表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/15

第七話『禁断の記憶と“桃界の裏歴史”!? 葵、覚醒と同時に消える!?』

「……きみは、思い出さなければならないの。

 “わたし”と“きみ”が、もとはひとつだったということを──」


《夢みずき》の声が、葵の全身に響き渡る。

視界が歪み、心が剥がれ、葵は異界へと引きずり込まれていく。


そこは――かつて存在した、もうひとつの桃界。




♦ 文明桃樹時代ももじゅじだい

果実文明の最盛期。

空を覆う巨大な桃の樹《霊桃根樹れいとうこんじゅ》のもとで、

果実たちは高度な魔術文明と機械技術を両立させ、栄華を極めていた。


桃の果汁はエネルギージュース・コードとして抽出され、

空飛ぶももヴィオン自動収穫兵器ピーチ・リーパー

そして感情を保存できる“桃の記憶結晶”《ソルベリア》が発明される。


だが――


「その果汁は、やがて“魂”さえも燃料に変えてしまったのよ」


夢みずきの声が、過去を語る。


「果実たちは、効率を追い求めすぎた。

 “感情”も“家族”も、“甘さ”すらも、失われていったの」


やがて起こったのが……




♦ 果実戦争フルーツ・ウォーズ

「感情を取り戻す派」VS「無感情に統制された秩序派」

“ジュースの流れを止めた者”は異端とされ、

世界は戦火に包まれた。


そのとき立ち上がったのが、夢みずき。

“全ての桃の母体”たる彼女は、全魂を封じることで戦争を止めた。


しかしその代償に、自らの意識を分裂させ、“もう一つの存在”に託した。


「それが……おまえ、“葵”」


「え…………っ!?」




♦ 真実1:葵=夢みずきの“再誕体”

「本来、おまえはこの世界にいるはずの存在ではない。

 地球の桃を探してた? それは、記憶が微かに引っ張っただけのこと。

 おまえの魂は、私の“種”だったのよ」


「つまり俺は……この世界の、なに?」


「桃界を“救うか壊すか”、それを選ぶ鍵。

 再び桃神として目覚めるなら……桃界のことわりをも書き換えられる」




♦ そのころ、桃楼宮

「……葵様が、消えた……?」


清水白桃が呆然と立ち尽くす中、姫たちは混乱していた。


「ど、どこ行ったんだよ葵ぃ!!」


「葵くんが……いないと、わたし、退屈なのにぃ……!」


「まさか、“桃界転移”を……!?」


そこに現れる、黒い霧。


その中心から、闇に包まれた男が姿を現す。


「……夢みずきが目覚めた、か。では、次の“果実戦争”を始めよう」


その名は──


黒桃王こくとうおう・アモルグレア


かつて、夢みずきに敗れ封じられた“禁断の黒桃”にして、

感情を喰らう存在。


「すべての甘さを腐らせ、苦味に変えてやろう……」


そしてその手には、果実兵器グロームピーチ・コアが。


「行くぞ、桃界の姫たちよ。

 おまえたちの“愛”など、すぐに潰れて種になる」




♦ 葵、覚醒

夢みずきの魂が溶けるように葵に融合し、

彼は静かに目を開ける。


「……今、世界を……ほんとに、守らなきゃいけないんだな」


彼の背には、光と闇が渦巻く“桃の翼”。

指先には、封じられていた《始桃印しとういん》の紋章。


「俺は……“選ばされた”んじゃない。

 “選んでやる”よ、この世界を」


覚醒せし“半神の桃魂継承者”、

その力が黒き王を迎え撃つとき──!




次回予告!!

第八話『果実戦争ふたたび!? 姫たちの決意と、黒桃王の宣戦布告!!』

覚醒した葵、帰還。そして姫たちが一丸となる!?

だが黒桃王の狙いは……まさか“あの姫”!?


まだまだ……ももたましいッッ!!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