16話
3日後
「では行って来るよー」
「いってらっしゃーい」
空間座標指定・・・範囲指定・・・転移先・・・帝国
「転移」
帝国の城壁の外、人通りのない場所へ転移した
空間座標指定・・・範囲指定・・・次元移動
よしこれで誰からも見られる事はなくなったな
城壁沿いに移動して出入り口の門まで移動する
物凄く厳しいチェックをしている横を素通りする
そのまま城の方へ歩いて行く
前から歩いてくる人とぶつかるって感じだがそのまま突き抜ける
幽霊になった気分だなー
城のお勝手口?的なトコに見張りの兵が2名立っているが
そのまま入っていく
そのまま玉座があるトコまで進んで行く
玉座入口に解り易い罠があるが構わず進む
罠を踏んでも作動しない
別次元にいるので全く関係なし
玉座の間には所狭しと色々な者達が待ち構えている
取りあえず姿だけは見せるかな
空間座標指定・・・範囲指定・・・姿投影・・・音声領域固定
「やあ!待ちましたか?」
「貴様?!どこから?」
「衛兵何をしておる」
「おりゃあー」
色々な攻撃を気のすむまで受ける
「何故だ?」
「何故何も出来ない?」
「もういいですか?」
「お前は何者だ?」
「僕がメイソン村の村長カイルと言います」
「お前が?」
「ガルド!間違いないのか?」
「間違いありません」
「余が帝国王マンサリハット4世である」
「ではお前が責任者で間違いないのか?」
「誰に向かって話して居る?頭が高い!」
「で、どう責任をとるんだ?」
「何のことである?」
「2度言わせるな、次は無いぞ?」
「責任とはどう言う事である?」
「お前がうちの村へ色々ちょっかいを掛けているんだろう?」
「帝国の傘下へ入れてやると言う余の心使いを分からないからである」
「傘下に入って何か良い事でもあるのか?」
「帝国の保護に入れるのである」
「うちの村より弱い帝国の傘下に入ってか?」
「うるさい!帝国の傘下へ入れば良いのである」
空間座標指定・・・範囲指定・・・帝国王・・・次元移動
「ガルド!どこへ行った?」
「帝国王と話があるんで、ちょっと借りるぞ?」
「私をどうするつもりだ?」
「帝国慰霊碑の警告を確認したか?」
「何故お前が帝国慰霊碑の警告を知っている?」
「僕が書いたものですからねー」
「時の賢者?お前・・・貴方が?」
「行くぞ確認に」
玉座の奥の部屋へ歩き出す
奥の部屋の帝国初代国王の像の前へ行く
「そこの横に押しボタンがあるだろう?」
「本当に時の賢者なのですか?」
「押しボタンは『S53』『L19』『U215』を押せ」
「それは・・・本当なのですね?」
押すと像の後ろの壁が開き先に進める様になる
「あの壁に書いてある事を読んでこい」
「行って参ります」
「戻りました」
「そうか?何か言う事は?」
「全面的に降伏いたします」
「では今より100年帝国を封鎖する」
「分かりました」
「一度玉座へ戻るぞ」
「はい」
玉座の間へ戻り
空間座標指定・・・範囲指定・・・帝国王・・・次元移動
「おおガルド良く戻った」
「いや芝居はもう良い」
「王?どうしました?」
「帝国はこれより100年封鎖される」
「封鎖?」
「100年?」
「王よどうしたんですか?」
「売ってはいけない相手に喧嘩を売ったのだ」
「あのちっぽけな村の事ですか?」
「そうだ」
「王よどうしたのですか?それで皆が納得するとでも?」
「彼は時の賢者だ」
「真なのですか?」
「そうだ帝国を作った時の賢者だ」
「封鎖とは?」
「100年閉じられる」
「閉じられるとはどの様な?」
「今進軍して石像の様になってる者達と同じになる」
「いつからなのですか?」
「たった今からだ」
蜘蛛の子を散らす様に皆が皆逃げ出そうとする
空間座標指定・・・範囲指定・・・帝国・・・時間軸抜固定
この日帝国の時間が止まった
次は獣王国か
空間座標指定・・・範囲指定・・・カイル・・・身体時間軸抜固定
空間座標指定・・・範囲指定・・・転移先・・・獣王国
