生!?」


看護師達はバツの悪そうな顔をした。


「今言っていた事は、本当なのか?」


看護師達はお互いの顔をみて言った。


「…他の先生達には言わないでくださいよ。前に一度、問題になった事あったじゃないですか?それでも、眼竜先生は毎日、毎日、病棟を見て周り、私達に患者さんのここを注意してみて!とか検査を出した方がいいとか、言ってくるんですよ。私達だって、また問題になるのは勘弁して欲しいから、眼竜先生の名前を出さないで、上手くそれぞれの担当医に伝えてるんです。それに振り回されてしまい、私達はかなり迷惑してるんです」


それを聞いた人見は少しほくそ笑んだ。


「へ〜。まだやってるんだ。眼竜先生」


「問題になるのは嫌ですから、他の先生には絶対に言わないでくださいよ!」


「わかってるよ」


人見はいいアイデアが思いつきそうでニヤニヤしながら食堂から出て行った。


次の日の朝のミーティングの際に人見が竜崎先生に提案をしてきた。


「この科が発足してしばらく立ちましたけど、僕は思うんです。何かが足りないと、で気づいてしまったんですよ!」


「それで?」


竜崎先生が聞き返す


「この科はチームワークが足りないと言うことに!」


眼竜先生を指差し大声でいった。


「……」


恐らく、ここにいる全員が思った事だと思うだろう。人見先生が一番乱していると。


コツコツと歩き出し人見は話を続けた。


「そこで、私は考えました。今月をチームワーク強化月間としませんか?」


「いいけど、どうやってするんだ?」


竜崎先生が尋ねた。


「1週間区切りの、ポイント制にするんですよ。チームワークを乱したらマイナス1ポイント、逆に役立つ事をしたらプラス1ポイントとするんですよ。で、一番低かった人は、責任をとってもらいましょう」


「……」


「あの〜。素朴な疑問なんですが…」


京子が手を挙げ人見先生に質問をした。


「なんだ?」


「誰がそれを評価するんですか」


人見はその質問を待ってましたと言うかの様に満面の笑みで答えた。


「救急医療に関係する、医師以外のスタッフにしましょう」


「なんでその人達なのでしょうか?」


「医療というものは、多くのコメディカルスタッフに支えられています。彼らの重要性はものすごく高いでしょう。そのスタッフ達がチームワークが取れてるからどうかを判断する必要があるのではないでしょうか?」


もっともらしい意見である


「でも…」


「おや?何か不都合な事でも?」


パンと手を叩き竜崎先生が話を割って言い出した。


「はい!そこまでにしましょう。」


「チームワークは大切なのは確かです。もし、やるとしても準備やコメディカルスタッフの意見も必要です。ですから、コメディカルスタッフに意見を聞いてから決めるってのは、どうですか?」


「わかりました…」


その後、コメディカルスタッフの意見を聞いて実施される事となった。




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