亜紀の策略
影と亜紀はデパートについた。
『亜紀はなにが欲しかったの?』
「え? あぁ……文房具よ」
影は納得して先に歩きだし、文房具屋に向かったが、亜紀は内心ドキドキしていた。
何故なら、デパートに行きたい と言うのは影を独占してデート気分を味わい、あの人とくっつかせないようにさせ、あの人よりも優位にたつ為の口実であったからだ。
『ここがお探しの文房具屋さん』
「え? ああ うん」
亜紀は頭の中で色々考えていたので、いきなり言われて驚いた。
考え事をして全く周囲を見ていなかったのだが、いつのまにか文房具屋に来ていたらしい。
『なにが欲しかったの? ノート?』
とりあえず中に入って色々見ていたが、目的の物を忘れてしまったようにウロウロしている亜紀に声をかけた。
「えっと……そう! ノート、ノート 」
亜紀は慌ててノート売り場に行き、特に欲しくも無かったノートを買った。
『んじゃ、西森の家に行こっか?』
「え? あ、うん。そうだね」
二人は西森の家に向かった。
西森の家に着いて西森の部屋に入ると 西森、美波、朝奈がすでにいてテーブルに教科書を広げて勉強していた。
「おっ 遅かったな」
西森が顔をあげて言った。
『ああ もう勉強始めてるんだ』
影はそう言って座った。さりげなく亜紀が影の隣に座った。
朝奈は亜紀が影の横に座ったのを横目でみていた。
二時間ほど勉強した後、五人は西森のお母さんが作ったご飯を食べた。