「転移」
獣王国の関所前に転移した
「おっ?お前はどっから来た?」
「帝国からです」
「今日は誰も獣王国に入る事は出来ねーよ?」
「いや今日来ると伝えてるんですが?」
「いやなんでもこないだの戦の時に
相手が今日こっちへ乗り込んでくるらしくてよ
全部封鎖してるんだとよー」
「ああ!それです!僕ですよ」
「ああん?お前がか?」
「今日行くと伝えてますよね?」
「お前がゾット隊長をあんなにしたのか?」
「違いますよ?僕は防御しただけです」
「俺に勝ったら通って良いぜ」
「時間を掛ける事が出来ませんので1発勝負にしませんか?」
「どうするんだ?」
「貴方が全力で攻撃をする、それを僕が受ける」
「おう!それで?」
「僕がココを動けば貴方の勝ち、動かなかったら僕の勝ち」
「俺の攻撃受けたら死ぬぜ?」
「死んだら僕の負けで良いですよ」
「後悔するなよ?」
空間座標指定・・・範囲指定・・・カイル周辺地盤・・・時間軸抜固定
「いつでもどうぞ」
青狼獣人の全身の毛が逆立って筋肉が膨張していく
うっすらと全身が光ってる
光が徐々に右腕へ集まっていく
光が増す
「ソロソロ行くぜ?」
「いつでもどうぞ」
大ぶりの打ち下ろしの拳が迫ってくる
僕の左頭から右顎へ抜けるコースで拳が降ってくる
ガキーーーーーーーーーーーーーーン
金属音が響く
「ぐわーーーーーーーーーーーー」
拳を抱えて蹲る
「僕の勝ちで良いですか?」
「ああ、お前の勝ちだ」
「では先へ進みます」
空間座標指定・・・範囲指定・・・カイル周辺地盤・・・時間軸抜解除
獣王の居る城へ進んで行く
キンキンキン
なんか狙撃されるなー
ヤマアラシの棘みたいなのが飛んでくる
ま構わず先へ進む
ひゅーーーーん
ドゴン、ガキン
岩が降ってくる
それでも構わず先へ進む
猪の獣人かな?真っすぐコッチへ突っ込んでくる
拳を前に突き出してそのまま進む
「ふごーーーーーーーーーーーー」
バタン
猪がそのまま倒れる
槍が降ってくる
ダンダン武器がデカくなって来たなー
熊獣人が立ちふさがる
「ココからは進めねーぞ」
「通らせてもらいます」
先程の青狼獣人の様に毛が逆立ちうっすら光る
空間座標指定・・・範囲指定・・・空間固定・・・刃×10
熊獣人はそのまま突っ込んできた
が、空間に置いておいた刃×10に突っ込んでバラバラになる
熊獣人がバラバラになってから通り易くなった
倒し方がヤバイ方が通り易いなー
空間座標指定・・・範囲指定・・・空間固定・・・刃×100・・・回転
自分を中心に100枚の刃が回転しながら通りを綺麗に刈り取っていく
モー何も近づかなくなったなー
城が見えて来た
遠巻きに見ている獣人族達も持っている武器が削れるトコを見て下がって行く
城の入り口に行っても近づくと削られるので下がる事しかできない
城を削りながら進む
玉座らしき場所に出た
そこに座っている獅子獣人が獣王なのだろう
「貴方が獣王か?」
「そうだ俺が獣王だ」
「今回の戦のケツはどうするんだ?」
「うちの奴らは血の毛が多い奴らばかりだからなー」
「答えになってないな」
「うちの奴らも全線で固まってるんだが、どうしてくれるんだ?」
「そっちの答え次第だな、帝国は全員固めて来ましたよ」
「帝国が全員?全員ってどう言うこった?」
「帝国民の全てです」
「・・・」
「まー100年の辛坊ですよ帝国は」
「・・・」
「黙ってないで答え下さい」
「うちはどうすれば良い?」
「コッチが聞いてるんですよ」
「もうあんたの村には手を出さない」
「血の気が多い奴らばかりだから信用できません」
「俺が言えば言う事を聞く」
「貴方が悪いから言うこと聞かなくて戦を仕掛けて来たんでしょう?
それとも貴方の指示で戦を仕掛けたんですか?」
「俺の指示だ」
「ならどう落とし前を付けるんでしょう?」
「俺が獣王を下りればいいのか?」
「それじゃー足りません!尻尾も切ってください!」
「・・・」
「どうしました?」