後編 宮島有都
ホームセンター外……
「奏良!あれ人かな?」
そう言ったのは宗だった。倉科は宗に言われた為、その方向を見ると一人の女性が此方に向かって歩いてきていた。
「私には普通の人に見えるけど?」
「いや、歩き方が可笑しくないか?」
確かに倉科も歩き方が可笑しいことには気付いていたが、それだけでゾンビと決めつけるには早いと思っていた。すると、宗がその女性に話しかける為に、歩き始めた。
そして近付くとすぐに、人間かゾンビか分かった。
ビシャッ!
宗が槍でゾンビの顔に刺すと血が出て倒れた。
「隼央!何してるの?」
倉科はそう言いながら走って女性の倒れている所へとやって来た。そしてその死体を見るとすぐに分かった。
「こいつはゾンビだ!」
そのゾンビには他とは何かが違っていた。……がどうしても宗は分からなかった。すると倉科がこう言った。
「なんか服が綺麗すぎない?」
宗が引っ掛かっていたのはそれだった。ゾンビにしては服が綺麗すぎるというところだった。
「多分、ゾンビになったばかりだったんじゃない?」
「多分な」
宗は倉科の言ったことに返すとその死体の足を持ち、引きずり始めた。そしてホームセンターの駐車場に置いた。 何故宗が死体を動かしたか…… それは普通の道路にゾンビの死体が落ちていたら発狂ざたになりかねないからだ……
宗はその死体を少しの間見てからまたホームセンターの入り口へと向かい始めた……
その頃、宮島はホームセンター1階、関係者以外立ち入り禁止とかかれた扉の前にいた。
「宮島隊長!何でしょうか?」
そう言いながら水瀬がやって来た。
「ちょっと付いてきてくれ」
宮島はそう言うと立ち入り禁止とかかれた扉を開けた。そこは普通の通路になっていた。多分従業員が使う通路だろう…… 宮島はその狭い通路を歩いていき、突然止まった。
「どうしたんです?」
水瀬がそう聞いたけれど宮島は答えなかった。すると突然宮島はその横にあった扉に耳をつけ始めた。
「水瀬、誰かいる。ゾンビか分からないけど……」
宮島はそう言うとすぐに扉を開けた。すると……
「貴方達は一体?」
震えている声でそう聞こえてきた。なので宮島は部屋の中を見回すと、扉の後ろの所に三人の男性がいた。多分この店の店員だろう……
「私達はゾンビ対策官です。外にゾンビがいましたので、今ここにいるゾンビを倒しに来ています」
宮島がそう説明すると、一人の店員がこう言ってきた。
「隣の鎌みたいなものを持っている人も対ゾンビ組織の方ですか?」
「はい。みぎどーです」
水瀬はそう言った。宮島的には「みぎどー」なんて言っても分かるはずないと思ったが、それは後で言うことにした。
「この時間にいたのはあなた方だけですか?」
宮島がそう聞くと想像もしなかった答えが返ってきた。
「他にもお客様など15名はいました…… が、この三人以外はゾンビになってしまいました……」
宮島はそう聞くとかなり大変な事になっていると焦り始めた。何せまだ、入ったとき倒したゾンビは少なく、まだこの店の中にゾンビがいるということなのだから……
その時だった!
バンッ!
「宮島隊長!大変です!裏口にゾンビが大量に集まっています!」
土井にそう言われると宮島は、水瀬に残るよう言ってからすぐに裏口へと向かった。そして裏口に付いて見るとそこはまるで地獄のようだった……
そこにはすでに部下がいた為、ゾンビが倒されていた。そのために地面は血の色の赤に染まっていた。
ドカッ!
そんな音がすると一人の部下が倒れた。どうやら顔面を蹴られたらしい……
「大丈夫か?」
宮島がそう言って駆けつけると部下はこう言った。
「こいつ、多分希種です」
「分かった。皆いったん下がれ!」
宮島がそう叫ぶと部下達は建物の中に入っていった。宮島はそれを確認すると電撃棒を部下に投げた。
「伊東!持っていてくれ」
宮島はそう言うとその希種に向かって剣を振った……が、流石希種とだけあってその攻撃を綺麗に避けられてしまった。
「援護します!」
そう言って弾丸を放ったのは土井だった。土井の放った弾丸はゾンビの足に命中した。それによりゾンビの体勢が崩れた瞬間を宮島は見逃さなかった。
ビショッ!
いっきにゾンビの首が飛び大量の血が飛び出た。
「これで問題はないはずだ。建物内を調べよう」
宮島はそう言うと部下のいる方向を見た…… が、そこには部下がいなかった。その代わりに地面には宮島の電撃棒が落ちていた。宮島はその武器をすぐに拾って中に入った……
トントンッ!
水瀬と従業員のいる部屋のドアが鳴った。水瀬はてっきり宮島だと思いドアを開けてしまった……
「ギャーーーー!!」
そんな震える声を出しているゾンビは水瀬の横を素通りして、部屋の奥にいる従業員の元へと近寄った。そして一人の男性の腕を掴んだ。
「やめろ!やめてくれーーーーー!」
男性のその声は届かず、ゾンビは腕に噛みついた。
シュパッ!
