18話
空間座標指定・・・範囲指定・・・転移先・・・魔族国城下町
「転移」
オドロドロした雰囲気とはかけ離れた魔王城が奥に見える城下町
突然現れた人族にギクリとする魔族の人々
空間座標指定・・・範囲指定・・・魔族・・・マーカー
空間座標指定・・・範囲指定・・・次元移動・・・姿投影
では魔王城へ向かいましょうか
魔王城までどの位距離あるかなー?
パッと見2㎞位かな
魔王城に着くまでに魔王へ話は伝わるだろう
歩き出そうとした時上空から雹の槍が降り注ぐ
動きが早いなー
まあ当たらないんだけどねー
そのまま魔王城まで歩いて行く
炎や風・水・氷・雷・土塊等々様々な攻撃が周囲から降り注ぐ
違う次元にいるから全く関係ないけどねー
魔法攻撃が聞かないからだろう軍が直接攻撃に来た
精鋭が様々な武器を手に襲って来るが
チョイチョイ同志討ちになっている
魔王城に近づくに連れて段々と攻撃が無くなっていく
何をしても効かないと心折れるよなー
魔王城の前に来たが門が閉まっている
が、構わずそのまま突き進む
何の抵抗もなく門を擦り抜けて門の内側へ
「なあああああああああああああああ?」
ビックリしすぎだろう?
またまた魔法や武器による直接攻撃が向かって来るが構わず進む
どんな魔法攻撃も
どんな直接武器攻撃も
どんなトラップも
どんな障害も
意に介せず進んで行く
周りの魔族はオロオロして付いて来る
ついに魔王城の魔王が居る玉座の間へ
魔王は逃げたのか?誰もいない
はあ仕方ない
空間座標指定・・・範囲指定・・・魔王・・・召喚
「はっ?」
「では魔王今回の国境侵攻の件で来ました」
「あ?あ?」
キョロキョロしている魔王
隠れていたはずが玉座の間にいる
ふと我に返って
「攻撃しろ!兵は何をしている?攻撃しろ!!」
またまた魔法や武器による直接攻撃が向かって来る
空間座標指定・・・範囲指定・・・空間固定・・・魔族固定
指先一つ動かす事の出来なくなった魔族
言葉を話す事も出来ない
空間座標指定・・・範囲指定・・・空間一部解除・・・魔王の口
「さあ魔王話せるでしょう?」
「・・・あ・・・」
「もう一度聞きます、今回の国境侵攻の件で来ました」
「私は知らない!」
「何をです?」
「国境侵攻なんて知らない!」
「では誰の命令で軍が動いたんですか?」
「私ではない!」
「では誰ですか?」
「私ではない!」
「では誰ですか?」
「私ではない!」
「では誰ですか?」
「私では・・・」
空間座標指定・・・範囲指定・・・転移・・・魔王の右腕
魔王の右腕が2m位後方へ転移する
ボトリと右腕が落ちる
「・・・ない・・・ぐわあああああああああああああああ」
「では誰ですか?」
「私では・・・」
空間座標指定・・・範囲指定・・・転移・・・魔王の左腕
魔王の左腕が2m位後方へ転移する
ボトリと左腕が落ちる
「ぎゃあああああああああああああああああああああああ」
「では誰ですか?」
「私で・・・」
空間座標指定・・・範囲指定・・・転移・・・魔王の右足
「がああああああああああああああああああああああああ」
「では誰ですか?」
「がああああああああああああああああああああああああ」
空間座標指定・・・範囲指定・・・転移・・・魔王の左足
魔王の左足が2m位後方へ転移する
ボトリと左足が落ちる
四肢を捥がれ寝た状態の魔王
「は・は・は・は・は・は・・・」
「では誰ですか?」
「は・は・は・は・は・は・・・」
空間座標指定・・・範囲指定・・・転移・・・魔王の右肩
魔王の右肩が2m位後方へ転移する
ボトリと右肩が落ちる
「は・は・は・・・」
「では誰ですか?」
「は・は・は・・・」
空間座標指定・・・範囲指定・・・転移・・・魔王の左肩
魔王の左肩が2m位後方へ転移する
ボトリと左肩が落ちる
「私だ」
「では責任はどの様に取られますか?」
「私は敗者だ・・・何をすれば良いだろうか?」
「帝国は100年停止しました、獣王国は3日後に返事を持ってきます」
「魔族国も100年停止すれば良いのだろうか?」
「魔族は人族と寿命が違いますから1000年でしょうか?」
「・・・他にないだろうか?」
「他に何が出来ますか?」
「財宝ではどうだろうか?」
「宝石の類はいりません」
「マジックアイテムはいかがだろうか?」
「どんな能力ですか?」
「どんなものでも切る事が出来る剣は?」
空間座標指定・・・範囲指定・・・空間固定・・・片手剣
「この片手剣を切って下さい」
「ザムザム!準備してスグに動け!」
「はっ!」
ザムザムと呼ばれた者が部屋の外へ飛び出して行く
それと同時に今まで固まっていた者達も魔王の手当てを始める
特に止めないからか魔王の手足が運ばれ魔法で修復されていく
手足は繋がったが青い顔の魔王はフラフラして周りの者に支えられている
「魔王様を座れさせてもよろしいでしょうか?」
「構いませんよ」
おどおど聞いていた兵がホッとした顔になる
「魔王様こちらへ」
「ああ・・・」
「魔王様こちらです」
先程飛び出して行ったザムザムが戻って来た
「ザムザム見事切って見せよ」
「はっ!」
余程剣の腕が立つのであろう着々と空間固定剣が切る準備が進められていく
そして空間固定剣の刃が寝せた状態の剣を切る準備が出来た
刃が上の切り結ぶ状態よりは切りやすいのだろうがセコイ事だ
「準備が整いました」
「では切って見せよ」
「はっ!」
ザムザムは上段の構えから一気に振り下ろす
キン
マジックアイテムの何でも切れる剣が空間固定剣で止まっている
「他に何が出来ますか?」
「・・・どんな攻撃でも傷の付かない盾は?」
「その片手剣で切ってみて切れなければ良いですよ」
「ザムザム持って来い」
「はっ!」
ザムザムが又部屋の外へ飛び出して行く
空間座標指定・・・範囲指定・・・転移・・・片手剣
固定されていた片手剣を手元へ戻す
「おおっ」
ついでに
空間座標指定・・・範囲指定・・・光速振動付加・・・片手剣
刃に光速振動を付加する
光速振動を付加した事で刃が薄っすら光る
「おおっ」
どよどよした雰囲気に
「おい宝物庫へ行って全てのマジックアイテムを持って来い」
ゾロゾロと宝物庫へ兵が進んで行く
入れ替わりにザムザムが戻ってくる
ザムザムはすれ違いに出て行った兵に「?」と頭に浮かべながら盾を持ってくる
先程片手剣を固定していたトコへ盾を取り付ける
「では」
盾に刃先を合わせて下へ向ける
バターを切った様に抵抗なく盾は真っ二つに割れカランと音がした
「他に何が出来ますか?」
「今宝物庫のマジックアイテムを全て持ってくる」