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たまたま隣合った袋と袋の会話。

作者: 雪野鈴竜

さっきバナナ食べながら思い付いた実話です。

──とある一室に、ビニール袋が二つ放置されていました。恐らくこの二つの袋は一週間は床に放置されており、部屋の主も“そろそろしまおうかな”と考えつつも、どうも気分が乗らずに時だけが過ぎていった。その内二つの袋は会話を交わすようになる……「何やかんやもう二週間に差し掛からない?」「そうだね」「ここまで来るとさぁ〜、自分達は最終的にどう扱われて終わるのか気になるよね。」お喋りな袋はそんな話題を投げかけてきた。


「二つ並んでるし、同じゴミ箱に行きそうっちゃいきそう。」


 お喋りな袋に対しもう片方も「どっちも生ゴミ入れられたりね。」と言うが、「いや、猫いるしフン入れられる可能性も」そんな会話を交わしつつ、最終的には「何にも使われず、結局あと一週間程は放置されてそのまま捨てられたりしてね。」とお喋りな袋は笑い飛ばした。

……が、意外にもその日は翌日だった。


「あ、そうだあの袋使おう」


 かなり溜まってきた使用済みの大量の単三電池をまとめようとした家主は、ふと自室の床に何となく放置したままの袋の存在を思い出した。自室へ向かい中へ入ると、お喋りな袋の方をまず初めに手に取り拾い上げる。「あらら」お喋りな袋は意外そうな反応をし、されるがまま運ばれる。……使用済みの単三電池がまとめられると、不燃ゴミ用のゴミ箱に放り込まれた。


「バナナ食べよっかな、お腹空いたし。」


 次に家主は、バナナを二本食べると……そのまま捨てたら臭いが充満するかなぁと考え、再び自室へ向かうと残りの袋を掴んだ。「そうきたか」袋はそう声を漏らすと、バナナの皮を袋に入れられて縛られた。そして最後は燃えるゴミ用のゴミ箱へ放り込まれたのだった。


「──なんて、会話でもしてたりしてね。」


……ゴミ箱を見つめたまま数秒後、家主はそう呟いた後に、自室へ戻った。

読んでいただきありがとうございました。

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