「間に合わなかったか!」
水瀬がそう言うとゾンビの足が従業員の足下に転がり、さらに悲鳴が響き渡った。
「貴様らはこの世界にいる必要がない。消え去れ」
……水瀬はそう言うとゾンビの首に槍を突き刺した。するとゾンビからは力が抜けてしまった。水瀬はゾンビが死んだことを確認するとすぐに噛まれた男性にこう言った。
「大丈夫ですか?」
すると男性はこう言った。
「だいじょう……」
男性がそう言いかけた時だった。突然男性は頭を抱え始めた。多分ゾンビ化が始まったのだろう。水瀬はそれに気が付くと、他の二人にこの部屋から出るように言った。
「ギャーーーー!!」
その男性はゾンビになってしまった。ゾンビ対策官の水瀬がいたにも関わらず……
「店長!」
後ろで二人がそう言っている中、水瀬は槍に付いている裏刃でゾンビの腹あたりを切った。しかしゾンビは痛くも無いらしく少しずつ此方に近付いてきた。
「仕方ない……」
水瀬はそう言うとゾンビの首に槍を突き刺した。そしてゾンビが倒れると確認の為にもう一度首に槍を刺した。
このとき、水瀬は生き残った二人に何といって良いのか分からなかった。まさかゾンビ対策官の自分がいるなかで、人をゾンビにさせてしまうとは…… 水瀬の心境はとても複雑だった……
「大丈夫か?」
宮島はそう言って一人の部下のもとに駆け寄った。その部下は床に倒れており、口から血を出していた。
「向こうに今までのとは比べ物にならないゾンビがいます。そいつに皆やられました……」
その倒れている男性はそう言った。なので宮島は悪いと思いながらも男性をそっと床に寝かせてから、そのゾンビの元へと駆け寄った。
そしてそこに行ってみるとそこでは倉科と宗と土井が戦っていた。宮島はそこに剣を投げつけた。しかしそれはゾンビの横を通り、奥の棚の隙間に刺さってしまった。
「隊長!」
倉科はそう言った。これで倒せると思ったのだろう。しかし、このゾンビは簡単にはいかなかった……
ドンッ!
そんな音がすると土井が壁に強くうちつけられていた。どうやらゾンビに腹を蹴られたらしい。
「大丈夫ですか?」
宗が聞いた。
「多分あばらが逝ったと思う……」
土井はそう言ったまま、その場に座っていた。これで3対1になってしまったが、まだ対策官側が有利なことに変わりはなかった。
バチバチッ!
そんな音がした。どうやら宮島が電撃棒を使って攻撃しようとしたらしいが、ゾンビに距離をとられてしまったらしく攻撃に失敗してしまった。
バンッ!
そんな音をたてて倉科が床に倒れこんだ。今度は土井の時とは違って右腕を押さえていた。多分骨折したのだろう。倒れた所にちょうど段差があった為に……
「宗!右から叩け!」
「了解です!」
宗は宮島に言われた通りに右側から攻撃をしようとしたその時だった!上からゾンビが落ちてきたのだった。なのでもちろん宗はそのゾンビに潰されてしまった。
「おい!宗!」
宮島はそう言いながら上から落ちてきたゾンビの首に電撃棒を刺した。今回はその下に宗がいたため、電流を流すことが出来なかったが何とか倒すことが出来た。
「タイマンか!」
宮島はそう言うとゆっくりと希種に近付いた。そして高圧電流を流すスイッチを押したまま、電撃棒を刺した。この時点で誰もが宮島が勝利したと思ったがそれは間違いだった。
「電流が流れていない……」
土井がそう言った。そう、宮島の電撃棒の電流は充電式の為、すぐに切れて使い物にならなくなってしまうのだ。なので宮島は使い物にならないと分かるとその電撃棒を横に投げた。
そしてゾンビの攻撃を避けながら下がっていった。そして誰もが宮島の方が不利だと分かる状況のなかから宮島はいっきに、その状況をひっくり返し返したのだった……
ザスッ!
突然ゾンビが血を出して倒れた。そして宮島の手には最初に投げたはずの剣があった。どうやら今の一瞬の隙に剣を取ったらしい……
そして宮島は足のないゾンビに近付いていった。そして……
「俺の部下が世話になった……」
そう言うと宮島はゾンビの首に剣を刺した。ゾンビはそのまま血を出して死んでしまった。
ゾンビを全て倒してからは早かった。その後すぐに宮島は本部と連絡を取り、救護班を呼んだ。そして無事に本部へと戻ることが出来た。
東京本部、本部長室……
「今回、作戦は成功しましたが、それの代償により負傷者が五名出ました」
宮島は仲野にそう報告した。
「お疲れ様。三日後に芝公園新平地作戦を行う予定予定なんだが、参加するか?」
……
宮島は10分後に本部長室から出てきた。宮島率いる第一部隊は参加しない。「芝公園新平地作戦」が成功するかどうかはすでに分かりきっていた……
EX ver.
宗隼央
一等ゾンビ対策官
武器……槍
拳銃
伊東仁
ゾンビ対策士長
武器……剣
爆式銃(撃つと丸い弾が出てくる。衝撃が加わることによって爆発する)
拳銃