表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/16

第一章 後編 笛中叶多

オメガ教…… それはゾンビ殲滅に反対する数少ない団体の一つである。その組織がどのような活動を行っておるか全く分かっておらず、何人いるかすら詳しく分かっていない謎の組織だった。笛中はその組織の本部の建物の前を殲滅局専用車で通りすぎた。


「組織と思われる人が三人入り口前にいるな……」


笛中はそう言うと角を曲がり、車を止めた。すると笛中はシートベルトを外すと急いで車についてある無線機を取った。そして少し離れている所で待機している副班長の墳本にこう言った。


「組織の人間と思われる人物が三人外にいる。この建物の近くを頻繁に通ると捜査していることがバレる。だから墳本達はしばらく待機。状況はそっちに送るから本部に伝えておいて……」


「了解です」


笛中は墳本からの答えを聞くと無線機をしまった。そして車から出た。


「風戸行くぞ!」


笛中にそう言われると風戸は後ろに置いてあったレイピアを取ろうとした。


「今は武器は持つな。怪しまれる」


風戸は笛中にそう言われると無言で車から降りた。


「あの組織の監視は、オメガ教の建物の隣にあるアパートから監視する。俺は車をおきに行くから先に行ってて…… 俺の名前を管理人に言えば案内してくれるはずだ」


笛中はそう言いながら、そのアパートを指差した。そして車に乗り込み行ってしまった。風戸は仕方なく笛中が言っていたアパートへと向かった。そしてそのアパートの前で立ち止まった。


「ボロい……」


風戸はそのアパートを見てそう言った。そのアパートは都内では珍しい木造建築で二階建てだった。多分このアパートを持っている人が笛中に貸したのは、使われていないからだろう。でないと普通の所は貸さない。風戸はそう思いながらアパートの敷地内に入ろうとした。


「おい!ここら辺でゾンビ対策官は来なかったか?」


突然風戸は誰かに聞かれた。風戸は何かと思い後ろを向くと、そこにはいかにも危なそうな外見をしている男性がいた。風戸はその男の質問に答えるのが面倒だった為、首をふった。


「つかえねーな」


男はそう言うと風戸から離れていった。そして隣にあるオメガ教の建物に入っていった……


「いかにも馬鹿って感じだな……」


風戸はそう言うと管理人の部屋へと向かった……





それから数日間笛中と風戸はオメガ教の建物の隣にあるアパートの一部屋から監視していた。そして少しでも不自然な所があった場合は、本部にいる墳本に情報をまわしていた……


そして監視が始まってから三日がたった午後十時の事だった。突然静かな住宅街に悲鳴が聞こえたのだった。それに気付いた笛中はすぐに部屋から出た。するとアパートの前の道路に何かがいるのが見えた。


「誰だ?ヒトなのか?」


笛中はそう思いながら懐中電灯でその方向を照らした。するとその姿から人ではないことがすぐに分かった。


「風戸!起きろ!仕事だぞ!」


笛中はそう言って壁に寄りかかって寝ていた風戸を起こした。風戸は目をゆっくり開けるとこう聞いた。


「何かありました?」


風戸がそう聞くと笛中はこう言った。


「ゾンビが現れた。被害の出ないうちに倒すぞ!」


笛中はそう言うと階段をかけ降りた。そして信号拳銃を取りだした。そして空に向かって白色の彩光弾を撃った。この行為は近くにゾンビがいることを知らせるものであり、この行為自体義務ではない。なので彩光弾を撃つか撃たないかは班長しだいなのだ。


「風戸!レイピアは使えるか?」


笛中が風戸にそう聞いた時だった。風戸はその質問に答えずに笛中の横を走り抜けた。そしてレイピアをゾンビの首に突き刺した…… が、ゾンビはまだ動いていた。すると風戸はレイピアを引き抜くと拳銃を取り出した。そしてその拳銃の引き金を引いた……



パシュッ!


そんな雄とがするとゾンビは血を流して倒れてしまった。


「やりましたよ」


風戸はそう言うと拳銃についていたサイレンサーを外した。


「行動が早いな。あいかわらず……」


笛中はそう言うと倒れたゾンビに近付いた。そして笛中がそのゾンビを見るとすぐに違和感を覚えた。


「このゾンビ服が綺麗だな」


「それには気付いてました……」


笛中はそのゾンビの服を見ていると、そ服の胸ポケットに何かが入っているのに気が付いた。笛中はそれを取り出すためにビニール手袋をつけた。そしてポケットの中に手をいれると、そこから一冊のメモ帳が出てきた。


「なんですか?それは……」


風戸がそう聞いた。すると笛中はそのメモ帳を開いてこう言った。


「どうやらこの人は殺されたようだ……」


笛中はそう言うと後ろにあるオメガ教の建物を見た。


「この組織に……」





次の日、午前九時


ゾンビ殲滅局東京本部第五会議室……


その会議室には司令官の芝、L班の班長の柚木、そして笛中がいた。


「今回の捜査だけど、柚木がオメガ教に潜入に成功したから、郡山副本部長から仲野本部長に引き継ぐことになった。それにあたってだけど笛中班の監視は終了になった」


芝がそう言うと笛中はすぐに聞き返した。


「それは普段の業務に戻ってよいということですか?」


「そうだ。ここからは柚木班の仕事だ。とりあえず柚木は本部長に潜入に成功したことを伝えてこい。今回の取り締まりはかなり力を入れてると言ってるからそうとう報告を楽しみにしてると思うよ」


「分かりました」


柚木はそう言うと部屋から出ていった。芝は笛中と一対一になるとこう言った。


「笛中が見付けた例のメモ帳だが、対策5に調べてもらった結果、ゾンビになった人の指紋がメモ帳のめくる部分についていたらしい。それのメモ帳の内容と合わせるとどうやらオメガ教に殺され、ゾンビにさせられたみたいだ」


笛中はそう聞くとすぐに質問した。


「だけどどうやってゾンビに…… ゾンビ化するには噛まれるくらいしか方法がないのに……」


「それは分からない。そこは柚木に任せるしかない。笛中は通常業務に戻って構わない。それじゃあな……」


芝はそういうと会議室から出ていった。正直オメガ教を潰す取り締まりを最後まで参加できないことに悔しさはあった。しかし、その他にも自分の力を…… 自分達の班の実力を必用とされていると考えるともっと頼られる班にしたい!そう考える笛中だった……





墳本連つかもとれん


三等ゾンビ対策佐官


武器……槍

拳銃




※この話は他のところでも載せています

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