いざ、勉強会へ
話は少し前に戻るが……
授業が終わり、美波が朝奈の席に来た。
「朝奈ちょっと良い?」
『なに?』
朝奈がなにか、机の中を探していた。
「なに探してるの?」
『う~ん。御守り』
机をゴソゴソしながら答えた。
「いっつも持ってるやつ?」
『うん。そう』
「あれってなんの御守り?」
『冷静に物事を判断し、頭が良くなる御守りなの』
「なにそれ? どこに置いたかちゃんと調べたの?」
『うん 鞄に無かったし、ここだと思うんだけど……』
朝奈はまだゴソゴソと探していた。 朝奈が筆箱を開けると中に、赤い巾着袋が入っていた。
『あっ! あった~』
見つけた御守りを美波に見せた。
「まったく……ちゃんとしまっておきなよ?」
『えへへごめ~ん。そうだ! 話ってなに?』
「ああ あのね……真田さんが勉強会に来るんだって」
『え? なんで真田さんが?』
いきなりで朝奈は驚いた。
「よくは分からないけど、影君がさっき西森君に言ってたらしい」
『やっぱり 影君は真田さんが好きなんだ』
そう考えていると、朝奈は悲しくなっていた。
「違うと思うな……影君の気持ちは分からないけど、真田さんが無理やり行きたい って言ったんじゃない? あの人結構押しが強そうだし」
美波が励ましてくれているが、元気が出ない朝奈
『うーんそうかな?』
「大丈夫。朝奈の良い所はちゃんと影君にも伝わるよ」
美波が優しい声で言った。
やっぱり、美波はいつでも私の味方だった。
『えへへ ありがと、美波』
朝奈は満面な笑顔で言った。
「なら さっそく西森君の家に行きますか」
『おー!!』
二人が昇降口に行くと、西森君が待っていた。
「待ってくれてたんだ?」
美波が西森に言った。
「まあね。2人とも家知らないでしょ?」
「そうだね」
『影君が来るのも待ってるの?』
朝奈はそう聞いたが西森は首を横に振った。
「影なら家知ってるから勝手に来るよ……その…真田さんと……一緒に来るんだって」
西森が朝奈に申し訳なさそうに言った。
『そっかぁ』
朝奈は下を向きながら呟いた。
「大丈夫よ。影君ならすぐに来るから西森君の家で待とう?」
美波が励ましてくれた。 最近励まされてばかりだな。
『うん、分かった』
私はそう言った後に、美波と西森君と一緒に西森君の家に行った。