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コールドノヴァ~void〜  作者: 白水豆樹
第一章 新世界
8/12

第七話 信じてたものと真実

カフカ副長の真意と奇襲






ドカーン!!!という爆発と共に

周りが砕けちっている





辺りは爆発による

砂ぼこりや火薬の焦げた匂いで

辺りを覆っている




「どういうことなんだ、、

ニコレッタとクーラー地区長は

無事なんだろうか、、?」



おれは砂ぼこりを多少吸い込み

咽ながらも二人を探すため

フラフラと辺りを見渡している




すると目の前に人影がたってみえた



俺は良かったと思いながら


話しかける



「ニコレッタ!?それともクーラー地区長ですか?!」



どちらとも返事がない



「返事をしてください!!」



そう必死に声を上げると



「ククククク、あなたは馬鹿なんですね」



この声は聞いたことがある



まさか、、



段々と砂ぼこりが晴れていき


その姿があらわになる



ヌラヌラとした動きで時折

不気味な笑みを浮かべている

第九地区 デイリー カフカ副長

がこっちを見ている



「なぜ、何故こんなことを、、?」


砂ぼこりで汚れた顔の額から

汗が垂れる


「何故か?そんなもの決まってますよ。

今の環境が世界を変えられないから

世界をひっくり返すほどの

力を持っている者につくだけの話です」



不気味な笑みを浮かべながら

俺の目の前に座り込み

その真意を話し出すカフカ副長



「あなた達は何にも分かっていない

アルハルド鉱石の恐ろしさも

その力で大切な人まで失うことも。

まるで分かっていない」



「だからってお尋ね者のハン元地区長に

つく理由がどこにある?!

理由はどうであれ、ニコレッタ地区長に

恩義もあるんじゃないのか?

今まで一緒に闘ってきたんじゃないのか?

そんな人を裏切って罪悪感はないのか?!」


俺は怒っていた

ニコレッタが信頼していただろう

副長。

その人が裏切って反逆者の元にいくなど

どういう理由があれ

悲しむはず

むしろ虚しさまである

何故、副長がこうなったのかは

また別に理由があると確信していた

俺は問い詰める



「今カフカ副長がやっている行為は

誰のためにもならない!!

だから今からでも遅くない!

戻ってきてくれ!!」




そんな問いに

彼はまた笑いながら答える



「馬鹿ですね!今更戻っても

何も変わらない

何も変えられない!

わからないのですか?

私自身の意志で

あの方に付くと決めたのです

それにあなたはアルハルド鉱石に

ついて誤解されてます。

せっかくですので説明して

あげましょう。」



そう言うカフカ副長に

動揺しながら聞く俺



「誤解??」



「はい。アルハルド鉱石は

今から500年前に飛来されてきたと

されています

当時からその鉱石のチカラで

戦争が絶えず起きていました

あるものは絶大な力を誇示するため

あるものは平和のため

あるものは愛する者を守るため

あるものは悪事に利用するためと

人それぞれの思想のために

そのチカラを利用されてきました

ですが

結果何も変わらない

それにあなたは聞くところによると

20年前のアルハルド事件に関与していた

と聞きます

何故500年前に飛来してきたものが

今になってそんな暴走を

したと思います?」



500年前に??

そんなはずはない

今で言うと20年前あの時、未知の鉱物が飛来して

研究を始めたとなっていたはず

それも研究を始めたのは

第一人者は俺だ、、。

一体どういうことだ?



「ククク、顔から何がどうなっているって滲み出てますよ?

