第十一話『果実咲き誇る時! 桃界の未来と最後の種!!』
――“黒果の真核”、覚醒。
その漆黒の樹は、空を裂くように伸び、桃界の空を覆い尽くそうとしていた。
「これは……世界ごと、果実を飲み込むつもりか!!」
「ふざけるなぁぁぁぁっ!! そんなの……芋も焼けなくなるじゃんか!!」
「……そこ! 焼き芋の心配してる場合ではありませんわ!!」
◆
漆黒の力に抗うには、桃魂の“原点”の力――夢みずきの完全覚醒が必要だった。
「……お願い、もう一度わたしと、ひとつになって」
夢みずきの声が、葵の胸の奥に響く。
「君がいなきゃ、ここまで来れなかった。行こう、最後まで一緒に」
光が爆ぜ、葵の姿に桃色の紋章と花びらが舞う。
夢みずきとの完全融合――『桃界融合式・果実咲』発動!!
「みんな、行くぞ!! 桃魂の未来を、取り戻すんだ!!」
◆
【姫たちの未来の実】
それぞれの姫たちもまた、幻影を通じて“未来の実”――自らの内に眠る希望と夢を見つけていく。
・清水白桃:「わたくし……もう、護られるだけではなく、誰かを支えたいのです」
・黄貴妃:「孤高ではなく、仲間とともにある気高さを……それが、わらわの道」
・さくら白桃:「もっと、もっときゅんとできる未来が欲しいの♡」
・なつっこ:「桃バーベキューを世界中に広める! 食と果実の未来を守るっス!」
・川中島:「……毎日焼き芋できる世界があれば、それで……ぐふふ」
「未来の実……それは、自分で育てる希望ってことか」
葵は微笑みながら、剣を構える。
◆
【決戦:黒果の真核】
黒果の真核は、かつて争いと憎しみの果てに生まれた“果実の怨念”。
それは、あらゆる果実たちの“棄てられた記憶”を吸い、巨大な怪樹へと進化していた。
「このままでは、桃界が呑まれる……!」
姫たちと葵は、連携して最後のバトルへと挑む!
・さくら×黄貴妃:恋と気品のツインビーム『ドキプリ・フローラルブレード』
・なつっこ×川中島:火力超過連携『芋烈火BBQノ型』
・清水白桃×葵:浄化の一撃『純白咲光』
「――今こそ、咲き誇れ!! 桃界の未来よッ!!」
◆
【結末と新たな芽】
黒果の真核は、浄化の光に包まれて崩れ落ちる。
その中に、ひとつだけ残った“新たな種”――
「これは……?」
「これは、“受け継がれる想い”。争いの果てでも、希望の芽は残るのです」
夢みずきの声がやさしく響いた。
「これからは……私じゃなくて、みんなで育てていく世界にしよう」
◆
【桃界、ふたたび平和へ】
こうして桃界に平和が戻った。
「さあて、焼き芋で祝勝会じゃあああああっっ!!!」
「……わらわ、今回は許す」
「ありがとう、葵様。わたくしたち……本当に、果実の笑顔を取り戻しましたのね」
「うん。俺も……この世界が、大好きだよ」
◆
次回予告――
第十二話『新生・桃魂連合!? 果実祭りと“はじめてのおつかい”大騒動!!』
平和になった桃界で、姫たちが送る新たな日常!
だが次なる試練は……なんと“おつかい”!?
果たして姫たちは、スーパーまでたどりつけるのか!?