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おバカ貴族と貧乏貴族

カサルとマリエの運命的な出会いがあったその晩。


カサルの父であるところの領主イサム・ヴェズィラーザムは、書斎の机に突っ伏していた。


「もうどーーーしよ……」


社交パーティーを終え、愚息(ぐそく)について深堀されたイサムはその対応に追われていた。来賓者へのお礼の手紙を執事に口述させながら、その顔には明らかな疲労の色がうかがえる。


執事が問う。「その愚痴もお手紙に?」


「するわけないだろう。せっかく影武者作戦も成功したというのに」


「ええ、まさに完璧でした。あの立ち居振る舞い、理想的御曹司と言っても過言ではないでしょう」


二人は目を合わせる。


(あれぐらいちゃんとしていればなぁ~)

(そうですな~)


心の中で互いに同意する中、重い書斎の扉がノックされた。イサムは蝶ネクタイを正し、声を掛ける。


「どうぞ」


開かれた扉から入ってきたのは、カサルの弟ザラと母ジュディスだった。ザラは兄カサルより二歳下だが、すでに身長百八十に迫る美丈夫(びじょうぶ)だ。切り揃えられた金髪の前髪の下、飢えた狼のような眼光が父の顔を(にら)みつけていた。


「父上、お話があります」

「手短に頼むぞ。私も今日は疲れた」


イサムはザラの言いたい言葉が手に取るように分かった。執事を下がらせ、椅子に仰け反ると大きな欠伸を噛み殺す。


「ええ、多くは語りません。ただ確認したい。なぜ俺ではなく兄上なのですか?父上も兄上には散々困らされてきたはず」


「ザラ、いつから君は私の代弁者になったのかね?」


「……今日だけは言わせて貰いたい。父上はいつまで……あの女装趣味の変態に我が家の誇りを踏みにじらせるおつもりか?」


「ザラ……お前の兄は異端核に選ばれた。五歳という年齢で、だ。きっとあの子は神童で、我々の考えの及ばぬ遥か高次元の考えを……」


「父上、どうか目を覚ましてください!!今日アイツがしていた事をご存知ですか?水着ギャルを探しに誕生パーティーを逃げ出したんですよ!?あの人はヴェズィラーザム家の恥だ!」


ザラの顔は怒りで真紅に染まり、涙を浮かべて激怒した。

ザラ君大激怒。

口は悪いけど、怒る理由はド正論。


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