あなた達は利用されたのです」



「利用されただと?」



「はい。今まで研究をしようにも

チカラとチカラでぶつかることしか

脳がない連中らでしたからね

研究なんてまた夢のまた夢だったの

でしょう。

しかし、これでは埒があかないと

みた先人達が遂に研究をして

この終わらない戦争に終止符を

打とうと考えたのでしょう

ですが、、、

甘い甘い。

それがさらなるチカラの発展になり

さらに事態を悪化の一途を辿ることも

知らずに。

馬鹿ですねー。」



俺達は戦争を助長させるために

研究をしていたのかと思うと

奥歯に力がこもる



「それに、アルハルド鉱石は

3つの力の得てがあることも知らないのでしょう?」



「適合者のなり方が3つもあるというか?」



「はい。まずは一つ目はアルハルド鉱石を自然に体に馴染ませる方法。

2つ目は

アルハルド鉱石を無理矢理体に

適合させる方法。

最後がもっとも重要とされている

チカラの得て方です。

神に選ばれし者がその

アルハルド鉱石の本当の能力を得る

方法なのです。

この最後の方法で得た人間に

付けば世界をひっくり返すことなど

容易なはず。

だから、私は選んだのです。

今の現状でいいのか

また大切な人を失っていいのか

悩み苦しみました。

結果、私は今のままではだめだと

思いあなた達を裏切り

世界を変えようと心に誓い

あの方につくと忠誠を誓ったのです」



「大事な人を裏切ってまで

世界をひっくり返すなど大層な

思想を持ってるんだね」


俺は鼻で笑いながら

話す

それに激昂した副長が

俺の胸ぐらを掴みながら

怒鳴り口調で叫ぶ



「お前に何がわかる?!!

私の苦しみ、痛み、

何も知らないのだろう??」



凄い力で胸ぐらを掴まれながら

時折悲しむ顔を見せた

副長を追い詰める



「そんなのわからないね。

でも、ニコレッタ達も世界を

救う為に街の再建やらをやっているのではないのか?

何故そんなことも分からない?!」



俺は副長が過去に何かあったのかは

わからない

だが見捨ててはならないと

思うものがあると思い

気持ちをぶつける




「俺はこれからこの世界の理に

挑む。

昔の仲間や家族、失ってはいけない

これからのことを守るために!!」




二人の怒号が辺りに飛び交う




「キイチよ、貴様は死ぬ

今ここで殺してくれるわ!!」



頭に銃口を突き付けながら

引き金をカフカが引こうとした瞬間




「コンジェラシオン」



その声とともにカフカ副長の銃と持ち手が氷漬けになる

その時に胸ぐらを掴んでいた力が緩み

俺はカフカの手から開放され

距離を取る



「くそ!!

まだ生きていたか!

ニコレッタ地区長!!」




カフカ副長が睨むその先にニコレッタと

クーラー地区長が立っていた




「キイチ大丈夫か?」



ニコレッタに安否を確認される

俺は首を縦に頷き

再び、カフカ副長を見つめる




すると、刀剣を持ったカフカ副長が

凄いスピードでこちらを詰めてきていた



切られる!そう思った瞬間




ガキンッ!!!



辺りに響くような音を立て

クーラー地区長が腕で

刀剣を止めていたのだ




「がはははは!!

素晴らしいスピードの間合いの詰め方だ!!

よくニコレッタにしごかれていたと

見えるな!」



その腕はまるでダイヤモンド。

しかも、赤く熱を帯びていた


「だが、気合いが足りん!!!!」



そうクーラー地区長が言い放つと

刀剣は弾かれ

代わりに熱を帯びたダイヤモンドの

拳をカフカ副長の腹に食らわせていた



「ぐはっ!!

化け物めが、、、。」



口から血を垂らしながら

懐から何かを取り出そうとしている

その動きをいち早く察知した

クーラー地区長は

とんでもないスピードで



「バング ブロー!」



カフカ副長に体当たりをしていた!!




吹き飛ばされたカフカ副長は

横にぐったりなりながら

うなされている。




「くそ、こんなとこで終わって

たまるか

俺は、、、俺はあいつを、、、。」




ゆっくりと倒れたカフカ副長に

近づくニコレッタ。



「なあ」



そして、カフカ副長の横で声を掛ける

ニコレッタ。



「なんでこんな真似をしたんだ?」



何処となく哀しみに満ちた顔を

しているニコレッタ



「何故かってそれは、、、」


何故かその先に言葉に詰まる

カフカ副長



「ニコレッタ地区長。

私はもう止まる気はありません

止めたければ、、、、」



何かの思いを蓋をした感じにみえる

その言葉の意味は

深く重い気がする


「ニコレッタ地区長」


「なんだ?」


ボソッと声を出すカフカ副長に

冷たい声で返す

ニコレッタ。



「私はあなたを信じてましたよ

いつかあなたならと」



「うん」



「ですけど、もう遅いみたいですね」



「そうだな」



会話の途中でニコレッタは

手から赤い煙が出始めていた




「さらばだ、我が友」




涙を流すニコレッタ

その涙はポタポタと綺麗な雫となり

落ちていく



「ニコレッタ地区長

ありがとうございました」



その瞬間

カフカ副長は氷漬けになり

次には体がバラバラに

砕けちっていた。




「何が思想だ」



怒りで震えているニコレッタ

拳を握りしめた手には

血が滲んでいる



「ニコレッタ、、、。」


クーラー地区長はその背中に

声を掛けずに

俯いている



俺も同じく下を向いていた

少なくとも苦楽を共にしてきた

戦友だ

事情はどうであれ

辛く、耐え難いものだろう




「ハンをぶち殺す」



そう赤い煙を出しながら

瓦礫の山を破壊してハンを

探しに行くニコレッタ


その後ろについていく

クーラー地区長と俺








その頃、同刻




街の北側





「く、くそ。

なんてやつだ」



ウィリアム地区長が全身傷だらけで

倒れている



その近くではムーン地区長と

マナ地区長が灰色の髪をした人間と

闘っていた

その灰色の髪をした人間がゆっくりと

話し始める



「ここにハンだけだと思ったのか?」




顔に切り傷ができたムーン地区長が

その声に反応する



「その声は阿吽星の幹部の一人

ニア ドライ!!」



そう言うムーン地区長に

同じく反応するマナ地区長



「なるほど。この強さも納得付けるな」




その二人を見つめている灰色の髪をした人間



「ふふふ、いかにも私は

阿吽星幹部 三斗星の一人

ニア ドライ。

さあ、殺し合いの続きをしましょう!」




そう言うと凄い勢いで

二人に突っ込んでいくニア ドライ


二人は構えながら迎撃を始める




阿吽星幹部 ニアドライ対


ムーン地区長

マナ地区長

ウィリアム地区長








さらに同刻




街の南東






「ん?」



街の脇道で動けない

人に救護しているミルス地区長



その後ろにはオレンジ色の髪をした人間が

こちらを見ている




「普通の人間ではないな?

適合者か」



ゆっくりと立ち上がるミルス地区長



するとオレンジ色の髪をした人間が

口を開く


「あはあはあは

第三地区長のミルスだぁ~

こいつを殺ったら

どんな褒美が待ってるんだろ〜」



そう言うとオレンジ色の髪をした人間から

白い煙が出始める



臨戦態勢をとるミルス地区長



謎のオレンジ色の髪をした人間対

ミルス地区長






少し時は遡り



街の東側




「何なのよこいつ!もう皆目を覚まして!」



大量の街の人がヌルヌルと

テンプル地区長に近付いている


それは何処か正気を失ってる

ように見える

まるでゾンビの如く

這いずりながら近く者もいる



その後ろには淡いピンク色の髪をした

人間が笑いながら声をだしている




「さあ、我が奴隷たちよ

あいつを殺しなさい!!」




そう従うように動く街の人達



「バブルショック!」



テンプル地区長の口から大きな

シャボン玉が何個も出てきて


それが街の人を包み込み

動きを止めている



「もう!切りがない!」



しかし、数が数だけに対処しきれていない。



そこに



「おでの出番だね」



建物上から突然人が降りてきて

その衝撃で地面が割れ

街の人達は次々と躓き倒れていく



その姿をみたテンプル地区長が


「ディタちゃん!」



半端ではない巨漢の男


モスキート ディタ地区長が

そこにいた



街の人のうめき声と動きが完全に

止まった姿をみて

淡いピンク色の髪をした人間が叫ぶ



「あぁぁぁ!!!

使えない!!

結局私が戦うハメになるのかよ」



イライラしながらジタバタしている





「あんた、阿吽星ね!!」



テンプル地区長がその行動をみて

察する




それに答える淡いピンク色の髪をした人間




「あぁん?

だからどしたんだよ?

まあいいわ

私は阿吽星幹部 三斗星の一人

バルブ ラボよ

ハンの指示でお前らを殺しにきたわ」



「ハンの指示だど?」



その話に反応するディタ地区長



「そうよ、おデブちゃん。

早く地区長達を殺して

お風呂入りたいの

早く殺されなさい!!」



バルブ ラボが両手を前に突き出すと


狂ったように血を吐きながら


無理やり動きだす街の人達




「あいつまじ許せない」



水色の煙がでるテンプル地区長



「ディタちゃん、あいつを倒しましょう!!」



「わがっだよ!」



そう言うと四股を踏むディタ地区長

その体から黒い煙が出始める





阿吽星幹部 バルブ ラボ対



テンプル地区長

ディタ地区長






街の外れ



第九地区郊外





「さあ戦いが始まったな

スピリタスはどこにいる」



緑色の髪をした人物が街全体が見える

高台に座っている



その少しうしろで地面が水の如く

波紋を広げていた





次回



阿吽星幹部 ニアドライ対三人の地区長



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